業界より口座の残高を盛り上げたいんだろ?
稼ぎたいよりも目立ちたい、承認欲求の権化のパチンコライタージャイロがパチンコニュースを語るお時間がやってきた。
「パチンコ業界を盛り上げたい」パチンコ演者としてデビューした者、もしくはデビューしようとする者がほぼ例外なく口にするこのワード。なんかのテンプレにでも書いてあるのかと思うくらいだ。
私か? 私は目立ちたいし、パチンコを語ってそれを皆に聞いてほしいからライターになった。業界を盛り上げたいなんて微塵も思ってなかったよ。
承認欲求を満たすのが最大の目的だった。金のためなんて考えもしなかった。誰も知らないような女が数時間で何万円もの金を手にする今と違い、20年前のパチンコライター(演者)業は金にならなかったからね。
今と比べたらギャラも低かったしパイも少なかった。私は2003年に時給850円でスタートしたんだぞ。運よく大成できたとしても金にならないことをわかってデビューを目指していた。
かつては多くいた編集者出身のライターもそうだろう。パチンコ、パチスロが好きすぎるあまり、打つ時間を確保するためにライターになるというようなパターンだ(他にもあるかもしれないが)。大物にもこのパターンは多い。編集はライターに仕事を発注する側なので彼らが高くはないギャラで仕事をしていることも当然わかっていたし、それを飲み込んだ上で転身していったのだ。その話は次回にしようか。
今編集からライターに転身するなら「自分も来店で楽して稼ぎたい」が加わるだろうし、この演者バブル時代、結局本音はみんな金が欲しいだけなんだよ。または自分もチヤホヤされたい、目立ちたいんだよ。業界を盛り上げたいなんて1ミリも思ってねえよ。
はい。今回の原稿はここまで! 次回また会おう!
本当に業界を盛り上げようとするとロクなことにならない
ではない。
本当に業界を盛り上げたい気持ちを、実は全員が持っているんだよ(お前前半でなんて言ってた?)。
かくいう私もその気持ちはある。ほかの子たちもそうだろう。ただ、仕事をしていると現実を知るんだよな。
真の意味で業界を盛り上げたい、良くしたいのなら、時には厳しいことも伝えていかねばならないと思うんだ。
だが現実にそういうことをすると結果どうなるか?
業界を変えるためにあえて嫌われ役を買って出てやるなんて思って際どい事を言っても、この業界はなーんも変わらんうえに、嫌われ、煙たがられ、自分のイメージや立場がどんどん悪くなり、仕事も減り、自分が損をするだけなんだ。
いま売れている人たち見てごらんよ。全員ビジネスパチンカーで、全方面にいい顔してる人たちばっかだろ?
でもね、これが演者のムーヴとしては完全に正しいんよ。悲しいことにね。
そして「業界を盛り上げる」がいかに無駄な言葉か、ということだ。
演者が盛り上げられる限界
現在圧倒的な最強媒体であるスロパチステーションさん。いそまるさんやよしきさんが来店するとなれば確実に4桁以上の人が集まりめっちゃ盛り上がる。受け入れ態勢がまったくできていないところに何千人が押し寄せるので、盛り上がるを超えてゴミや近隣の駐車場、トイレのパンクなどで野外フェスでもやっているかのようになっている。
でもこの盛り上がりはその日そのホールだけのことで業界全体が盛り上がるか? と言ったら否! なわけだ。
たとえば東京や中部、大阪のどこかの1ホールにスロパチがそれぞれ来店してそのホールが盛り上がっていたところで、東北、九州、四国などそれ以外の地方のパチンコ事情が盛り上がるか? 盛り上がらないでしょ。基本はその日のホールだけ、あってその近隣までだ。「いそまる来店」で5000人並んだホールの翌日の並びが5人だった、なんてこともごく当たり前だ。
結局来店では「業界」を盛り上げることはできないのだ。「自分が訪れるホール及び近隣」を盛り上げることはできる。というかこれも演者だけの力で盛り上げているのではなく、現実に頑張って盛り上げているのはホールであり、演者はその頑張りを周知するお手伝いをしているに過ぎない。演者ができるのはここまでなのだ。
あとは機械を盛り上げることもできなくはない。実際スロパチさんの動画がハネると翌日の全国稼働データもハネるなんてこともある。だがそのまま機種のブレイクに繋がるかとなるとホール次第なところはある。最近で言えばSANKYOのブルーロックなんかは打てば打つほど面白い台で、それに気づいた自分含む何人かの演者がブルーロックのここが面白い! って盛り上げようとしていたけど、今のホール状況だとなかなかね……。
ひとつひとつできることから
だから真に業界を盛り上げるとなるともう仕組みだったりの土台そのものにメスを入れられる存在になるしかないわけだ。何の立場もない、責任もない人が、無責任に好き放題いったところで、眉をひそめられはしても業界を変えられるわけがないのよ。当たり前の話だ。
この業界バカばっかりみたいに見えて、超優秀な人がメーカーやホールにはたくさんいるしそう言った人たちが考えに考えて色々な施策を行った結果の今なんだ。自分や一般ファンが思いつくようなことはもう何周も前に思いついているだろう。とは言えこういう考え方をしてるユーザーがいるんだって意思表示をすることは無駄じゃないと思うけどね。
ビジネスパチンカーでうまくやっている人たちはこういうことをわかっていたのかもしれないね。ビジネスっていうと揶揄しているように見えるかもしれないが、結局はうまくやれていてうらやましいなあという嫉妬だw
上手くやりやがってwという嫉妬と、ビジネスって揶揄しているけど、自分が関わるところ、盛り上げられるところをうまく盛り上げてこれているからこそ売れているわけだからな。
夢みたいな目標を掲げる前にまずは目の前の現場から。
20年前にコレに気づけていたら自分も少しは変われてたかもなあ。
20年前でなくても、もっともっと早く気づけていればもう少し業界を良くできたかもしれない、少しはね。
最後に。思ってないし行動もしないくせに業界を盛り上げたいって言う子たちを揶揄するようなことを言ったが、最初の最初は本当にその信念を持っていたんだろうってことだけは覚えておいてくれ。
みんなの会社にも新入社員が入ってくるだろう? その子たちの熱量、やる気、モチベーション、みんなも新人の頃は持っていたはずだ。それと同じだ。
パチンコを打ったこともないのによくわからん業者にイヤイヤ来店をやらされているような奴は別としても、自分から業界の門を叩いた子なら最初は熱量があるんだよ。でも現実を知ると……。


