※本記事は＜前編『【怒り】なぜこんな機械になったの？なぜスペックがこんなに変なの？【パチンコ/パチスロ】』＞の続きです。未読の方は、まずこちらからお読みください。

前編でも少し書きましたが、パチンコホールはユーザーに機械を打ってもらって利益を稼いでいるわけです。一方、ユーザーはホールに「勝ち」に来ていますよね？一部のユーザーは時間つぶしやお金を捨ててもいいやと思っているお金持ちの方がいるかもしれませんが、誰だって負けるのは嫌ですし、打っている人は皆、勝てるかどうかは別として勝ちたいはずです。

であるのであれば、ものすごくシンプルな話をすると、稼働する台は「勝てる台」、稼働しない台は「勝てない台」と言えるわけです。しかし、勝てる台というのはホール側からすると厄介です。なぜなら前述のとおり、ホール側は機械を打ってもらって利益を稼いでいるわけなので、稼働しているもののユーザーが勝ち続けてマイナスになれば、それは本末転倒ともいえるわけです。

例えばですが「いろはに愛姫」は導入から4年以上経ち、設置もだいぶ減りましたが、実はいまだにホール内で一番稼働をしている、なんてお店もあったりします。しかしながら、皆さまご存じの通り設定１でも機械割は104.1%で、殆どのホールは設置し続ければ続けるほど赤字になるという機械です。そのため、非常にユーザー受けが良い機械であるにも関わらず、今ではこの機種をほとんど見かけることはありません。

そのため、開発者としては機械として面白いのは当たり前。負けても面白いと思ってもらえる、また次も打とうと思ってもらえる機械を目指して作らないといけないのです。

最後の問題として、検定を通過したパチンコパチスロ機しかホールに設置できない問題があります。そのため数か月後、下手すれば数年後のトレンドを考えながら開発しなければなりません。

スマホのソシャゲ等の場合、リリース後にバグがあったとしてもメンテナンス期間を別途設けて修正することは可能です。そのため、今のトレンドを最速で取り入れ、即時開発しリリースすることが可能ですし、バージョンアップと称していくらでも追加で修正や調整が可能なわけです。それこそ、ユーザーの反応を気にしながらガチャの確率等も調整できたりするわけですね。

また、ネット等のゲームでの最大の優位性は「オンライン対戦」です。任天堂の伝説的な開発者に宮本茂さんという方がいらっしゃいます。（マリオシリーズやゼルダの伝説シリーズ、ドンキーコングシリーズ等の生みの親）その方がゲームデザイナーの矜持として「対戦に逃げてはいけない」という名言があります。「対戦したらなんでも楽しい、極論無人島でどんぶりとサイコロ２つあれば楽しめますよね？」「対戦したら面白いから、対戦せずに作れよ。対戦せずに作った方が、最後対戦したらすごい面白くなるから」ということです（この対戦等の考え方がポケモンの爆発的ヒットにつながったというような話もあります）

私はパチンコ開発者として非常に参考になる考えだなと思いつつ、パチンコやパチスロは基本1人で遊ぶ遊びのため、宮本氏がいう「逃げ」はどうやってもできません。1人でも楽しめるけど複数人でやれば掛け算式に面白くなるゲームと、ずっと1人で楽しむことしかできないパチンコパチスロ、この辺りにゲームとしての難しさがあると思っています。もちろん、パチンコパチスロにはお金を賭けるといったゲームには無い要素がありますので、どちらがやりやすい、やりにくいは無いと思っていますし、それを言うのは開発者としてはただの「言い訳」だと思っていますので、より多くの方が面白いと思ってもらえるパチンコパチスロ開発をこれからも作れるように頑張っていきたいと思います。

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