
現役開発者、チャンスメイト荒井氏による「パチンコ開発とXXの事情」。
本記事は前編<【パチンコ/パチスロ】何のために開発をしているの分からないし、そもそも開発しない方がマシだった台>の続編ですので、未読の方は先にコチラからご一読ください。
版権と開発とリスクと販売戦略
(前回の続き)
そんな命題を背負って開発をしているため、版権というのは非常に重要な要素になってくるわけです。特に誰もが知る大型版権というのは、それだけで販売台数が大きく伸びる可能性があるため、メーカー側としても非常に力が入るのです。
版権費用が高額になったり、大型版権で多台数販売を目的としているからこそ、いつもより多額の開発費を投資することで良い機械を作ろうとするのですが、その一方で、損益分岐販売台数は右肩上がりに増えていくわけです。
逆に、まだあまりよく知られていない版権等では、版権費用も比較的リーズナブルなことも多い反面、「本当にこの版権で売れる機械がつくれるのか?」とそもそも懐疑的な目で見られることも多いため、「この機械は稼働で勝負する」とか「開発費を極力抑えて利益を出しやすくする」等々の戦略が求められるわけです。
それらを調整するのがプロジェクトの総責任者であるプロデューサーのお仕事になります。販売目標台数、すなわち目標となる売上や利益を出すことができるのか? またスケジュール通りに機械が完成し、適合を受けて世の中にリリースしないと、定期的に会社の売上を作ることができなくなりますので、このスケジュール管理に関しても細心の注意を払う必要があるのです。
プロデューサーとプロジェクトリーダーは、向いている角度が少しだけ違う
一方で現場は少し違います。勿論、会社に所属している以上は会社に利益をもたらさなければ存在意義はありませんが、プロジェクトリーダーとしては、自分が開発する機械で一人でも多くのユーザーに楽しんでもらいたい!という部分がまずは先行します。それは誰よりもその機械に触れているからに他ならないからです。
私もプロジェクトリーダーとして参画して世の中にリリースされた機械は何機種もありますが、それらの機械の何気ない演出1つを取ってみても、全て(自分的には)意味をもって開発をやっていました。この演出はここを楽しんでもらいたい、この部分にて面白いと思ってもらいたい、この振り分けはこんな感じで意外性をもってもらいたい、みたいな感じで全ての演出に対して、なぜそうしたのか?という理由を説明できますし、おそらく今でもできると思います。それぐらい、心血を注いで機械開発を行っていきます。
これがパチンコ/パチスロの開発プロジェクト
このように、プロデューサー、プロジェクトリーダー、ディレクターetc...と、立場と役割が異なるメンバーがプロジェクトに参画して、それぞれが情熱をもって機械を売り物にしていくわけです。
メーカーとしてはプロデューサーが売上や利益部分を中心に考え、プロジェクトリーダー以下の担当が機械そのものについて考える、というやり方がやはりスマートなのだと思います。
今回はココまで!次回に続きます!
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