「好きな台」よりも「勝てる台」

※過去の「それはきっとこういう事情」はコチラから！

チワッスあしのです。

パチンコ・パチスロにまつわる素朴な疑問に何となく形を与えていくこちらのコラム、今回は「パチンコパチスロが上手くなると（期待値至上主義になるから）ケチになるよな？」というもの。

確かに。

パチンコもパチスロも極論すると勝つためには「期待値が高い台を如何にして長時間打つか」というところに収束していくと思います。

逆に言うと期待値が低い台は打つ意味がないわけで、これを実現するためには往々にして「遊び」という精神的な豊かさを捨て去る必要が出てきます。

つまりパチンコ・パチスロが上手くなるにはまず第一に「好きな台」よりも「勝てる台」を選ばないといけないんですけども、この行動自体がまずケチといえばケチですな。

そもそもパチンコやパチスロにおける「勝利・敗北」というのは他の遊びや競技と違い、ダイレクトに金銭的な損得に繋がります。

したがってケチというのは勝率を上げるためにはある程度もっていないといけない素養ですらあるわけで。

というかですね。ケチというのは確かに「吝嗇（りんしょく）」といった感じでその人となりを下げる表現に使われるんですが、それを「質素倹約」と言い換えればまるで逆の印象になります。

よし、ではちょっとウンチクをたれましょうか。

例えばですね。東京都の台東区には旧・三菱財閥を作った岩崎家の邸宅がいまでも残っていて、400円払えば誰でも内覧できます。

公園内のメインの観覧場所は数多くの部屋と階段を持つ地下一階・地上三階建ての洋館なんですが、ここはもうバイオハザードに出てくるような豪華絢爛かつ大きなお屋敷で実際に見るとかなり圧倒されます。さすが財閥を率いる男が住んでた家だ！　とか思うんですけど、実はそっちは「仕事場」だったんですね。

要は岩崎家、というか歴オタなら絶対知ってるハズの岩崎彌太郎の息子であり、三菱商事三代目の岩崎久彌は当時、国の重要人物だったんで毎日毎日客がいっぱい来るわけですよ。

んで、その人らと飯食ったりビジネスの話をしたりビリヤードしたり泊まってもらったりするのにそういうデカい屋敷が絶対に必要だったんです。

じゃあ実際の岩崎家の人々はどこに住んでたかというと、その洋館とつながってる、裏にある日本屋敷なんですよ。これはこれでしっかりした建物なんですけど、正直そっちは「田舎の金持ちの家」くらいの感じでそうでもない。むしろ超豪華な洋館と比べると、どうしても見劣りしちゃう。

実は、実際の岩崎久彌という人はあまり贅沢を好まず、質素な生活を営んでいたとのことで、これをして「ケチ」となじる人はそんなに居ないでしょう。むしろ質素倹約の美徳を体現してるといわざるを得ないハズ。

岩崎久彌がパチンコを打ったとして「いや、ぼくは無駄なカネは使いたくないからハイエナしかしません」とか「その釘の調整は期待値が低いから触りたくありません」とかいったとして、それ「おいおいケチだな」「財閥の長なのに」って言う人なんか絶対居ないと思うんですよ。

パチンコなんか打たねぇよというツッコミは置いとくとして、そのシーンを目撃したら「さすが岩崎さんだな！」って膝を打つハズです。「金持ちってこうじゃなきゃ！」って。

だって「スマスロ北斗の拳」を昼過ぎに130Gくらいから打って天井単発食らって台に肘鉄する岩崎久彌なんて見たくないでしょう。三菱製品嫌いになっちゃう。

だから決して、ケチっていうのは悪い事じゃないんです。むしろビジネスの場においては、それが信頼につながる事だってある。

吝嗇の反対語は浪費ですけど、それは言い換えると計算の甘さ・不確かさを意味します。

ドンブリ勘定という言葉もある。つまりあんまり考えてないから無駄遣いをするのであって、そういう人が出してきた計画書やら見積もりを鵜呑みにするビジネスマンはあんまりいないでしょう。オレは別にビジネスマンじゃないけどそれくらいは分かります。

つまりですね、パチンコ・パチスロだけじゃなく、実業・虚業を含めてカネにまつわることは全部、「太っ腹」より「ケチ」のほうが圧倒的に偉いんですね。

あまりにもケチすぎるのは気色悪いですけど、多少「きっちりしてんなぁ」って思うくらいがちょうどいいっす。

はいでは、今回のネタである「パチンコパチスロが上手くなると（期待値至上主義になるから）ケチになるよな？」に対応する答え。ドン！

ケチな人のほうが勝てると思うよ。

以上！　かく言うオレは女にカネを払わせないタイプなのでギャンブル弱いです。

また来週！