
はじめに
虚心坦懐の「浅学寡聞は損の元」、第63回。
昨今は飲食店や宿泊施設、コンビニ、スーパー等で支払をする際、クレジットカードや交通系ICカード、QRコード払いなどのキャッシュレス決済が当たり前となり、現金をほとんど持ち歩かない人も増えてきました。
しかし、ことパチンコホールに限っては、これらの決済が利用できずに現金オンリーというのが常でしたので、現金を持たない勢は遊技できないという環境が続いていたのです。
これには、依存症対策その他、様々な障壁があって実現には至らなかったという背景があります(個人的にはクレカショッピング枠の現金化が心配だったり…)。
そんな中、この度PPPay(ピーピーペイ)なるパチンコホール向けのキャッシュレス決済サービスが誕生したのをご存知でしょうか。今回は、こちらに焦点を当てていきたいと思います。
PPPayとは?
PPPayとは、パチンコ店でキャッシュレス遊技が可能となるQRコード決済用アプリです。アプリをクレジットカードと紐付けておけば、PPPay導入店の台間サンド(またはカウンターor受付機)でQRコードを読み取らせることでICカードに持ち玉、持ちメダルとして反映されます。
因みに1アカウントで登録できるクレカは1枚までとなっています。
現金を持ち歩かなくて良いとなると、非常に便利になりますよね。ただ、両手放しでは喜べない課題も感じています。

虚心が思うPPPayの課題
①利用上限額
依存症対策という汲むべき事情があるのは業界人として十分理解しています。ただ、「1日上限2万円、月上限8万円」という限度額は……。イマドキのスマスロを考えると、2万円では到底天井に達しないため、立ち回り目線ではおよそ妥当な上限とは言えないでしょう。
②システム使用料
システム使用料として5%がかかります。つまり、1万円利用すれば実質500円上乗せされるということ。当然、その分パチンコはボーダーラインが上がり、パチスロはハイエナなどのハードルも上がるわけで、勝ち負けにシビアなプロ連中はまず使わないでしょうね(※仮に新規のユーザーが増えてプロが減ったら、ホールは願ったり叶ったりかもしれませんが・笑)。
③特殊景品→現金
勝った分をアプリに戻すことができません。貯玉再プレーが無制限でない限り、どれだけ勝っても月8万円の上限に達すれば、その時点で当月にアプリから貸し玉、貸しメダルすることができなくなりますので、結局現金も持ち合わせなければ遊技は厳しくなるでしょう。
まとめ
時代の動きに乗り遅れたら未来はありませんので、今回この「パチンコ・パチスロ遊技時のクレジット決済」が実現に至ったことは関係者の尽力に素直に拍手を送りたい。ただ、実際にユーザー目線で考えた時にこれを登録するか、利用するかと考えたら……今のままだと自分は様子見と言わざるを得ません。
厳しさの中にある船出となりましたが、今後、どのように制度そのものを動かし、利便性、利用価値を高めていけるのか、がカギとなりそうだな、と注目しています。


