「子供が可愛いのよ」
2歳9ヶ月の息子が最近ハマっているワードがある。「モグラ」だ。何かっていうと「モグラ」と言いたがるので困っている。
先日散歩していると通りがかったおばあちゃんが、「あらぁ、かわいいわねボク〜、何歳でちゅか?」と笑顔で話しかけてきたのに対して、真剣な顔で相手の目を見て「モグラ」と言った時のおばあちゃんの困惑した顔は、身に覚えのない架空請求を受けた時のそれだった。「え?どういう事?」と、考えるが理解できない顔だ。息子よ、小ちゃいなりでシュールすぎるぞ。
モグラの寿命は約3年。あれ? 3年って何かと一緒だなぁ、何だっけ? ……あ、そうだ! パチンコの設置期限だ! パチンコの設置期限といえば、導入直後って稼働がいいですよね! 今回はそれについてひと言お伝えしましょう。……また強引な始まり方になった事は謝罪します、ごめんなさい。
「俺の謝罪は安いぜ?」
でもホント、新台って多くのお客さんが打ちたがりますよね? あれって何故なんでしょうね? 新しい機種の新しい演出に期待しているのか? それとも既存の機種にもう飽きているのか? 理由は問いませんが、これだけは肝に銘じていただきたい。
最近の機種は、新台として導入された状態……フラットな釘状態の場合、到底ボーダー回らない。もちろん出玉が普通に取れたと仮定しての話ね。
この原因は当然ゲージが悪いから。ゲージというか、主に命釘(ヘソ)が埋まっている幅が狭くなってんだけどね。じゃあなぜゲージが悪いのか? これはパチンコ業界全体の変遷に起因するものと考えています。
「パチンコジャーナリストみたいな事書くよ?」
昔は中小規模の店が多く、各々が各々のやり方で集客をしていた。だから回る店、ボッタクリな店、色々あるが、回し方だって店によって差があった。ヘソ自体に玉が入りやすい状態、ヘソはそうでもないがヘソまで到達する玉が多くなる状態、回転率は微妙だが出玉が多く取れる状態、色々である。
時代は移り変わり現在。大手チェーンが多くなり、台の運用も各店舗の自由ではなくなった。数店舗を任されたマネージャーだったり、チェーン店の"それ専門"みたいな人が一括してやるようになった。コンサルタントなんていう人も出てきた。チェーン店関係なくその人が請け負う店舗は、似たような状態での営業となるのも当然だろう。
目線を客側に移そう。ネットの発達で情報が安くなり、パチンコの勝ち方というものが広く流布している。それにつれ、「ヘソくらいは見る」程度のお客さんも増えてきた。そのお客さんを釣る為にコンサルタントやマネージャーが「ヘソを広く見せて、実はヘソに寄らないから回らないっていう状態での営業が集客しやすいよ」という思考になったわけだ。当然だよね。
そうなると大手チェーンが多い現状では、大小はあれどそういう営業の店ばかりになる。すると今度はメーカーが動く。ヘソの元からの幅を少し狭く作るのだ。そして営業マンはホールに行った際こう言うだろう。「元からヘソの幅が狭いので、広く見せやすいですよ。広く見えても回らない状態になりやすいですよ」とね。
こうしてヘソゲージは悪くなった。そんな状況でさらに今。コロナウイルスなのかホールの禁煙化なのか、原因は色々だろうがとにかくパチンコ屋が儲かっていない。放っておいても客が座る新台なんか、思いっきりぶっこ抜きたい。そして現状、"釘曲げはいけません"という身も蓋もないお上の大声が響いているもんだから、広くなる事を見越して作られたヘソ幅の新台を広くない状態で扱う事に対する大義名分まである。大回収時代の到来とあいなったわけだ。
「届いたかな?」
ほら、新台メッチャ回んなそうでしょ? メッチャ負けそうでしょ? ぜーんぶ俺の勝手な思い込みだけど、なかなか芯食ってんじゃないかと思っている。
これを書かれて困る人もいるだろうし、実際に「なんであんな事書いたんだ!」って怒られるかもしれない。
でもその時にはこう言い返してやりますよ。
「モグラ」