チワッスあしのです。

パチンコやパチスロにまつわる色々な疑問をザクザクと撫で斬りしていくこちらの企画、今回のネタは「設定6で10万負けた。今のパチスロどうなっとんねん！」というもの。

おおうふ、なんとも切ない話ですが、この「設定◯でいくら負けた！」とか「ボーダー+◯でいくら負けた！」みたいな話はおそらくパチンコ・パチスロ発祥の時期くらいからずっと言われ続けてる話で、ある意味ではギャンブルの本質みたいなのに直結することなんじゃないかなぁと思ってます。

つまり何が言いたいかというと「設定6が絶対勝てるといつから錯覚していた？」「すまんな、それは幻影だ」ということであり、設定6だろうが負ける時は普通に負けるんですな。

もちろんみんなそんなことは分かってるんですけど、心のどこかで「パチンコやパチスロはうまいことやれば勝てるもんだ」という刷り込みがあるのです。

こんなもんメディア側の人間がいうこっちゃないんですけども、それこそが「すまんな、それは幻影だ」なんですよ。

パチンコやパチスロは基本的には全員負けます。

この「基本的には」というのがすっごく大事で、確かに一部トータルで勝ってる規格外のひとびとはいます。「基本的には」というのはそういう規格外の人々を除いた大部分のひとを指し、そしてなぜだか人は、なにかにつけ自分がその「基本的には」に該当しない、規格外側の人間であると錯覚しがちな生き物なんです。

オレも同じです。オレは勝てる、大丈夫。今日は負けない。

一体何度そう思ってホールに出撃して「クソが！」と（心のなかで）叫んだことか。

んで家帰ったあとカップラーメン気付くんですよ。

「ああ、そりゃみんな勝ってたらホールの社長がベンツばっか乗ってねえよな」と。要するにそういうことです。

パチンコやパチスロはゼロサムゲームです。

聞いたことある人も多いと思いますが、意味は「トータルでゼロになるゲーム」のこと。

世にあまねくある勝ち負けが発生するゲームはほぼ全てこれに当たります。

分かりやすいのが麻雀で、これは点のやり取りは誰かがプラスになれば誰かがマイナスになるわけで、それらを相殺すればずっとゼロのままです。

なので合計（sum）がゼロになるという意味で「ゼロサム」ですな。

パチンコに関しても全く同じで誰かが使ったカネは誰かがゲットしてます。ゆえにゼロサム。

ピンとこない人は「ホール」を参加者としてカウントしてないからそうなるのです。客側が勝つということはイコール「ホールが負けてくれてる」ということであり、客がクソ負けしてるということは「ホールが超勝ってる」ということなのでゼロサムです。

ゆえにパチンコは最終的には「客全員vs店」の戦いになっていくのですが、そこで積極的に勝ちにいってちゃんと結果を出すのが上記した「規格外の方々」でありますな。

もちろん機種攻略とかも大事なんですけどもそれはあくまでも狭い範囲の戦術の話であって、もっと大枠の戦略的な部分では「店の攻略」のほうが遥かに大切であり、パチンコやパチスロで勝つ人と負ける人の差はここだと思います。

そう。俺が知る限りはいわゆる「プロ」のひとは店のクセとかそういうのを読むのに無茶苦茶長けており、一方で機種のこととかはそこまで変態的に詳しいわけじゃないんですよ。

なんなら気に入った（食える）台をひたすら打って、それ以外の新台なんかをほぼ触らないし興味がないと公言するひともたくさんいる。

極論するとパチンコやパチスロの機種というのはあくまでも「ツール」であって、これを使って玉やメダルの奪い合うことそのものがゲーム化していくんですね。

ちょっとうまいこと表現できないんですけど、かなり前にとあるプロとお話した際に「運が絡むことだから、その日その日の勝ち負けはどうでもいいし気にしない」みたいな事を言っておられすこぶるカッケーなと思ったんですが、これの言わんとすることはすなわち「店との勝負に勝ってもツールのせいで負けることはある」ということなんだと思います。

なのでおそらくですけど、上手い人ほど設定6に夢を持ってないですし、負けても「ああそうか」「仕方ない」で終わるんだと思われ。

たぶんこの辺が、ガチで勝ってるごく一部の人と、それ以外の大多数の我々との違いなんじゃないかと思います。

オレなんか今市場に出てる機種はほぼ全部試打で設定6を回してますけど、まあまあな確率負けてますからね。

だからそんなに設定6に夢をもってる方じゃないんですけど、それでもホールで6確が出て負けたら台パン寸前くらいの勢いでブチ切れますし、腹立ちすぎて便所にこもってえづきますもん。

つくづく向いてないなぁと思いますし、実際収支もだいたい毎年赤字です。

したがって「設定6で10万負けた。今のパチスロどうなっとんねん！」に対応する答えがこちら。

「店がたまたま10万勝っちゃった、と考えることから始めようぜ」

以上です！