チワッスあしのです。

パチンコ・パチスロにまつわる素朴な疑問に何となく形を与えていくこちらのコラム、今回は「パチ屋が全滅したらメーカーはどうなるの？」です。

これ当たり前のようでいて、何気に面白い疑問かもしれませんな。

多分これはメーカーの多角経営化の話をするのが良いんでしょうけど、それでいうと面白いのが平和さんなんですよね。

ご存知のように平和さんは一時期からゴルフ事業に相当の力を入れられており、例えば直近の年次報告に記載の営業利益（売上から原価を引いた総利益から販売に掛かった費用および管理費を引いたもの）はパチンコ事業とゴルフ事業では3倍ほどの開きがあり、ゴルフ事業のほうが規模が大きくなっています。

ゴルフ事業は2001年に始まったものですが、その後は積極的に用地購入をすすめ国内のブームに乗る形で急成長。

2011年にはPGM（パシフィック・ゴルフ・マネジメント）社を子会社にし、現在は全国に100以上のゴルフ場を保有するというとんでもねぇ状況になってます。てかそんなにあるんだゴルフ場！

2026年にはグループさん初の大型リゾートホテルを沖縄に開業予定となっているなど今後も平和さんのゴルフ事業セグメントの成長は続くとみられ、シュリンクが続くパチンコ事業に比べ華々しいものがあります。

これぞ「先見の明」といったところですが、今回のネタである「パチ屋が全滅したらメーカーもなくなるの？」に照らした答えはノー。

遊技機事業とゴルフ事業の両セグメントを合計で考えた場合は1/4が消し飛ぶことになるとはいえ、十分生き残ると思います。

続いて別の例でいうと「コナミアミューズメント」さんも独特。

ご存知のようにコナミさんは総合エンターテインメント企業化しており、ホールディングス全体の運営を「コナミグループ株式会社」さんがやってます。

そのなかでコナミさんの中心事業となるゲーム開発は「コナミデジタルエンタテインメント」が。そしてスポーツ事業は「コナミスポーツ株式会社」が。カジノ事業は「コナミゲーミング」がやってます。

で、パチスロ開発を担う「コナミアミューズメント」は主にBtoB（企業間取引）のエンターテインメント事業を担う会社であり、ゲーセン用のマシンとパチスロの開発・販売などが中心業務であるとのこと。

んで具体的なそれぞれの規模感を2024年の決算情報でみてみますと、最もデカイのは当然デジタルエンターテインメント事業。本業だから当然ですね。

じゃあパチスロを担うアミューズメント事業はどのくらいの規模なのかというと、本事業のおよそ1/9程度、なんとスポーツ事業の半分ほどとなっています。

マジで！　あんな一杯出してるのにパチスロ…！

はい、この例は「もともと本体がデカすぎてパチ事業の依存度が低い体質いメーカー」の例であり、ホールが全滅したとて本体がどうなる、とかそういうのはちょっと考えづらいッス。

で、こういった感じで平和さんとコナミアミューズメントさんでは「大丈夫な理由」が違うんですけども、同じように「◯◯だから大丈夫」みたいなメーカーは一杯あります。

もちろんマジでパチ及びスロ一本でやってます、みたいな業界依存度が極めて高いメーカーさんはホールと共に滅びる可能性はありますが、基本的には企業というのはその歴史のなかで何らかのシナジーをもとめるか、あるいはリスクヘッジのために多角経営化をしていて当たり前であります。

ましてや、パチ業界はかなり前からシュリンクが叫ばれており斜陽斜陽言われてるわけで、なんも対策してないというのはちょっと考えづらく、例えばこのままパチ事業が成り立たなくなってホールが全滅したとて、メーカーは生き残るところが多いんじゃないかな。

少なくとも平和さんとかみたいにパチ事業以外が稼ぎ頭になっているところとか、あとはコナミさんみたいに本体がデカイところはそうだと思います。

すげえ、今回真面目に書いたな。以上！

パチンコ・パチスロにまつわるアナタの疑問を教えてください！

ライター・あしの氏が当コラムにてお答えさせて頂く…かもしれません。

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