<FREE's archives >
当連載<FREE's archives>では、過去に掲載された『パチマガスロマガFREE』の記事の中から、特に内容の濃かった&反響の大きかった記事を改めてご紹介します。
はじめに
虚心坦懐の「浅学寡聞は損の元」、第23回。
皆さんもニュースでご覧になったかと思います。2023年8月20日午後2時45分頃、神奈川県厚木市下荻野のパチンコ店「マルハン厚木北店」の2階建て立体駐車場で火災が発生し、計152台の車が燃えてしまいました。
そして、この2日後に出火場所はほぼ満車状態であった2階中央付近に止めてあった乗用車のエンジン下部から出火したとみられることが判明し、消防は放火などの事件性は低いという見解を発表しました。
幸いケガ人はいなかったそうですが、突然の愛車との別れを余儀なくされ、ショックを受けられた方々も、さぞ多かったことでしょう。
今回は、こういった災害に巻き込まれた際、燃えてしまった車の損失は、いったいどうなるのか!?について、知人の保険屋さんと、有名大学の法学部に10年くらい在籍していた知人プロDKが、お気に入りフードルの乳を揉みながら分かりやすく解説してくれたので、説明していこうと思います(笑)。
【速報】パチンコ店の立体駐車場で火災 消防車20台で消火活動 神奈川・厚木市「マルハン厚木北店」 https://t.co/HW9fooY34x
— TBS NEWS DIG Powered by JNN (@tbsnewsdig) August 20, 2023
民法709条と失火責任法
まずは今回の場合、動産(自動車)の金銭問題なので「民法」が適用されます。そして、この民法の第709条には「故意または過失で他人に損害を与えたら損害賠償責任を負う」という内容の法律があります。
だったら、今回の場合だと早い段階で察知できなかったお店側の「過失」では!?という方もいらっしゃるかとも思いますが、こと火災に関しては、明治時代から失火者の責任について定められた「失火責任法」という法律も存在します。
こちらの条文には「民法第709条の規定は、失火の場合には適用しない。ただし、失火者に重大な過失があったときはこの限りではない。」という内容が記されています。
単純に持ち主が残念な結果に…
今回の場合、駐車場の設備等に法律上問題はなく、ホール側には全く落ち度はありませんでした。
そして、この件に限らず、放火等の「重大な過失」が認められないかぎり、火災で失火者が損失を補填してくれることはありません。
そのため、修理費や次の車の購入費用は被害者の自腹ということになります。仮に自動車保険に入っていた場合でも、車両保険に入っていない場合は全額自腹負担で大損という結果になってしまいます。また、車両保険に入っていた場合でも、基本時価換算なので、こちらもプレミアの付くような特別な車種以外はマイナスになることがほとんどだとか…。
まとめ
現在、車の持ち主で任意の自動車保険に加入されている方は約9割、さらに、車両保険にまで加入されている方は、その中の5割に満たないのだとか…。結果、今回のような火災事故が起きた場合、大きな損失を出す方が大半ということになります。
実は今回の火災が起きた翌日、「もしもの際に備えて保険に入ることは非常に重要なので、皆さんも是非!」と、知人保険屋さんが商魂たくましく配布品を片手に私たちの元へ現れたのでした(笑)。
被害に遭われた方々はとんでもない災難に巻き込まれたと思います。でも、そんな中、ケガが無かったのは幸いだと思います。落ち着かれるまでには少し時間がかかることでしょうが、どうぞお力を落とされることがありませんよう。
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