過去の「隣に座ったヘンな客」はコチラ
チワッスあしのです!
ホールで出会った奇抜な隣人を紹介するこちらのコラム、今回は3回目の登場となります「だったんそばちゃ」さんの体験談をご紹介します。こんちはそばちゃさん!
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仕事帰りにパチ屋に寄って「冬ソナ2」を打ってる時のこと、4連で終わった確変後の時短中、ポラリスが落ちてきて実写リーチに発展した瞬間、となりのオッサンがスッとわたしの台に手を伸ばし、何やらキリスト教系の祈りの言葉をつぶやきながら液晶を撫ではじめました。
(なんだこいつ…)
と思いつつも殴られそうだし「ヤメてください」と言えずに困ってたんですが、オッサンが手をどかした瞬間図柄が揃ってました。しかも確変に昇格。
その後も時折通常図柄が揃うたびにオッサンが手をスッと伸ばしてきて何か撫でながら祈り、そのたびに確変に昇格。18連までいったところでオッサンは金が尽きたのか(ハマってた)離席してしまい、その瞬間にわたしの台の連チャンもおわりました。
ほぼ毎日いってたホールなのに初めてみた人で、その後ももう、彼を見ることはありませんでした。なんだったんだろう…。
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これも分かる。マジでいるんですよこういう幸運の象徴みたいな人。流石にブツブツ祈ってはいませんでしたけど、オレにも経験があります。

アレはまだ足立区で働いてた頃だからもう15年近く前になるのかな。
仕事帰りにいつも寄ってた店で適当に打ってたら、テンガロンハットかぶってレザーベスト着た若者が店内をウロウロしてたんですね。ご丁寧に首元に赤いスカーフまで巻いてて、さながらテキサスのおしゃれ番長みたいな感じでした。
マジでなんていう名前なのかわかりませんけどもカカトに歯車ついたロングブーツまで履いてたんで今だったら完全に「ハンバーグ師匠」って呼ぶんですけど、当時はまだ彼はいなかったんで素直に「やべえ、ほんもんのカウボーイいる」「台パンしてるやつ投げ縄で捕まえんのかな」とか色々思って独りで笑ってたんです。
その日はすぐ近くで地域のお祭みたいなのをやってて、彼もその客なんですよ。なぜなら手に透明なプラスチックの容器みたいなのに入ったフランクフルト持ってたから。
だから普段はパチ屋なんかに来ない人なんですけど、なんかテンション上がって様子見に入ってきてるんでしょうね。だからホントに物見遊山気分で通路をぶらぶらしてるだけで、座って打つ気配はなさそうな感じでした。
最初は「邪魔だな」と思いながら格好が笑えるんでチラチラみてたんですけど、どうもそのカウボーイが後ろを通る時に限ってオレの台にレア役が来るんですよ。気づく前に何回あったかわかりませんけども、気づいてから3~4回あったんで最後の方はちょっとハマると「カウボーイこい!」ってすげえ思ってました。
他にも骨折してるのか左腕をギプスでガチガチに固定してるやつがホールをウロウロしてる時も似たような経験がありますし、同類項にまとめられるような話はまだまだあります。
なので「目立つ格好してる奴が後ろを通ると当たる」というのがオレのなかでオカルトのひとつになってるわけですな。
多分これ、似たような経験がある人もかなり多いと思うんですよ。
酒飲んでる時にパチンコ・パチスロ打つ人の話を聞いても同じく類型化できそうな話はよくありますし、我々が見てるのはもしかしたら、姿形がそれぞれ違って見えるだけで、中身は同じモノなのかもしれません
要はだったんそばちゃさんが遭遇した「隣で祈るオッサン」も、オレの後ろを通る「テキサスのおしゃれ番長」も、ガワが違うだけで本質的には「幸せを運ぶ怪異」であり存在としては同一なんですね。
民俗学ではこれを「稀人(まれびと)」とか「客人(まろうど)」とか呼び、地域によっては信仰対象にもなってます。七福神の恵比寿さんも元はそうですね。明治時代に流行した仙台四郎なんかは今でも写真飾ってるお店がありますし、最近だと美輪明宏さんがそんな扱いになってます。
もしかしたら神さまだか妖怪だかわかりませんけど、人の幸運・不運を左右できるような怪異がいて、時折人里に下っては別の形をとって、我々スロッターだかパチンカーだかの隣に座ったり背後を通って気まぐれに当たりを引かせ、その反応を見て楽しんでるとか、そういうことだってあるかもしれない。
もしかしたら今打ちながらこれを読んでる人だっているでしょうけど、ほら、隣りに座ってる音量マックスで耳栓してるクソ野郎や、逆サイドに座ってる貧乏ゆすりがエキセントリックなクソ野郎がもしかしたらそうかもしれないので、あんまりイライラせずね。
感謝の気持を忘れずにいきましょうね。ハマリは自分のせい。当たりは誰かのお陰さま。そういう心持ちでいけば、雲の上で見てる本物の神さまだって、ホントにご利益をくれるかもしれませんよ。
はい、本日は以上! また来週!
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