このホールのセオリーは把握しているけれども
この日向かったのは 「3台並びで設定56が複数箇所アリ」 という法則が存在する某店。どこが対象箇所になるかはほぼノーヒントであるため、高設定を見抜く力が重要になる。
抽選は145/160番。後番だったのでまずは店内を一周、稼働率は50%ほど。「SLOTバジリスク~甲賀忍法帖~絆2」や「押忍!番長3」などのメインどころは埋まっているが、その辺りはあっても一、二ヶ所程度だと思っているので慌てる必要は無い。後番であれば状況把握に比重を置いて、最終的に当たり箇所に辿り着けていれば上出来である。
ことでまずは「吉宗3」に着席。64Gでのフェイク前兆の有無だけチェック。ここで前兆が発生すれば通常B以上確定になるため、当面の打つ理由はもらえる。
しかし前兆は発生せず。隣の台も非発生だったので、まだ腰を据えて打つには早いってことで吉宗3はいったんリリース。
その後は「ハナビ通」「ニューパルサーSPⅢ」「パチスロ笑ゥせぇるすまん3-笑撃のドーン-」をチョロ打ち。
有識者は 「このくらいでヤメるなら打たなくてもいいじゃん」「ちゃんと設定推測してないから捨てそう」 と思うかもしれません。確かに一理あるけれど、狙い台が定まっていない状況では腰を据えて打つ方がマズいと思っている。
例えばフル稼働だったバジ絆2のように「打たないと誰かに取られてしまう」 という状況では打つしかない。しかも高稼働なら 「3台並び」 の箇所も見えて来やすいので、 設定推測スピードもアップする。高稼働のコーナーで腰を据えて打つのは少なくとも悪手ではない。
しかし今回の吉宗3やニューパルSPⅢのように稼働率が低いと、自分の台の挙動のみで押し引きするしかないため、推測スピードが低下してしまう。仮に吉宗3で朝イチ天井を喰らってしまったら、朝の大事な一時間を失うことになる上に 「3台並び」 が完全に否定された訳でもないので、見た目以上にマイナスと言える。ある程度粘り切れる自信が無い限り、低稼働のコーナーに腰を据えるのは好手とはなりにくい。
それでも敢えて腰を据えて打つならば、それ相応の「粘る根拠」が欲しいのだ。チョロ打ちしているのは、「運良く何らかの強い挙動がもらえないかな」という理由からである。強く粘れる理由が無いならフットワークを軽くする。これがこのホールにおけるセオリーだと私は思っている。
他者の動きも参考にするべし
さて、ここにホールの常連「Mさん」がいる。Mさんの立ち回りはかなり独特で、基本「自分の好きな機種を打つ」 というスタンスだ。今日も朝イチは 「ノーゲーム・ノーライフ THE SLOT」 からスタートしていた。ちなみにノゲノラのシマにはMさんしかいない。
先程私が言った「低稼働のコーナーで腰を据えて打つのは好手になりにくい」をモロに実戦しているが、Mさんもまたこのホールで長らく打っている猛者である、それでも打つのは私には見えない何らかの理由があるからなのだ。
この日も「相変わらず人のいないシマで打つの好きですね」と声をかけたが、私にとってそれは「人に流されずにパチスロを打てるのは凄いですね」という褒め言葉である。この感性を持っているのはこのホールでMさんだけである。
開店から一時間が経った頃合いだろうか。私は 笑ゥせぇるすまん3をヤメて次はどうしようかとホール内をウロウロしていると、ジュースを買いに自販機前に来ていたMさんがこう言った。「俺の絶対衝激Ⅲ、設定456確定したよ」
…むむむ! というか、いつのまにノゲノラから絶対衝激Ⅲに!? そうか、絶対衝激Ⅲはノゲノラの真後ろか。ノゲノラを打ちながら絶対衝激Ⅲに何らかの可能性を感じていたということでしょう。
となれば話は早い、私はMさんの絶対衝激Ⅲに乗っかることにした。設定456確定した台の隣に着席。「3台並びで設定56」という法則を考えれば、この台も設定56である確率はかなり高い(単純計算で2/3)と言える。
するとこの台、投資200枚で衝激RUSH(AT)に突入すると、設定差の大きい「共通ベル」が落ちる落ちる。AT消化145Gで5回、設定6をぶっちぎる数値である。本機はこの共通ベルの設定差がべらぼうに大きく(設定1で1/224、設定6で1/52)、ホールの法則も踏まえればこの時点で設定56が確定したようなものである。
その後は本機のウリである「有利区間開始直後にAT引き戻し」 が連発したり、平均ストック4個の「極上絶対領域」でストック10個取れたりするなど、あっという間に3000枚オーバー。さらにその過程で設定6確定画面も出現。
後半やや失速したものの、ペイアウト108.5%(設定6)いうことを考えれば上々の結果で実戦を終えることが出来ました。
ノーヒントの状況で「とりあえず絶対衝激Ⅲでも触ってみるか」という発想にはまず至らなかったので、今回ツモることが出来たのはMさんのおかげである。ただ、もしも吉宗3や笑ゥせぇるすまん3を粘っていたら、絶対衝激Ⅲの設定6に辿り着ける未来は無かった。低稼働のコーナーで粘らなかったことが好手になったのである。
設定6に辿り着くまでのプロセスは人それぞれで、自分では正しいと思っている立ち回りが必ずしも正解であるということはない。パチスロとはそれほど不確定要素の多い、揺蕩(たゆた)ったゲームなのだ。だからこそ他者の考え方は尊重しなければならない、そう思った一戦になりました。
ちなみにMさんの絶対衝激Ⅲは設定5濃厚ながらまったく展開に恵まれず、マイナス5万オーバーを記録。あの、なんか、すいません…。
(C)プラトニックハート事務局
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