
ダンまちに名機を求めるのは間違っているのだろうか
さて、今週もパチンコ界の主神ライター、ジャイロがパチンコ新台を語るお時間がやってきた。
今回は3月3日に導入されたSANKYOの新台「eフィーバーダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか2」(以下、ダンまち2)を語りたい。
ダンまち1はめっちゃ面白かった。名機だと思う。ただ、時代が悪かった。とにかく回らない、回さない時代に「等価ボーダー15」なんて台ならそりゃホールには12回転とかの台が出現してしまうわな。クルーンを経由しているから必要なヘソ入賞数で言えば普通の台と変わらないのにね。クルーン搭載は間違っていただろうかと言われれば間違っていたとしか言えないがw
面白さはダンチだった。だがっ! 世間ではコケたと言われているしたしかに稼働も芳しくなかった。あまりにも回らな過ぎたからだ。
そして今作だが、はっきり言って自分的には初代の方が上かなと感じた。
まず演出バランス。当たるルートが明確すぎる。カスタムを入れていないとこれで当たるのかというパターンだらけのからくりサーカス2とは真逆である。これは確実に意図的だろう。近々で真逆のバランスの台をリリースして世間の反応を見比べているのかもしれない。
個人的にはこのバランスは苦手というか嫌いで、激熱以外当たらないとなるとせっかく最終形に発展しても予告の段階でがっかりしてしまうことが多い。バトルリーチはもともとの信頼度も高くないうえに予告も物足りないとなれば、少し慣れてくるといくらバトルリーチ中にチャンスアップが出ていようが「ダメなんだろうな」と冷めた目でリーチを眺めることになってしまう。結果ハズれるにしても最後まで期待感は残して欲しい、と自分は思っている。
ただし、このダンまち2のようなバランスは良いところもあって、激熱が基本的に裏切らない&大当りを引ける日はもちろん激熱もガンガン見られるため、余剰する日はめちゃくちゃ楽しいのである! 他の台のバランスを見ても多くのユーザーも今はこのバランスのほうが好みなんじゃないかな? 少なくともメーカーはそう思っているだろう。現代だとからくりサーカス2みたいな方が異端なんだよね。自分は好きだが。
なので「自分としては初代のほうが上」と書いたまでだ。まあ初代もアツイ演出じゃねえと当たらなかったかもだがいい思い出は記憶の中でより美しくなるものなのである。果たしてダンまち2がそうなれるかどうか。
ダンまち2の演出バランスは一言でいうと以前のシンフォギアって感じ。変動開始時に強演出が固まってる少し前のザ・SANKYOバランスだね。なのでイマジナリーシンフォギアのバランスが好みの人には刺さりそう。何度もいうが自分はリーチ前に決まるのが嫌いなからくり派だから刺さらんのよ。
上記のバランスに関しては好みの問題だからダメだ! などと言ったりはしない。だがこれから語る先バレには疑問が残るので、審議していきたい。

ダンまち2では壮大なテストが行われている
ほとんどの先バレ機では先バレが発生するのはバトルリーチなどの最終形に発展する時だ。本機でも先バレが発生すれば最終形or連打リーチ(救済ぽい見た目だが信頼度は50%ある)に発展するわけだが、なんと先バレなしでも上記リーチに発展するのだ。そして普通にハズレる。先バレなしの強リーチは法則崩れではなく単なるチャンスダウンなのだ。
本機はかぐや様と同じく、先読みカスタムとの組み合わせで先バレの信頼度をカスタムできる。先読み熱と組み合わせると先バレの信頼度も90%超になるのですべての最終形で鳴らないのは当然だ。それについて文句は無い。だが、本機は先読みオススメのデフォルト状態の先バレでも鳴らずの最終形ハズレが頻発するのである。
リゼロを代表とする今までの先バレ台のイメージでは「先バレ=最終形であり、先バレなしの最終形は法則崩れで激アツ」というのがお約束なところがあったように思う。もしくは先バレ=発展先示唆で、これはサミーに多い先バレバランス。たとえば暴凶星は神拳バトル発展なら先バレ、有情ならバレなし、と発展先示唆を兼ねていた。
ダンまち2はそのどちらでもなく、先バレがあろうとなかろうとバトルリーチに発展する。しかも合っても無くてもハズレるのだ。正直最初、ここは個人的に大きなマイナスポイントだと感じた。実を言うとこのハズレを食らったときに「ク〇台!手抜き台!」と多方面へ迷惑LINEを飛ばしてしまっていたほどだ(いつもすみません)。だって鳴らずに行くから当たったと思ったんだもん。だがXへのポストは控えておいた。成長したと思う(本当にそうか? By孫悟空)
それにここでク○台! 手抜き台! で終わらせるのは二流のライターや二流の演者がやること。そんなことは誰でも言える。おっぱい演者でもちょっと頑張れば言えるかもしれない。
ということでなぜSANKYOともあろうメーカーがこんなことをしてきたのか? ということを考えてみたい。鳴らずの最終形が頻発するのはセオリーから外れているということをSANKYOがわからないわけがないんだよ。つまりワザとやってるんだ。
はっきり言って今のSANKYOの開発力は他メーカーの2つくらい上のレベルにある。手抜き台を作ったとてそこらのメーカーが完成度で上回るのは難しいだろう。なお、SANKYOから仕事を貰ったことはないし今後も来ないので忖度抜きで言ってる。
むしろ金を貰ってたらここまでの原稿はすでにNGだ(笑)。
SANKYOは「先バレの信頼度を定石である40%程度で維持したまま、最終形のトータル信頼度を多少下げたバランスにしてみたらユーザーはどう反応するか?」と考えたのではないだろうか。
北斗の拳10やエウレカは最終系のトータル信頼度が30%前後であり、結果発展先に対応した先バレも30%前後の信頼度となってしまった。そして先バレが弱い、という声が多く上がっていたように思う。結果ロングランに繋がらなかった。先読みなし、ケンフラッシュなしなど楽しみ方はあったが、やはり今は先バレありきで台の評価をされるのが実情だ。
そしてダンまち2も北斗10やエウレカのように最終形すべてで先バレを出してしまうとおそらく先バレの信頼度は25%前後になってしまうのではないか? とにかくバトルリーチが信頼度の足を引っ張っている。(※ただしこれは悪いことだけではない。理由は後述する)
そのため、先バレの信頼度を40%のラインで死守するために、先バレありでもなしでも発展してしまうように作らざるを得なかったのでは? そしてこのバランスが受け入れられるかを試したのではないか?
個人的にはやるまでもないだろうと思うよ、でもやってみなきゃわからないこともある。SANKYO自身も分の悪い賭けとは思っているだろうがそこに挑戦できちゃうのがさすがトップメーカーの貫禄ということだな。
そもそも先バレだって、実際に体験するまでは「入賞時に期待度がわかるとかウケるわけねえだろ」って思っていた人けっこういないかな? 俺は正直そう思ってたよ。退屈だろうって。
でもやってみたら特大ヒット。
なのでやってみる、ってすげえ大事なのよ。やる前から否定、ってのは良くねえもんな。
このバランスがユーザーにどう映るかはわからない、行方を見守りたいところだ。
そしてバトルリーチが信頼度の足を引っ張っている、のが悪いことだけではない、という理由。
それは「先バレなしで打った時の期待感のため」である。
先バレの信頼度を守るために最終形が40%以上、として作ってしまうと、先バレなしで打った時に最終形を待っていられないバランスになったりするものだ。この台は図柄揃い確率が1/400なので尚更だ。
海物語で想像してほしい。海ではスーパーが最終形なわけだが、これが魚群の時しか最終形(スーパー)に発展しなかったとしたらどうだろう? 間が持つだろうか? 下手したら400回転以上もノーマルリーチばかりでサンゴすら見られない、という海物語になってしまう。
その退屈感を紛らわせるため泡SPがあるのだよ。
その泡SPに相当するのがダンまち2では鳴らずの最終形リーチであり、鳴らない時にも発展するくらい発展頻度も担保されているので先バレなしで打つ場合にこの最終形が気分転換になるんじゃねえかと思う。先バレなしならさらに当たるかわかんねえはずだしな。
この鳴らずのバトルが本当に泡スーパーくらいの頻度で当たるなら前言撤回、名機と言ってもいいだろう。先バレありのバトルリーチは魚群スーパーで先バレなしのバトルリーチが泡スーパーならかなり楽しめそうじゃないか? 先バレの信頼度をどれにしても占有率は83.2%と普通の台よりかなり低めになっているのでありえないこともなさそうだ。
だが今回打った感じではまったくワンチャンスを感じられなかった。一度当てたら一気に印象が変わると思うが、鳴らずの泡スーパー…じゃなかった、鳴らずのバトルリーチで当たった人おるかなぁ?
ではここでジャイロ的仮説をまとめよう。
・SANKYOは1/399の重い通常時が退屈にならないように最終形リーチの出現率を上げて信頼度を下げた。
・先バレの信頼度40%を維持しつつ占有率を下げて先バレが鳴れば当然チャンス、鳴らなくても最終形発展でワンチャンあるよというバランスをテストしている。
どうですかSANKYOさん、合ってます? 本当にこの通りならもっと打ちたいもん。「鳴らずのバトルが泡スーパー」これ凄い楽しそうだし狙い通り間が持ちそうだ。
ただもし2行目が合っているならそれをもっとアピールできればよかったかもしれんなぁ。仮にテストだとしてもこのテスト若干問題があって、それは多くの客がその鳴らず=泡スーパーに気付く前に投げてしまうだろうってこと。
だって回らないんだもん。結局ダンまちに限らずここを解決できないとマジでもったいない台が量産されつづけるんだよ。神ヘスティア、早くなんとかしてくれ~!

(C)大森藤ノ・SB クリエイティブ/ダンまち3 製作委員会
(C)大森藤ノ・SB クリエイティブ/ダンまち4 製作委員会
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