※本記事は＜前編【事実】P機やS機に比べてスマート遊技機は確率が収束しやすい＞の続きです。未読の方は、まずこちらからお読みください。

「コンプリート機能」についても、開発の目線から言及しておきます。コンプリート機能は獲得枚数や玉数が規程枚数に到達したときに、当日の遊技が不可となる機能で、獲得枚数が最も減少したところを基点とし、1日の稼働においてスマスロなら19,000枚、スマパチなら95,000玉獲得するとコンプリート機能が作動します。また、コンプリート機能は突然作動するわけではなく、獲得枚数や玉数が上限に近づいたタイミングで事前報知を行い作動が近いことを知らせてくれます（※編注：本稿ではスマート遊技機について記述していますが、新たに登場する機械についてはスマート遊技機以外もコンプリート機能搭載は必須）。

そのため、自分の前の人が爆出しをして止めたとしても、コンプリートが近いと報知してくれるので少しだけですが安心ですよね。勿論、ようやく座れた新台や狙っていた台にてこの事前報知がされていたら相当ゲンナリはするとは思いますが（笑）

このコンプリート機能は、その昔、2003年にあった「ミリオンゴッド」「アラジンA」「サラリーマン金太郎」3機種の大幅に射幸心をそそりすぎたという教訓があるからに他なりません。あの当時、2002年に日電協が自主規制をおこないましたが、時すでに遅く、既に開発が終了し販売された後の台は自主規制の対象外となりました。

その過ちを二度と繰り返さないためにも、スマスロスマパチを導入する最初の段階でコンプリート機能を搭載することで法律の範囲内を逸脱しないような出玉性能に抑えることにしたわけです。徹底的な法令順守を行うことにより安心してパチンコパチスロを楽しむことができるようになるわけです。

また、コンプリート機能にはプラスの面も多く存在します。それは、ゲーム性の幅が広がることです。コンプリート機能によって出玉の上限にフタがされたことが一つの要因となり、スロット有利区間のゲーム数上限がスマスロのみ撤廃されました。これにより、コンプリート機能に収まる範囲での話になりますが、むしろ出玉の高低さをより開発的には作りやすくなったわけです。

非常に極端な話をすれば、1年に1回どこかのホールで2万枚以上が発生する可能性があるパチスロは作れなくなり、毎日多くのホールで1万枚が発生するパチスロ機が作れるようになった。という感じでしょうか。

当然、ただの出玉の波だけではなく、より演出フローやゲーム性に深みを出すことが可能になり（開発的にはやれること表現できるが増える）、メダルや玉の持ち込みゴトやクレマンゴトのようなものは完全に排除することができました（ゴトが無くなると言うことは、普通のユーザーにとってはプラスしかないです）。

玉やメダルの接触音がなくなり、音量問題の改善につながり、感染症等のリスクも軽減できます。

実は多くのメリットがユーザー側にもありますし、これからまだまだ盛り上がってくるスマート遊技機に目が離せそうもないですね。

パチンコ・パチスロ開発の表も裏も知り尽くしたチャンスメイト荒井氏が、あなたの質問にぶっちゃけ回答しちゃいます！

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