若い頃、パチンコの確変とかを急にもらったことが数回あった気がしますが、本当唐突にもらったみたいな感じでしたね。たいした常連でもなかったのに、たまたま後ろを通ったら、みたいな。

あげた方だと、4号機の南国育ちの連チャンをあげたことがあります。まだ薬剤師として働いていたころ、昼休みに立ち食い蕎麦をちょっぱやで流し込んだ後、煙草を吸うついでにチラッと打ってたんです。

いつもは大花火とかのノーマルタイプを打っていたんですが、その日はどうしてもキュインと一発鳴かせたくなったんでしょうね。45分ほどの僅かな時間で南国育ちに着席し、あろうことかシャラランと蝶まで飛ばしちゃって。飛ぶわ飛ぶわで全く連が途切れる気配がない。

お客さんもまばらな店だったんですが、見渡すと同じ南国のシマにカップルのお客さんがいて。男子が打って女子がフレンドチェアーでそれをみてる、みたいな。当時僕も20代前半でしたけど、僕よりもっと若そうな子たちで。

いよいよ無理だとなったタイミングで男の子の方に声をかけて、あげるから2人で打ちなって。もっと彼女を大事にしてあげなって(言ってない)。ダンディーな感じで譲ったことがあります。現実は時間に焦って超早口だったと思いますけど。

今は結構パチンコ屋さんによってハウスルールも厳しいところがありますし、当たり中にヤメると台を止めなきゃならなくなったりして、お店にも迷惑をかけてしまうので、よっぽどのことがない限りは取り切るようにしていますね。

ライターになる前、たまたま隣でART機の打ち方を教えてあげたら、その後会うたびにコーヒーくれるおばあちゃんに出会ったこともありますが、たまぁに人間ドラマがおきますよね、パチンコ屋って。

朝から抽選数千数百人の鉄火場パチンコ屋もそれはそれで嫌いじゃないんですが、火花散るライバル同士が凌ぎを削る環境よりも、ゆったり笑いながら遊べる店の方が、個人的に僕は好みですなぁ。悲しいかな、時代的にどんどん少なくなってきているような気はしますけど。

もしかしたら、またその方と会うかもしれませんねぇ。あの時はどうも、いえいえこちこそ、なんつって。

 

悪くないよね、名前も知らない友達みたいなのも。