2022年1月末をもってCR機が撤去され、完全P機時代になった2022年ですが、この2022年は実はかなり多種多様なスペックをもった機械が登場し、新しい時代の幕開けを感じさせるものでした。

そんな2022年に発売された機械を、パチンコ現役開発者である私が、開発的に凄いところをご説明しながら、開発者目線で選択した凄いパチンコ機ベスト5をご紹介したいと思います。

言わずもがな、2022年の代表機種と言っても過言ではないRe:ゼロ鬼がかりがランクインです。この機械の凄いところは、メインスペックが別にあるいわゆる「後発機」と呼ばれるタイプです。車でいえばマイナーチェンジでの発売であり、多くの業界関係者は正直な所この機械をあまり期待しておりませんでした（というのも、某パチスロ機を購入するためのお付き合いの側面があったことは・・・ごにょごにょ）。

しかし、結果は皆さんがご存じの通り大ヒットを記録したわけです。この機械の面白いところはいくつも語れますが（実際に面白いので）そこは割愛させていただき、今回は開発的にどう凄いのか？を、簡単に解説させていただきます。

この機械はRUSH中に4つの大当り（正確には3つの大当りと1つのc時短）が搭載されております。①10R×2の3,000発が獲得できる大当り、②10R大当り、③2R大当り、④c時短（時短回数復活）の合計4つです。実はこの機械は①10R×2と③2R大当りの2つを同時に持っているのが開発的に凄い所なのです。

例えば、RUSH中の大当りが②10Rと③2Rの2つを持っているのであれば、次の大当りを確定させるやり方は比較的簡単で、今でもあるような時短10000回付きで次の大当り迄高速消化、という形にすれば実現可能です。が、10Rと2Rが搭載されている場合、10Rを引いた次の大当りで必ず10Rが来るとは限らないわけです。1%でも2Rが搭載されているのであれば、次回大当りは2Rが来る可能性は否定できません。すなわち、（従来の概念では）3,000発を実質的に確定させることはできないはずなのです。

詳細の仕様に関しては長くなるので割愛させていただきますが、また機会や質問等頂けたときにお話ししたいと思います。

一部ユーザーの中で話題になった高須クリニックを4位に選択しました。高須クリニックの高須院長を使ったので凄いと言うつもりはありません(笑)。

高須クリニックが開発的に凄いところは、ズバリ「美スタート」「美×２スタート」です。この美スタートは、役物内にある穴に玉が入れば、美スタートという名前のチューリップが開放し、そこがスタートチャッカーになっているため、役物を突破しなくてもスタートを回すことができるという画期的なモノ。実は、Pすしざんまいでも「ちょい穴GO」という名前で搭載されていた第二種非電動役物という、昔々、パチンコがまだ手打ちとかの時代だった時に使用されていたチューリップの技術を使用したもので、これは電気の力を使用したものではなく、役物のからくりだけでチューリップの開放を行うモノです。

昔の技術を今の仕様に落とし込んで、目新しさを出しつつもユーザーにとって面白いもの価値のあるものを提供する、というのは凄いに尽きますね。

開発者であれば誰もが作りたくなる機械を実現し、世の中にリリースしたシンデレラブレイドが第3位です。初当り確率を物凄く甘くして、遊タイム到達でチャンスというハマればハマるほどOKという従来のパチンコと真逆のゲーム性を保持したスペックです。

この話をすると、昔、豊丸産業が「天上のランプマスター」という台を出したというマニアックな突っ込みをするユーザーがいらっしゃるのですが、この天上のランプマスターは一定の回転数ハマった後に大当りさせることができれば、次回RUSH（電サポ）確定というスペックでしたので、「規定回転数ハマれば時短付与≒大当り」というルートが王道となるシンデレラブレイドと、規程回転数ハマらなくても大当り次第でRUSHに突入し、また規程回転数ハマっても、そこから大当りさせないといけない天上のランプマスターとは実は似て非なるものなのです。

シンデレラブレイドは、残念ながらユーザーからの評価としては決して良いとは言えない結果となってしまいましたが、パチンコのスペックやゲーム性という部分では一石を投じたのではないかと個人的には考える次第です。

、、、（次回へ続く）

パチンコ・パチスロ開発の表も裏も知り尽くしたチャンスメイト荒井氏が、あなたの質問にぶっちゃけ回答しちゃいます！

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