ハネモノや一発台ではもちろんのこと、デジパチでも最近では盤面だけでなく筐体のあらゆるところに設置されてきた「役物（役モノ）」。
中には“ギミック”と呼ばれて巨大化したり、パチンコの進化とともに現在に至るまで発展し続けてきた。
そんな「役物の世界」を振り返るのが、このコーナー。

今回取り上げるのは、「CRJ-POPヒットバラエティー」（2007年・Daiichi）だ。
それでは、GO!!

液晶と役物の融合による新ジャンル「役デジ」として2006年に登場した『CR湘南爆走族』、その流れをくむのが本機だ。1970年代にヒット曲を飛ばした往年の有名歌手とのコラボにより、6大アーティストの各名曲（もんたよしのり「ダンシング・オールナイト」、円広志「夢想花」、松崎しげる「愛のメモリー」、庄野昌代「飛んでイスタンブール」、桑名正博「セクシャルバイオレットNO.1」、大橋純子「たそがれマイ・ラブ」）が搭載されていた。

スペック的には2種類あり、『J60V』が液晶図柄当選確率1/41.75・出玉1620個（15R・V入賞時）or1760個（16R・液晶直撃大当り時）、『KS3』が液晶図柄当選確率1/20.5・出玉500個（7R・V入賞時）or570個（8R・液晶直撃大当り時）。

まずは普通にSTART（スル―チャッカー）を狙い、液晶を変動させる。

液晶内で3or7図柄が揃えば、次のステップへ。

液晶図柄揃い後は盤面左のベロ役物（普電役物）が開放（最大2カウント）。液晶では玉を入れるよう矢印でナビされるので特別な打ち方は不要だが、確実に入賞させる。

液晶のランキング演出で、第1位なら液晶直撃大当りだが、ほとんどの場合である2位以下なら上部アタッカーが開放。ここでも液晶のナビに従って上部アタッカーに玉を確実に入れる。

アタッカーに入賞させた玉のうち1個のみが最終段階の役物抽選へ。この時、音符役物の色によってV入賞期待度が変化した（赤＜青＜紫）。

回転するメガヒットリング役物の「NO.1」穴（Vゾーン）に入れば見事大当りだ。

液晶の予告アクションは「ミラーボール予告（割れて出現する文字によって期待度変化）」や「図柄アニメ予告（図柄にアーティストのアニメが出現）」などがあった。後者は実写が出現すればチャンスアップ。

リーチアクションは「ダンシング・オールナイト」「セクシャルバイオレットNO.1」「飛んでイスタンブール」の3種類だが、いずれも実写になれば期待度は大幅アップ。いきなり実写から始まる場合もあった。

ランキング演出は圏外から始まりランキングが上昇していくが、最終的には8位or5位or2位で停止することが大半だった。ただ、ここで出現するアーティストおよび最終順位によるV入賞率への影響は特になかったと思う。

役物V入賞後は「ミリオンチャンスモード」に突入し、上部アタッカー開放4回までのチャンスタイムへ（※『J60V』の場合、以下同様）。ミリオンチャンスモード中に再度V入賞すれば、8回チャンスの「メガヒットモード」へ突入（※液晶大当り時は13回チャンス）。先述の通り、ランキング第1位の場合は液晶直撃大当りになる。

初当りが保留ナシの場合は基本的にミリオンチャンスモードは4回で終了するが、保留アリの場合はリベンジチャンスが発生し、5回目の抽選を受けられた（メガヒットモードなら実質9回、液晶直撃大当り時なら実質14回）。これを保留ナシの場合にも単発打ちで意図的に1個入賞を狙って役物抽選の最終チャンスで2個入賞させる打ち方をすれば実質1回の上乗せができる「リベンジチャンス誘発打法」も存在した。ただし、ミリオンチャンスモード中のリベンジチャンス大当りではメガヒットモードに移行しない（※通常時扱いのため）という注意点もあった。

とにかくパチンコの新たなジャンルとして登場した「役デジ」、その運命はいずれも攻略法が出回ったことにより短命で終わったが、当時のパチンカーをアツくさせたことは事実だ。

＜つづく＞