虚心坦懐のGoing Underground、第69回。

今回は、1999年頃のお話。

パチスロは4号機時代で、色々なジャンルの機種が発表。CT機史上最もヒットした「アステカ(ECJ)」、大量獲得機では珍しいBタイプの「エルビス(IGT)」、多ライン機では最多ラインとなった8ライン機「マックスボンバー(Sammy)」などが登場した。従来のAタイプ機では、告知タイプの「ジャグラーV(北電子)」「デジスロ7(ベルコ)」、4thリール搭載の「コングダム(山佐)」などが登場。また、攻略法も全盛期で、「風神雷神(マックスアライド)」(→リンク)、「マグニチュード(テクノコーシン)」「温泉天国(テクノコーシン)」(→リンク)なども虚心の財布を潤した。しかし、虚心が一番思い出に残っているのは、裏モノがほとんどであった「スーパーチャンス(岡崎産業)」にて天井狙いをしたが、まさかの激レアなノーマル機の低設定で、（裏モノの）天井を突き抜けたこと…(笑)

パチンコは初当り確率が約1/315で、リミッターなしの1/2ループタイプという『99基準』といわれるCR機が「CRフィーバーゼウスSX(SANKYO)」を皮切りに続々と登場。今とは違って、タイアップではないメーカーオリジナルのコンテンツ…「CR忍々丸EX(西陣)」「CRツモツモ天国南2局(豊丸)」「CRラブリーレミ！夢の初舞台(大一)」「CRくのいち忍法帳～第七巻～(高尾)」「CRチューミーハウス(藤商事)」など、ユニークで面白い機種も登場した。さらに現金機では、止め打ち攻略の効いた「パープルアイス(銀座)」や「サンダースケルトンX(マルホン)」(→リンク)なども熱かった。

そんな中、異例の「6」図柄も確変という機種「CRウエスタンヒーローA(平和)」も、99基準スペックで登場した。

初当り確率1/315.5(確変時1/63.1)、大当り出玉約2100個、確変は1/2突入で次回までという99基準のオーソドックスなCRデジパチ。しかし、ヘソ入賞時の一発判定という抽選の仕組みは現在と同じであるが、今の乱数を使用した完全確率方式とは異なり、周期テーブルを用いた周期抽選であった。

こちらの機種の周期抽選の1周期が約30秒ちょいであったこと。さらに、確変大当りが2～8秒中の周期に固まって存在したため、体感器を使わなくとも確変大当りの狙い撃ちが可能であった。

《手順》

① 腕時計を用意する。

② 自力で確変を当てる。

③ 確変大当り時のヘソ入賞のタイミングを秒単位で確認。(慣れていれば、ある程度、当たったリーチからの逆算も可能)

④ ③を基準に「30秒＋一拍」してから、「2～8秒経過中に、二拍ずつ拍を入れて単発打ち」。

⑤ ④を繰り返す。

…というようにして、狙い打つことにより、当たれば高確率で確変図柄となった。

台に注射をするだけで、驚くほど台を元気にさせるパチ業界のブラックジャック的な存在の方から。

因みに、当時、彼が元気にした「CRモンスターハウス(竹屋)」は「モンスターパニック(20連チャンすると画面に表示される)」を起こしやすくなり、そのホールではめっぽう稼いでくれるようになった…などという伝説も持っている(笑)。

永久連チャンも可能であるこの攻略法。だが、1/2ループの機種が、朝から打ちに行って毎回10連チャン以上もしていたら目立ちすぎる。そのため、虚心は換金ギャップによるある程度のマイナスは仕方のないものだとして、夏期講習後などの夕方からサラリーマンスタイルのスーツ姿で打ち、5連以上させたら後は普通に打つ…といったような稼働スタイルを繰り返していた。当然、働く塾や予備校は「CRウエスタンヒーローA」の設置店が近くにあるかどうかで決めていた(笑)。

そうこうしているうちに、ゴト師が体感器を使ってこの機種を狙って打つようになった上、攻略誌に記載されてしまったこともあり、ホールも強く警戒しだした。そんな中ではあったが、スーツ姿で常連のようにいつも夕方から打っている虚心は目を付けられることもなかった。

だが、そんな日も長くは続かず、ついに「CRウエスタンヒーローA」が行きつけのホールから撤去される日が…。

その日もいつも通りホールに行き、台が撤去されたのを知り、がっかりしていた虚心を見て、顔なじみの店員が近づいてきた。そして、ウエスタンヒーローが好きな常連と思われていたのか、にこやかに「お気に入りの台、なくなっちゃけど、あっちに現金機の方が入ったから！」と、「CRウエスタンヒーローA」の現金機版「ウエスタンキッドR」のシマに案内してくれた…。そこには「こんな何にもない台、低価交換で夕方から打つか！(怒)」と内心思うも、にこやかにお礼を言っている嘘つき虚心がいた…。

後にこの件は、「キャバ嬢の営業スマイルもこんな気持ちで微笑んでいるのだろうなぁ～」と嬢に微笑みかけられる度に思い出すようになった(笑)。