<FREE's archives #44>虚心坦懐のGoing Underground
当連載<FREE's archives>では、過去に掲載された『パチマガスロマガFREE』の記事の中から、特に内容の濃かった&反響の大きかった記事を改めてご紹介します。
はじめに
遠隔操作をどうやって可能にしているの!?
遠隔操作のシステムは、虚心の知る限り大きく分けて二種類存在していました。
一つ目は、大がかりなタイプ。ホールの責任者が専門の業者に頼んで主にシマ単位で取り付けるものです。構造的には、台ごとの基板に下駄(別名「ぶらさがり」「みのむし」)という部品を取り付けホルコンに繋ぎ、さらにそこに悪いパソコン(ほとんどがノートパソコン)を繋ぎます。そして、悪いパソコンから大当り等の乱数の信号を下駄を経由し直接台に送ることで、あらゆる操作が可能となっていました。以前も書いたように、人気の「海物語シリーズ」40台のシマで約1000万円、「初代慶次」40台のシマで約3000万円の設備費用となっていました。
二つ目は、人気機種であれば1台からでもできる簡易的なもの。こちらは主にホールから利益を不当に得ようとする悪いホール関係者やゴト師が使用していました。不純な願いを叶えてくれるドラえもん的存在のソフト屋さんが生み出したスタートチャッカーと受信機を台に取り付け、改造した車のキーなどから電波を送り、大当りの乱数を直撃させるものでした。こちらの詳しいお話は、反響があれば、このコラムにてまたの機会にでも…。
遠隔操作は、どこから!?
遠隔操作、どんな場所から行っていたのでしょうか?
操作は有線・無線、どちらでも可能だったのですが、前者だとほぼホール内のバックヤードになってしまい、もしもの際に足が付き摘発されやすくなってしまいます。そのため、無線を使い、ホール敷地外のマンションやアパート、間借りした近隣の店舗などで使用することが多かったそうです。
もはや、ストーカーの盗聴や盗撮の身の隠し方ですね(笑)。
ノートパソコンが"悪いパソコン"の主流になったのは、このように「持ち運びしやすく隠蔽しやすい」ことが大きな理由だったのです。
超絶ハイリスクのため、そもそも業者が少なかった
遠隔操作がどれくらいのホールでやられていたのか!? というと、これは非常に少ないごく限られたホールのみでした。ホールにあまりにも高いリスクがあったから、というのは過去記事で書いた通りですが、実は業者にとっても非常に高いリスクがありました。
そのため、普通にホールを経営していても遠隔操作のシステム業者自体を知らない人が大多数で、都市伝説のような存在であったのが実状でした。
まとめ
かつて、確かに「遠隔操作」は存在しました。しかし、それは一般的に「当たらなくさせるもの」と思われていることの真逆で、むしろ、客付を善くするため、力を入れて導入した新台の不発防止等のため「当てる」ことの方が多かったのです。
しかし、リスクの高さ。さらに、遠隔操作のシステムを撤去する際にも、実はいろいろ面倒なことも…。そのため、現在ではほぼ皆無になったのです。
当たらないことで「遠隔だ!」と思っていた方も多いと思いますが、実は遠隔をやっていたらほぼほぼ当たっている、というのが真実なのでした(笑)。
※本稿に記載した内容は、ライター虚心坦懐の独自の見聞に基づくものです。
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