同じ情報を持ってるライバルだらけ

※過去の「それはきっとこういう事情」はコチラから！

チワッスあしのです。

パチンコ・パチスロにまつわる答えの出ない様々な疑問にざっくりとした形を与えるこちらのコラム。今回のネタは「解析情報って必要？　不要？」というもの。

これはオレからすると「必要」一択なんですけども、昔から若干ながら不要論っつうのもあるんですね。

だれからの声か。そう。プロです。

今も昔も「台の情報」というのは勝率に直結するわけですが、その価値自体は知ってる人の数で変わってきます。誰も知らないレア情報は価値が高いし、逆に広く遍く知られてる情報は価値が低い。

それでいうと4号機の「キングパルサー」は象徴的な台だと思います。

かの機種は激アマだった事で今の若い人にも結構知られてるんですが、なぜそういう評価になってるかというと、単純に今より全体の情報リテラシーが低い時代に登場したテーブル式のストック機だったからです。

いまはほとんどいなくなっちゃいましたが、当時は何も知らずに適当に3000円だけ打って帰る爺様とかがいっぱいいたんですね。だから美味しいゲーム数だけを狙い撃つことが可能だった。

翻っていま同じ事をやろうとしても、「知らない台は解析情報を見ながら打つ」というのが当たり前になってるので、ハイエナの難易度がかなり上がってしまってる。なんせ右を見ても左を見ても、同じ情報を持ってるライバルだらけなので。

要は当時のホールでは情報価値というのが無茶苦茶高かったんですけど、いまは逆にすげー低くなってるんですね。

プロからすると当然「知ってる少数の人間だけ勝てる」という「価値が高い情報」を握りたいわけですけど、彼らからするとネットで無料で見れちゃう解析情報は邪魔でしかないわけですな。

そう、「解析不要論」というのはこういう意味なんです。

ちなみに「解析」という言葉そのものもちょっと解説しとくと、いまは雑誌はもちろん各種攻略サイト等を含め、リバースエンジニアリング等を用いた文字通りのROMの解析は行なっていません。

理由は虚心坦懐さんのコラムに詳しいのですが、逆に言うと昔は実際に解析を行っており、その情報をバンバン表に出してたんですね。

その頃の名残で今でもメーカー提供の情報を「解析情報」と呼んでるんですけども、これも「来店」とか「欠損」とか「期待値」と同じ、業界の慣例表現のひとつと言ってもいいですな。

「情報価値」の話に戻りますが、価値が暴落してるのは実は台の解析情報だけではなく、お店選びについても同様。

昔は新規オープンや新台入れ替えを狙い撃ちする「開店プロ」というのがいて、それで稼いでた大学生とかがいっぱいいました。かれらは地域の開店情報に関して独自の情報網を築いており地域ごとにゆるいグループを結成。

いまでいう「軍団」との違いは、金銭的なつながりではなく情報のつながりが主だった事だそうで。

たとえばオレが聞いた例では、自分ちに届いた新聞広告の内容を情報統括本部のようなところに教える事で、他の地域の情報が網羅されたFAXが届く、みたいな仕組みのグループがありました。

「情報を提供して情報を得る」というのはまさに「情報価値のやり取り」そのものですし、何でもかんでもカネカネ言う今の時代とは違って「古き良き時代」な感じがしますな。

というわけで、本日のネタである「解析情報って必要？　不要？」に対応する答えがこちら。ドン！

オレには必要。だけどガチになればなるほど不要論になっていくハズ。

以上！　今週はここまでです！