世界で一番楽しい「余計な手間」

※過去の「それはきっとこういう事情」はコチラから！

チワッスあしのです。

パチンコ・パチスロにまつわる答えのない疑問にフワッとした形を与えるこちらの企画、今回のネタは「スマスロで万枚！！　けどメダルで出す方が爽快だよな？」というもの。

そう。これはマジで思います。味気ねッス。

なので回答としては「イグザクトリー（その通りでございます）」で終わりなんですけども、それだけだと仕事にならないのでもうちょい考えましょう。

ちなみにみなさんはどうですかね。スマスロ。

「楽でいいな」という人もいると思いますし、最初は違和感があったけどもう慣れた、という人もおられるでしょう。筆者もだいたいそんな感じなんですけど、やっぱどうしても大量出玉を獲得したときのだけは「なんか違う」ってなっちゃいます。

なんというか、爽快感が半分くらいスポイルされてる感じというか。無性に歯がゆくなっちゃう。もちろん楽しいは楽しいですし脳汁も出るんですけども「これメダルが出てきたら倍くらい気持ちいいだろうな」とどうしても思っちゃうんですね。

ぶっちゃけこれはおっさんスロッターの大部分が思ってる事だと思いますし、またスマスロをメインにして立ち回ってて、その辺の感覚が摩耗しちゃってる人でも、たまにメダル機を打って2000枚くらい出るとそのあまりの爽快感に「オレが普段打ってるのは一体なんなんだよ」ってなると思います。マジで。

世間一般ではこういう意見を「老害」というんでしょうけども、オレはやっぱりメダルは出てほしい。もちろん手が汚れないこととか交換の手間とかクレジット上限がないところとか色々素敵な部分はあるんですけどね。しかし15枚役が揃った時に「ペペペペ」って下皿にメダルが落ちるあの感覚は、何物にも代えがたい恍惚感があります。

あとはやっぱり、表題の如く万枚達成時のドヤ感もぜんぜん違う。

ウェイトの僅かな時間を利用して、下皿に満載のメダルを箱に移しギチギチに詰める。たまに立ち上がって、新しい箱を取りに向かう。またウェイトの時間を利用して、下皿のメダルを箱に移す。

スマスロに慣れた今となっては面倒と感じる人もいるかもしれませんが、オレにとってはそれは世界で一番楽しい「余計な手間」ですし、なんとも喜ばしい勝利そのものの所作でした。正直スマスロはこれがないのでいくら出しても「ブチ勝ってやった」みたいな感じが薄いんです。

もちろんスマスロだって、出たら出ただけ嬉しいんですね。めちゃめちゃ楽しいです。

でも繰り返しますが「メダルが出たらもっと楽しいだろうな」という感覚が、オレみたいなオッサンはどうしても拭えない。それは単純にオレが、失ったものをいつまでも惜しみ続けるねちっこい性格なせいかもしれませんし、あるいはまだホールに「メダル機」があるせいかもしれない。

こういうのは、まだ体験出来る内は精神的な卒業が絶対に出来ないようにできてるんですね。もう市場から消えてしまって、二度と現場で触れなくなってからようやくお別れできるんですよ。5号機だってそうでしたね。ギリギリまで番長3とか星矢とか打ってたでしょみなさん。で、無くなってからやっと胸にぽっかり穴が空いたような気分になったはず。それと同時に、やっとこさ6号機を受け入れたぜという人も相当数いると思います。

スマスロもそれと同じで、やっぱ市場にメダル機があるうちは、どうしても「メダルの感触」を忘れることができないのです。

ちなみに仏教に「心は形を求め、形は心をすすめる」という言葉があります。

以前の我々は勝利のときにはメダルを求めていたハズですし、あるいはメダルが出るからこそ、勝利を実感できていたはず。その状態で数十年打ってる人間にとっては、メダルが出ないスマスロでの勝利は心の整理がつかず、なんとも心細い、落ち着かない気持ちになるものなのです。

てか、まだスマスロで万枚出したことないけどねオレ。

出したら「どうでもいいわメダルとか！」ってなりそうな気もするけども。