はじめに
虚心坦懐の「浅学寡聞は損の元」、第44回。
※本記事は<前編『【パチンコ/パチスロ】三店方式はどのように生まれたの?』>の続きです。未読の方は、まずこちらからお読みください。
前回のコラムでは、パチンコ/パチスロにおいて「換金」という行為が風営法で禁止されている中、暴力団等による違法な「仲介人」が問題となり、これを排除し健全化するために、大阪府で生み出された営業形態が「三店方式」である、という話を書きました。
一方、過去、パチスロの実機を用いていた金箔カード自販機も同じような方式で営業していましたが、こちらは摘発され、現在では存在しません。もちろん、ストレートに換金できる闇スロなどは完全に違法となっています。
今回は、法律的に「三店方式」が許容される理由について触れて行きたいと思います。
「三店方式」とは!?
この三店というのは、[パチンコ店]・[古物商(景品換金所)]・[景品問屋]。ここに、我々ユーザーを加えた4者の相関関係を見てみましょう。
景品交換所とは、いわゆる古物商です。パチンコ店とは別の法人が公安委員会から古物商の許可を得て営業をしており、パチンコ店とは完全に無関係となっています。なので、当然自社買いとはなりません(※自社買い…パチンコ店が景品をユーザーから買い取る行為。「三店」の関係が成り立たないので違法)。
そして、景品問屋は古物商からその景品を買い取り、パチンコ店にこの景品を卸します。パチンコ店はその特殊景品をユーザーの玉やメダルと交換する、という循環を繰り返していきます。
「三店方式」では、このような形で完全に独立した3つの店(業者)とパチンコユーザーが、それそれの関係の中で適法に特殊景品(金景品等)と現金をやり取りします。その結果、ユーザーは風営法に抵触することなく玉やメダルを現金化することが可能となったのです。
以前、私のコラム(→リンク)でも紹介したパチンコ店の店員に換金所の場所を聞いても教えてくれないのは、自社買いと誤解されないためという理由があったからなのです。
それにしても、一体なぜここまでややこしい枠組みが必要になるのでしょうか。それは、以下で説明する「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)」の第23条が原因となっています。
「風俗営業法 第23条」とは!?
風営法の第23条では、パチンコ屋の遊技場営業者の禁止行為として以下のように定めています。
・現金又は有価証券を賞品として提供すること
・客に提供した賞品を買い取ること(=自社買い)
・遊技の用に供する遊技球等を客に営業所外に持ち出させること
・遊技球等を客のために保管したことを表示する書面を客に発行すること
上記の条文によって、パチンコ店は直接玉やメダルを現金化する事ができません。以前、私の紹介した「ホールの珍事」のコラム(→リンク)では、実際やらかしたお店もありましたが…(笑)。
まとめ
冒頭で書いた金箔カード自販機が摘発された理由も、実は三店方式による「換金」ではなく、「台の違法改造」でした。このように、「三店方式」では今までに摘発されたことはありません(※適法なので当然ですが)。
そもそもは反社の人達の介入を阻止するために構築されたシステムなわけですが、今なおTVや言論の場等で「実質、違法なのでは!?」と悪く言われることも少なくないのが実状だったりもします。
虚心的には、シンプルにパチンコ業界の健全化のために絶対に必要なのではないかと思っています。まあ、キャバクラなどの夜のお店もそうですが、ちょっとグレーなくらいの方が、おっさん達は楽しいのですよ(笑)。
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