12月17日、パチンコ・パチスロ情報サイト「パチンコビレッジ」主催による「パチンコ・パチスロ販売実績2025発表会」がリモート形式で開催された。
一昨年に予想された「来年はパチスロの設置台数がパチンコを上回る可能性がある」という内容。近年のパチスロ人気やBT機の登場、パチンコではLT3.0+への進化など、パチンコパチスロ共に前進を遂げた2025年の結果はどのようなものとなったのか。
そして現在のパチンコ・パチスロ業界はどのような局面にあり、今後どこへ向かおうとしているのか――。本記事では、発表された各項目をもとに、現時点での業界動向と展望を整理していく。
※以下に紹介する数値は全て『パチンコビレッジ調査数値』となります。
総販売台数
| 項目 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 前年比 |
| パチンコ | 97.2万台 | 78.5万台 | 87.0万台 | 111% |
| パチスロ | 75.0万台 | 72.1万台 | 65.8万台 | 91% |
| 合計 | 172.2万台 | 150.6万台 | 152.8万台 | 101% |
パチンコは昨年と比べ回復傾向に。
LT3.0の期待感が良い方向へと進む決め手となったのではないだろうか。
パチスロに関しては前年と比べ9%ほど落ち込む結果となった。
打ち手からの人気は依然高く、ホールの需要も大きいものの近年の適合率の悪化が響いていると考えられる。
ただ、パチンコのプラスもありトータルで見ると2025年の総販売数は微増。本当にわずかなプラスではあるが、このわずかな光を道しるべとして2026年は更なるプラスとなることを願いたい。
パチンコ機種別 TOP10
| 順位 | 機種名 | メーカー | 販売実績 |
| 1 | e 新世紀エヴァンゲリオン ~はじまりの記憶~ |
ビスティ | 40,500台 |
| 2 | P スーパー海物語IN沖縄6 | 三洋物産 | 37,500台 |
| 3 | e 東京喰種 | ジェイビー | 35,000台 |
| 4 | e フィーバーブルーロック | ジェイビー | 31,000台 |
| 5 | e フィーバー戦姫絶唱 シンフォギア4 キャロルver. |
ジェイビー | 26,500台 |
| 6 | e フィーバー炎炎ノ消防隊2 紅丸ver. |
ジェイビー | 25,000台 |
| 7 | e 北斗の拳11 暴凶星 | サミー | 23,000台 |
| 8 | e 東京リベンジャーズ | 銀座 | 22,000台 |
| 8 | e 牙狼12 | SanseiR&D | 22,000台 |
| 10 | PA 海物語3R3 LBA | 三洋物産 | 21,000台 |
12月22日より導入開始となる「e 新世紀エヴァンゲリオン~はじまりの記憶~」が1位。
2025年の特徴として挙げられるのは
3位 「e 東京喰種」
4位 「e フィーバーブルーロック」
8位 「e 東京リベンジャーズ」
といったパチンコ初となるタイトルが多くランクインしていること。
これまで定番といえる人気シリーズの後継機が常連的にランクインすることが多かった機種別ランキングにおいてこれは非常に珍しい結果と言えるだろう。
特に3位の東京喰種は徐々に増産を繰り返し、今なお好調が続いている。このような新規タイトルが人気を博し、今後業界を担う定番タイトルとなってくれる可能性に期待せずにはいられない。
パチスロ機種別 TOP10
| 順位 | 機種名 | メーカー | 販売実績 |
| 1 | ネオアイムジャグラーEX | 北電子 | 75,000台 |
|
2 |
L パチスロ 革命機ヴァルヴレイヴ2 |
ジェイビー | 35,000台 |
| 3 | L 東京喰種 | クロスアルファ | 32,500台 |
| 4 | スマスロ東京リベンジャーズ | サミー | 29,000台 |
| 5 | スマスロ新鬼武者3 | レオスター | 24,500台 |
| 6 | L 沖ドキ!DUOアンコール | メーシー | 20,500台 |
| 7 | L パチスロ 機動戦士ガンダムSEED |
ビスティ | 18,500台 |
| 8 | スマスロマギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 |
ミズホ | 18,500台 |
| 9 | 吉宗 | サボハニ | 17,000台 |
| 10 | スマスロ スーパーブラックジャック |
セブンリーグ | 15,000台 |
アイムジャグラーの認定切れに伴った「ネオアイムジャグラーEX」の導入で堂々1位に。やはりというか、ジャグラーシリーズの人気の高さを改めて認識させられるランキングとなった。
また、1位とはかなり大きな差が開いているとはいえ、
2位 「L パチスロ革命機ヴァルヴレイヴ2」
3位 「L 東京喰種」
の2機種も、昨年1位の「押忍!番長4/30,000台」を超える実績となった。
適合率が低く、新機種の導入が減ったこともあり注目タイトルの販売実績が増えたのでは、と考えられる。
残念な点としては2025年6月より導入開始となったBT機がランクインしなかったこと。まだまだ、始まったばかりのBTの歴史が2026年は躍進することに期待しよう。
メーカーグループ販売台数 TOP5
◆パチンコ
| 順位 | メーカー | 販売実績 (販売機種数) |
| 1 | SANKYOグループ | 288,500台 (25機種) |
| 2 | 三洋グループ | 103,500台 (10機種) |
| 3 | サミーグループ | 102,000台 (11機種) |
| 4 | 京楽産業. グループ | 72,000台 (12機種) |
| 5 | ニューギングループ | 59,000台 (18機種) |
◆パチスロ
| 順位 | メーカー | 販売実績 (販売機種数) |
| 1 | SANKYOグループ | 92,000台 (6機種) |
| 2 | ユニバーサルグループ | 83,000台 (9機種) |
| 3 | 北電子グループ | 82,500台 (3機種) |
| 4 | エンターライズグループ | 58,500台 (4機種) |
| 5 | サミーグループ | 56,000台 (4機種) |
昨年に引き続き、パチンコ・パチスロともにSANKYOグループが堂々の1位。パチンコではエヴァ、パチスロではヴヴヴ2などを筆頭に機種別ランキングでも上位に入っているモノが多く、特にパチンコは昨年よりも9万台ほど増加して2位と大きく差を開いての1位となった。
◆パチンコ+パチスロ合算
| 順位 | メーカー | 販売実績 |
| 1 | SANKYOグループ | 380,500台 P:288,500台 S: 92,000台 |
| 2 | サミーグループ | 158,000台 P:102,000台 S: 56,000台 |
| 3 | ユニバーサルグループ |
115,000台 P: 32,000台 |
| 4 | 三洋グループ |
110,000台 P:103,500台 |
| 5 | 京楽産業. グループ |
89,000台 P: 72,000台 |
パチンコ、パチスロの販売台数でともに1位となったSANKYOグループがもちろん1位なわけだが、その総数は全体販売数の約1/4と圧巻の一言。前年に引き続きの合算1位となった。
スマート遊技機の状況
◆スマパチ
| 項目 | 販売機種数 | 販売実績 | 平均台数 | 割合 |
| P機 | 101機種 (125機種) |
357,000台 (610,000台) |
約3,500台 (4,900台) |
約41% (78%) |
| スマパチ | 52機種 (20機種) |
513,000台 (175,000台) |
約9,900台 (8,800台) |
約59% (22%) |
| 合計 | 153機種 (145機種) |
870,000台 (785,000台) |
約5,700台 (5,400台) |
( )内は 前年数値 |
153機種のうち52機種(約1/3)がスマパチ化。
スマパチの緩和、LT3.0+の導入の影響もあり7月以降にスマパチが増加したこともあり、スマパチの中の61%は7月以降に導入されたモノ。
◆スマスロ
| 項目 | 販売機種数 | 販売実績 | 平均台数 | 割合 |
| S機 | 6機種 (27機種) |
83,000台 (105,500台) |
約13,800台 (3,900台) |
約13% (15%) |
| スマスロ | 73機種 (64機種) |
575,000台 (615,500台) |
約7,900台 (9,600台) |
約87% (85%) |
| 合計 | 79機種 (91機種) |
658,000台 (721,000台) |
約8,300台 (7,900台) |
( )内は 前年数値 |
パチスロ人気は続行しているものの、適合の難しさなどから販売機種数は減少している。適合率は昨年が15%、今年が12%と昨年よりもさらに減っているのが現状。
パチンコとは異なり、新機種のほとんどがスマスロ化しているが1機種あたりの販売数は減少傾向にある。
スマスロが当たり前になり、固定の人気機種が増えてきた影響で出せば売れるという時代からゲーム性の追求がより大事な時代へと移ってきているのだろう。
10年間の販売実績
| 年数 | パチンコ | パチスロ | 合計 |
| 2016年 | 1,687,000 | 826,000 | 2,513,000 |
| 2017年 | 1,424,000 | 757,000 | 2,181,000 |
| 2018年 | 1,326,000 | 406,000 | 1,732,000 |
| 2019年 | 1,148,000 | 557,000 | 1,705,000 |
| 2020年 | 955,000 | 402,000 | 1,357,000 |
| 2021年 | 1,105,000 | 627,000 | 1,732,000 |
| 2022年 | 1,037,000 | 721,000 | 1,758,000 |
| 2023年 | 972,000 | 750,000 | 1,722,000 |
| 2024年 | 785,000 | 721,000 | 1,506,000 |
| 2025年 | 870,000 | 658,000 | 1,528,000 |
パチンコは前年が過去10年で最も悪く、今年はLT3.0の効果もあり若干上向き。逆にパチスロは2020年前後と比べれば多くはあるものの、前年よりは減少してしまった。
ホールの減少に伴い設置台数も減ってはいるものの、パチスロは昨年より若干増える結果に。このことからもパチスロ人気が強いことがうかがえる。
さらに詳しい数値やポイントなどは
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2026年の予想
パチスロ人気が高まっている昨今、パチンコのシマをパチスロのシマへと変えるホールも多くなっている。パチスロの適合率がこれ以上低くなるような事態にならなければ、以前から言っていた「パチスロがパチンコの設置台数を抜く」という言葉にも現実味が出てきている。
パチンコもLT3.0でスマパチの普及が増えるなど、プラス要素も見られるがこれ以上減るような事態は避けたい。高射幸機が目立っている近年のパチンコ・パチスロだが、打ちやすさに重きを置いた機種が人気となりユーザーが安定して遊技できる環境を作ることができるかが大事になってくるだろう。
ホールの減少が止まらず、適合率の低さも年々悪化しているが、スマスロの定着やパチスロの人気を軸に業界全体が盛り上がることを願うばかりである。


