虚心坦懐のGoing Underground、第88回。

今回は、先日、読者さまからリクエストをいただいた1993年頃の機種のお話。

パチスロは4号機時代初頭。攻略ネタのあった「ジャックポットⅡ(尚球社)」、設定判別が効いた「オリエンタルⅡ(ユニバーサル)」を含め、Aタイプが主流であった。そんな中、初当り軽めの「トロピカーナ(メーシー)」「クラブトロピカーナ(メーシー)」「ロイヤルタカシーRT(高砂電器)」などは、当時としては、珍しいBタイプとして登場していた。

パチンコは攻略ネタ全盛期。デジパチでは「春一番(西陣)」「アメリカンドリーム(三洋)」「エスケープ2(大一)」「野球拳(三洋)」。権利モノでは「スカイキッズⅢ(三共)」「ピンボール(京楽)」「ソルジャー(マルホン)」など様々な機種で攻略法が存在し、攻略プロ達の懐を暖めた(笑)。

▶「ジャックポットⅡ(尚球社)」「春一番(西陣)」「アメリカンドリーム(三洋)」「スカイキッズⅢ(三共)」「ピンボール(京楽)」「ソルジャー(マルホン)」の攻略法はコチラから。

そして、アレパチである「パワフル(太陽電子)」にも、当時、強力な攻略法が存在した。

大当り確率は、通常(朝イチ)モード時1/196、地獄モード時1/356、天国モード時1/4で、1回の大当り出玉は約2000個のアレパチ。

大当り終了後、天国モードと地獄モードの振り分けは6：4となっていた。

《手順》

① 自力で大当りを引く。

② 最終ゲームで16発目を打ち出したら、アースから手を放す。

③ 16個目が落ちる前にLEDの全点灯を目安にアースにタッチor清算ボタンをプッシュ。

④ LEDの動き方に一瞬鈍いような違和感があれば成功で次回は天国モード。

…という内容で、上記では簡潔に説明したが、実際、中身は、非常に複雑で、難易度もパチンコ攻略ネタ史上、最難易度であった。

⑴ 大当り終了の仕組み…デジパチは、最終ラウンドでアタッカーに規定個数入賞、または規定時間開放で終了するが、アレパチは1ゲーム16個のため、最終ゲームで16個打ち出した瞬間に終了する。

⑵デジタル下の8個あるLEDランプ…ランプは左右対称になっており、全消灯～全点灯まで外側から内側に1秒毎に点灯した。そして、ランプが全点灯するのは『0.1秒』。この『0.1秒』のうち、前半0.04秒間で終了すると大当り後は地獄モードに移行し、後半0.06秒間で終了すると大当り後は天国モードに移行した。

 

⑴⑵を踏まえ、LEDランプが全点灯した後半0.06秒間にハンドルのアースに触れて(または清算ボタンに押して)、最終ゲームを終了させ、リセットすることで、次回天国モードに滞在している状態になるという内容であった。

虚心は、このパターンでやっていたが、他にもタイミングの取り方は多数存在した。

因みに、LEDランプが切られていても盤面左上の2倍ランプで対応でき、また、アースが切られていても手入れで対応することが可能であった。

さらに、電源オフ時にある仕込みをしてもらい1回転で当てることも可能であり、店員とグルの低投資で上がりを出しているプロもいた。実は、こちらは必ず揃う図柄が決まっていたため、詳しい人間からは丸分かりであった。

世界全滅打法(→リンク)でも、つるんでいたツレから。

こちらの機種は、前回の「フラッシュ(ニイガタ電子)」の攻略ネタ(→リンク)と違い、虚心もやれた攻略ネタであった。設置が少ないこともあり、ほとんどの場合、仲間たちと相乗りで、現場(←攻略ネタをヤリにいくホールのネタプロ用語)まで遠征していた。基本、当たれば、永久に確率1/4で当てられることも可能であったため、乗り打ちで数百万換金なんてことも…。

また、時には営業時間内にLEDを切ろうとする店長が現れ、先輩のプロと店長が「変更申請のない改造なので、警察を呼ぶ、呼ばない」で口論となり、渋々終日抜かれることになった憐れなホールもあった。

本機は虚心が知りうる攻略法の中でも、トップクラスの日当を叩き出したことを覚えている。後に攻略で知られたシャングリラ的な台でも、日当的にはここまでは稼げなかった。

攻略ネタの割には難易度が高めで、やれる人が少なかったこともあり長期稼働できたが、後半は、LEDもアースも清算ボタンまでもが切られ、とどめに右肩センサーがガン締めされた影響か!? 天国モードへ移行しない…もはや、「パワフル」とは呼べないものにまで退化していってしまった(笑)。