パチンコ歴が長いほど、大ハマリや大連チャン体験はもちろんのこと、普通に生活していたらなかなかお目にかかれない人物との遭遇まで、本当にさまざまなことが起こるもの。

一般ユーザーよりも長くホールに滞在することが多い「パチンコライター」ともなれば、そんな場面に遭遇するケースも多いハズ! そんなパチンコライター達にパチンコ屋で遭遇した珍事を語ってもらうのが、この『パチンコ ホールでの珍事』!! 今回は「恐怖体験編」だッ!!

なお、ここで記載した珍事はあくまで各ライターが体験した出来事であり、編集部とは一切関係ありませんのであしからず★

これは、後に虚心の弟子となるSくんがパチンカスだった頃に体験した世にも奇妙なお話。

当時、Sは元々かなりヤンチャをしていて、今で言うところの半グレのような存在であった。趣味はパチンコであったが、今とは比べものにならないくらいほどのど素人。某大先生を信じ、当たりやすい回転数ばかり狙っていたが、所詮、素人ということもあってか、大先生のように上手くは行かなかった（笑）。

Sは当時資金力も無かったため、主に初当りの軽めの現金機の無制限営業のホールで立ち回っていた。おばあちゃん子だったこともあってか、よく打っていたのは「若者よ! かかってこい!」のフレーズでお馴染みの、全ての大当りに時短が付く「ふぃーばーちゃん松（ダイドー）」であったとか（笑）。

その頃の彼の立ち回りは、まず入店時入り口の監視カメラに店になめられないように殺意を込めてガンを飛ばし、必ず軸足の左足から入店。台に失礼のないように両替機で2万円分を全て500円玉に崩して台にヤル気をアピールし、その日の朝の星座占いの一番好調な月の末尾（魚座なら末尾2）の「ふぃーばーちゃん松」に座って稼働をしていたそう。そうすることで、だいたい勝てていたとのこと!

因みに虚心の中では、当時、収支を付けないで「だいたい勝っている!」という人は、だいたい負けているの法則でパチンカス確定であった（笑）。

ある日、Sがいつものように2万円分を全て500円玉に崩し、空の灰皿に500円玉を入れて台の横に置き打っていた日のこと。

ボーダーなど気にもしていないので、回転数なども見ずに「乳ヌンチャクリーチ」出ろ!! …と念を込めながら、真剣に液晶を見て打っていたのだが、40枚の500円玉がいつもより早く無くなった。

気のせいだと思い、また2万円分を全て500円玉にし、灰皿に入れて再び打ち出した。

そして、また500円玉が無くなるのが早いなぁーと思ったその矢先、強面の店員が彼の隣に座っていたおばさんの手を掴み、「おい！こらっ！💢うちの店で、何やってくれてんだ! 警察呼んだからな!!」と怒鳴った。よく見ると、Sの灰皿から500円玉を取り、自分の台のサンドに入れるところだったのだ。おばさんは「いや、自分の500円玉と間違って…」と苦し紛れの言い訳をしたが、店員は「さっきからずっと見ていたけど、一度も財布出してねぇじゃないか!」と。

ここで普段のSなら、おばさんでもボコボコにしているところなのだが、「乳ヌンチャクリーチ」の真っ最中でそれどころではなかったため、このおばさんは命拾いをした。その後、このおばさん、どうやらしょっちゅう同罪で捕まっていた常連らしく、駆けつけてきた警察官に「もう今回は実刑になるよ!」と言われてパチ屋の事務所を後にしたそう。結局、投資スピードUP加速装置の正体は、隣のおばさんだったのだ（笑）。

後にバリバリの攻略ネタ系のプロとなり、今では小さな会社だが社長を務めるSは、未だに彼の怒りのパワーもあっさり治めた「乳ヌンチャクリーチ」がパチンコ界最強のリーチと言っている（笑）。