チワッスあしのです!
パチスロ界に燦然と輝く名機たちの傍らでひっそりと咲く佳作をご紹介するこちらの企画。
今回はロデオが2003年にカマした力作『旋風の用心棒R』について。
タイトルの旋風は「かぜ」と読み、原案は黒澤監督の『用心棒』(東映スコープ,1961年)です。
これは日本映画の金字塔のひとつであり、マカロニウエスタン(イタリアで作られた西部劇のこと)にも大きな影響を与えたことで知られておる超有名作品ですな。
まあ影響っつうかドパクリというか、その辺は話がそれるので気になる方は各自調べてみていただくとして、パチスロの『旋風の用心棒』は黒澤プロダクションがしっかり関わった同名アニメのタイアップ機なのでご安心を。
2003年ということで爆裂機規制とほぼ同じタイミングの登場ということもあり、単なるAT機というわけでも、また単純なストック機というわけでもない、ちょっと変わった作りになっておりました。
「旋風チャンス」と「ボーナス」の絡みよ
スペックはA400+AT+STみたいな感じで、この表記が正しいのかどうか良くわかんないのですが、とりあえずストック放出のシステムにATを利用したタイプでした。
ボーナス放出条件は純ハズレ、あるいは「小役7連続入賞」であり、ATに入ると後者の条件がほぼ達成となるため、ATの連チャンはすなわちボーナスの連チャンを意味するわけですな。
同様の「ATを利用したボナ連システム」を採用した機種としてはNETの『スーパーブラックジャック』及び後継機の『リオデカーニバル』、さらには同じロデオの『ジェットセットラジオ』なんかが有名です。
本機のATは「旋風チャンス(かぜチャンス)」という名前で、終了後はATのストックがあっても一旦は潜伏し、その間は「美雪」なる女性キャラの出現率がアップします。
これは獣王におけるダチョウ、サラリーマン金太郎における息子、そしてアラジンにおけるラクダに相当。
つまりは演出的な意味ではAT機の特徴をフルに活かしつつ、中身はストック機ですよという作りだったんですね。
演出はサミーの『ハードボイルド』にどことなく近く、通常時はカメラが左右にパンしながら舞台となる「鬼無宿」の風景を映し続けるというもの。
ルーレット演出もあることから、もしかして同じチームが作ったのかな? と筆者は思ってます。
一方、「悪いな、また付き合ってもらうぜ」という非常に格好良いセリフと共に発生するカットイン演出を始めとする現代風(当時のね)の演出も大量に搭載、元がアニメタイアップだけあって絵もすこぶるキレイであり、「演出の作り込み」というのもこの機種の特徴かも知れません。
んで、筆者はこの機種を打つたびにめちゃ気になってた事があるんですけども、それがAT「旋風チャンス」中の演出なんですね。
なんか激走する列車の「上」に立って悪役と主人公が対峙し、ピストルを撃ったり弾を避けたり蹴ったりするわけなんですけど、これを見るたびに筆者はハドソンのファミコンゲーム『チャレンジャー』を思い出すわけです。
あれはナイフ投げてましたけども、「走る電車の上で戦う」というシチュエーションがもう筆者のなかでの原体験として『チャレンジャー』で固定されてしまっとるので、打ってる最中は「チャレンジャー入った!」とかずっと心の中で呟いていました。
まあ年代的に『チャレンジャー』で育った(?)人がちょうどパチスロを打ちまくり始めたくらいの時期でしたし、同じように「チャレンジャーの1面かよ」と思いながらプレイしてた人も、かなりの数いるんじゃねぇかと筆者なんかは予想しています。
2面以降がどんなステージだったか全然覚えてませんけどもね。
なお、余談ですが2011年には続編となる『旋風の用心棒~胡蝶の記憶~』が登場、こっちもまたART中にチャレンジャーします。
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(C)黒澤/SDPN
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