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覚醒・セブンラッシュ・おっぱいタッチCZ! ウド茂作チョイスは独自の魅力が満載だった「鉄のラインバレル」【栄光なき名機たち】

編集部員が持ち回りで紹介してきた「栄光なき名機たち」ですが、ありがたいことに大好評! ということで、ライター陣にもバトンが回ることになりました。今回はわたくし、ウド茂作が担当。

早速ですが、僕が取り上げる名機はコチラ!

筐体画像

鉄のラインバレル(スパイキー 2012年導入機)

鉄と書いて「くろがね」と読むセンスの通り、主人公が中二病でお馴染みとなっているロボットアニメのタイアップ機です。

かつて一世を風靡し、今もなお脈々と受け継がれている「ART中にロボットが飛んでる系ART機」のひとつですね。当時のトレンドを取り入れているといえるでしょう。

しかし、世はART戦国時代。似たような機種が市場に溢れ返っていたせいか、残念ながら大ヒットとはなりませんでした。同時期に「バジリスク~甲賀忍法帖~Ⅱ」が導入されたのも痛かったですね。

とはいえ、実は本機独自の魅力がたっぷりと詰まっている名機なのです。その証拠に、ラインバレルの名前を出すと、盛り上がる人とたま~に巡り合いますからね。

おっぱいに触ることができればART!

認証モード

まず、本機で好きなところはCZ「認証モード」中のBGMです。曲名は「Calling with Unity」

「えっ!? 好きな理由がBGMって、ウド茂作それは浅くない!?」

と思われるかもしれませんが、好きなものは好きなんだからしょうがありません。僕はこの曲を聴くためにラインバレルを打っていたと言っても過言ではないのです。

ジュークボックス代わりにラインバレルへ着席し、いざCZに突入したらまず缶コーヒーを用意します。タバコに火を付け、回さずにしばらくBGMに耳を傾けるのです。ちなみに、パチスロのBGMで好きな曲を1つ選べと言われてもコレになります。

しかし、本機が好きという人でもこの好きな理由には首を傾げるかもしれません。今となっては動画サイトでいつでも聴くことができるのですが、なぜこの曲が僕をここまで引き付けるのか自分でもよくわかりませんから。もしかしたら中二病なのかもしれません。

ちなみに、CZは主人公が女の子のおっぱいを触ることができればART確定というシンプルなゲーム性です。

心拍数が爆上がる(大)覚醒

ART中に突入する上乗せ特化ゾーン「覚醒」は本機を語る上で外すことのできない爆発トリガーであり、最も面白いところのひとつでもあります。

●ヴァーダント覚醒…スイカ対応
●ペインキラー覚醒…チェリー対応
●ハインド・カインド覚醒…ベル対応
●ディスィーブ覚醒…リプレイ対応

※ヴァーダントとかペインキラーとかは味方のロボットの名前

覚醒は大きくわけると4種類存在し、それぞれ対応役が存在します。ART中の対応役成立で覚醒のチャンスとなり、また覚醒中に対応役が成立すれば上乗せ確定。さらに! 覚醒中の対応役成立時は「大覚醒」への昇格抽選を行い、昇格すれば上乗せ性能が飛躍的にアップします。

覚醒にはそれぞれ特徴があり、スイカは一撃の上乗せが強力。チェリーは「チェリー+リプレイ」によって特殊なRTに突入し出現率がアップするため、覚醒中のチェリー固め引きが狙えます。ベルやリプレイは出現率が高いため、覚醒中は高確率で上乗せに期待。

さらに覚醒は重複することもあって、例えばベル覚醒とリプレイ覚醒が重複しようもんなら毎ゲームのように上乗せが発生します。さらにさらに、4種類の覚醒が全て重複すると「オーバードライブ」という最上位の上乗せゾーンへ突入するのです(普通に4覚醒の方が強いんじゃないかと思わなくもない)。

また、覚醒中の上乗せゲーム数の振り分けが異常に高い印象もあります。ただの押し順ベルやリプレイで3ケタ上乗せが発生し、尻が浮いたことも一度や二度ではありません。

ヒキが噛み合った時の恩恵がしっかりと用意されていて、破壊力が高いうえに消化中も面白いと文句ナシの特化ゾーンだったんですよね!!

ちょっとすごかったBIG中のシステム

ボーナス画面

本機はボーナス+ART機だったのですが、そのボーナスも大きな魅力のひとつ。なぜなら単なるボーナスではなく時として上乗せ特化ゾーンにもなりえるシロモノだったからです。

BIG中に赤7揃いが発生すればART確定なだけでなく「セブンラッシュ」へと突入し、以後赤7揃いが高確率で発生。揃う度にARTのセット数を上乗せします。

BAR揃いの場合もART確定ですが、コチラは「BARラッシュ」となってBARが揃う度にゲーム数上乗せです。

そもそもBIGボーナスの確率が重いので、せっかく引いたBIGを無駄にするものかと必死にレバーを叩くことになるのですが、BIG中の演出が悔しいけどカッコイイんですよね。

7を狙え!

カットイン時のキャラの瞳が「ファクターアイ」なら絵柄揃い確定。また、リールロック発生でも激アツだったはずです。絵柄がバンバン揃っている時は、まるで自分もファクターアイになったような錯覚すら覚えます。

ちなみに、BIGボーナス中のBGMはアニメのオープニングでもある「鬼帝の剣/ALI PROJECT」で、これもめちゃくちゃカッコイイです。

上乗せ性能も演出も優秀だったBIG中の特化ゾーンなのですが、内部的なシステムも実は特殊だったそうです。5号機としては珍しいJAC INを採用していたんですよね。

まずBIGは小役ゲームから始まり、狙えカットインでJAC INの合図。7が揃えばセブンJAC(=セブンラッシュ)。BARが揃えばBAR JAC(=BARラッシュ)。絵柄が揃わなければ通常JACです。

各JACゲームは小役の規定回数入賞or規定ゲーム数消化で終了し、小役ゲームへ戻ります。そして次の狙えカットインでJAC IN…という流れですね。

(小役ゲーム→狙えカットイン(JAC IN)→JACゲームを消化→小役ゲーム…のループ)

セブンJACやBAR JACはもちろん面白いのですが、通常JAC中にも注目ポイントがあります。液晶右のランプ色によって「次回のJAC」を示唆していたのです。赤やレインボーなら次回のJACがセブンJACやBAR JAC濃厚となるので興奮必至という訳ですね。

なぜ次回のJACを先読みできるかというと、実はJAC中に次回のJACフラグを抽選し、ストックしているから。JAC中は「ベル+通常JAC」や「ベル+セブンJAC」といったフラグが存在しているようなイメージでしょうか。

現在のAT機では内部的に恩恵に当選していれば揃うカットインを出し、非当選ならガセカットインを出す、という手法を多く見かけますし、カットインまでの演出で期待度を示唆することも珍しくありません。

結果的に似たようなゲーム性となっていますが、ラインバレルは擬似じゃないガチボーナス。きっと、当時ラインバレルを開発した方々は頭を捻ってBIG中のゲーム性を生み出したのではないでしょうか。開発努力に素直に脱帽です。

とはいえ、グダグダと小賢しい御託を並べずに遊んでもいいかもしれません。だって、「その方がカッコイイだろう!?」というのは主人公の言葉。

当時大学生だった僕が少ないバイト代を握りしめて打った鉄のラインバレル。絶妙な期待度のリールロック、種類の多すぎる複合役、頼もしかった天井、BIGがLAST数枚というタイミングで突入するラッシュ(ラッシュも一瞬で終わるためかなりタイミングが悪い)…なにもかも懐かしい。今も思い出の中で輝く名機です。



(C)2008 清水栄一・下口智裕・秋田書店/GONZO/ラインバレルパートナーズ

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