※『覆面パチンコ業界人T.,Kの忖度はナシの方向で』過去の連載まとめはコチラから。

世の中には数多くの忖度が溢れています。パチンコ・パチスロ業界も然り。

このコラムは、そんな業界の中心部に身を置く1人の開発者が、色々なしがらみを振り払ってお届けします。

最新機種や人気機種の秘話、メーカー関係者ならではの裏話まで。

もちろん忖度はナシ…の方向で。

※記事内容はあくまで個人の見解によるもので、編集部とは一切関係ありません。

やぁ。

T., K. だよ。

前回のコラムでも取り上げさせてもらった「スロット Re:ゼロから始める異世界生活 season2」。

”邪推“させて頂きました販売台数の件（25,000台でも多いけど絶対もっとあるだろ、と）……。手元に信頼できるデータが届いたので答えあわせなのですが、31,000台を超えているとのこと。

あ～うん、納得ですね。

根拠説明は残念ながら省きますが、今の稼働実績の伸び悩みも腑に落ちました。所謂供給過多だった可能性は否めないです。そして、色んなことを予測・推定して導入を図ったホールさんの誤算要因でもあると思います。

現在スマスロ市場でとあるタイプが人気を博しています。それは『(上位)高純増・(下位)短～中G数滞在ATタイプ』。

ヴヴヴ、からくりサーカスなんかがそのタイプで、リゼロ2もそうです。

人気ではあるものの既に同タイプが市場に多くされ完成しつつある中、31,000台をも送りこんでしまうと、タイプ別飽和が起きるのではと思います。

実際起こる現象はというと、

パターン①：ヴヴヴ、からくりサーカスから客が絶望的に引き剝がされる

パターン②：リゼロ２が「いつでも」「どこでも」打てる台としてブランディングできない

このどちらかが引き起こるのではないかと。

結果から推測すると①は起こっていないと思われますが、では何故①が出来なかったのでしょうか。

様々な面（スペック・演出の細かい所）が重なってることではあるのですが、自分の中では一番大きい要素は確定してます。ズバリ「上位ATへの目標の明確さ」だろうなと。

共に「上位入れてナンボ」≒「通常時および下位ATは虚無」という点でそこまでの差がないと思ってます。

一方でSANKYO軍は「必要なことを3回やる」という数値目標の明確さがあるのに対して、リゼロ２は「いつでも来るかもしれないチャレンジ」を「突破率の不明瞭な確率で通す」というなんとも不明確な目標がゲーム性の軸です。

「いつでも来るかもしれない」は耳障りが非常によいですが、あの性能・あの玉単価の機械の中で戦うユーザーには「全然来ない」チャレンジに感じるのではないでしょうか？

今のスマスロって不運×不明瞭さ→デキレ、というロジックで評価されがちです。

キツかろうが薄かろうが、この不明瞭さを排除して「超えてみろ」という目標設定をゲームの軸に据えるだけでも随分と違ったのかな？と思うのです。

我々脳の焼けたユーザーは仮にそれが一発抽選だとしても「惜しかった」と味わいたい生き物であると思います。もしも、リゼロ２の上位突破に“あの”白鯨戦を“限りなくガチっぽく”それこそ正当後継機よろしく入れていたら……。

あ、でもやっぱそれもやだなｗｗｗ