※過去の「栄光なき名機たち」記事

チワッス、あしのです！

パチスロ界に燦然と輝く名機たちの傍らでひっそりと咲く佳作をご紹介するこちらの企画、今回は2003年にオリンピアから出された「黄金神」について。

2000年12月に稼働開始した「獣王」により一時代を築くことになった爆裂AT機ですが、自主規制を敷かれたことでサクッと消滅に向かいます。

もちろん自主規制後もAT機自体は4.5号機として出続け「猪木（2機種）」「スーパービンゴ」「ゴールドX（R）」「信長の野望」「やじきた道中記」そして今回の「黄金神」のような名機を生み出すのですが、数としてはやはりかなり減りました。

これらの機種は4.1号機に比べると明らかに上背がカットされており、「ビンゴ」みたいなイレギュラーを除くと「爆裂機」とは言い難く、むしろ「吉宗」のようなST機のほうが出玉的な見栄えはありました。

そのくせ吸い込みだけは4.1号機とあんまり変わんなかったわけで、当時は上をカットするなら下も底上げしてくれよと文句をいいながら渋々打つか、あるいはもうAT機の事は忘れてストック機を打つしかなかったわけです。

「猪木」とかもなんか爆裂してたようなイメージはちょっとあるんですけども実際はドチャクソにキツイ台でして、あれが好きで毎日打っててトータルでプラスだった人というのはこの宇宙に存在しないんじゃないかと思います。

んで、今回の「黄金神」もそれ。

パチスロ無理ゲーランキングみたいなのを作るとするなら、こいつは俺のなかでかなり上位。ただそれはあくまで「4.5号機版」でありまして、4.7号機までを含めたランキングにすると「全然マシなほう」でありました。

こいつのATのシステムは「高確率でハズレを引いて抽選」という古き良き（？）システムであり、分かりやすいというのは良かった。

「黄金神」という名前も「爆裂AT機を蘇らせたる！」みたいなドスが効いており、前評判は実は結構高かったハズ。

てかこいつ北斗と同時デビューだったんですけども、初期の出荷台数はこいつのほうが多かったんじゃないでしょうか。

近所のホールはこいつが12台導入の北斗は1台だったか。北斗のヒットが規格外＆イレギュラーだったというのもあるのですが、少なくとも俺を含め俺の周りは「黄金神」に結構期待してましたし、北斗は色物扱いされてたと思います。

んでこいつパッと見では「ATに入りやすい」みたいなのがあって、その理屈は「高確率が頻繁にくる」からなんですな。

爆裂AT機って基本的にボーナス終了後にしか高確率のチャンスがなく、それ以外のゲーム数はまじで虚無だったりするのですが、「黄金神」はどんな状態であれ普通に高確率状態に移行するので常に期待が持てるぜ、みたいな感じ。

しかもそれが「周期で入る」というのも奮ってました。つまりなんも引かないでも定期的に高確率に入っちゃう。

この仕様はホントに神オブ神でありまして、もはや負ける要素が無いぜくらい興奮するポイントなんですが、実際には「平均48Gに一回くらい短い高確率にちょびっと滞在してすぐ抜ける」という事でありまして、ただでさえ高確率とハズレを引くタイミングがカチ合わないと厳しいAT機において、そのモヤモヤを加速させる要素にしかなってなかった。

これだったらBIGの後にまとめて50Gくらい高確率を貰った方がまだやれそうな感じがしますし、実際そうでした。

要するにこの「定期的に短い高確率に入る」というのは「ハマればハマるほど高確率を貰える」というので間違いないのですが、BIGを起点とした短いスパンで考えると「まとめて貰うべきものを分割して貰ってる」に過ぎず、これもまた「ATになかなか入らねぇ」という印象に寄与するものでした。

んでこの機種を俺は当時かなりムキになって打ってました。

「マジで一回も勝てなかった」からムカついてたのもあるのですが、腹立つ事にこれが勝てないくせに面白かったんですな。

もともとパチンコの「ピラミッ伝」みたいなエジプトモチーフの機種が好きだったのもあるんですけど、まあこのオカモトのゴム並みにうっすいところをくぐり抜けてバシッとATに入れた時の「やってやったぞ感」はなかなかのものでしたし、AT中の音楽もエジプトに移住したいくらい良かった。

ただ大抵はその音楽を聞く前にはサイフが死んで撤退することになるんですけども、まあやっぱキツいという印象はみんなもってたのか導入からすぐに空き台ばっかになりましたし、年が明けてすぐに恐ろしい勢いで増台された北斗のスペースを確保するために外される台の候補としては、なまじ数が導入されてただけに「筆頭」だったんじゃないかと思います。

ピラミッドってサウザーのあの、聖帝十字陵？　でしたっけ。

おそらくあれも墓みたいなもんですし、あの演出みて「ああそういえばこの場所って黄金神が設置されてた場所だな」とか思い出したことがある人も、日本中を探せば100人くらいは居そうな気がします。