※過去の「栄光なき名機たち」記事
チワッス、あしのです!
パチスロ界に燦然と輝く名機たちの傍らでひっそりと咲く佳作を紹介するこちらのコラム、今回はKPEが2009年にブチ上げた「悪魔城ドラキュラ」について。
KPEはいまでいうコナミアミューズメントさんですが、パチスロ本格参入は5号機になってから。
今の人は知らんと思うのですが、当時は「おいおいコナミがパチスロ作るんかよ」と腰抜かした人も多い、ある意味「事件」でした。
そんなKPEは参入一年目こそ「ランブルローズ」のリリースのみでしたが、それでも「やっぱコナミは自社IPのスロ化で来たか」と、パチスロファンの間にまだ見ぬ名作ゲームのスロ化を予感させてくれたのでした。
が、その予感は意外な形で裏切られることになります。
参入翌年の2007年「あっぱれ応援団」を皮切りに「トレジャーパイレーツ」「女ねずみ小僧ただいま参上!」「マジカルハロウィン」「ツインビー」「サンバXサンバ」を矢継ぎ早にリリースするも、ご覧の通りゲーム原作は「ツインビー」の一本のみ。
更にこの中に後の世に残る名作「マジハロ」があったことにより、誰の頭の中にも幽かにあったであろう「人気ゲームを適当に切り売りして楽に稼ぐつもりかな」というモンキー・ビジネスの予感がバキバキに打ち砕かれることになったのでした。
おい、コナミ本気じゃねぇか! と。
KPE自体はやや多作なメーカーだったんですが、その中で自社のゲーム版権をスロ化したのは実はそこまで多くはなくリリース機種の大半はパチスロオリジナルの作品であり、「マジハロ」「スパイガール」「G1優駿倶楽部」はスロオリジナルでありながらシリーズ化を果たしています。
もちろんゲームのスロ化作品「麻雀格闘倶楽部」と「戦国コレクション」シリーズが現在も稼働しており今後もリリースされ続けると思いますが、その例でいうと、KPEの強みである「コナミの有名ゲームのスロ化」が最も効いてたのはこの「悪魔城ドラキュラ」シリーズだったんじゃないかと思います。
KPE/5号機/2009年
スロがゲームを補完する!
機種のスペックはボーナス+ART。ARTは継続率タイプになっており、最大ループ率は99%。無限に続くじゃんと思うかも知れませんがこれはボーナス間の値です。99%は実質次回ボーナス確定みたいな感じだと思っとけばOK。
んでこれ継続ジャッジが北斗のバトル演出みたいになってて、特定の攻撃が当たったり耐えたりすると◯%以上が確定! みたいなのがあり。さらに10連以上してる時の一部で音楽が変化するというユワッシャーな楽曲変化システムもあり、しかも変化先が懐かしのファミコン音源という色々突き抜けた作品になってました。
通常時は「十字架」を貯め、その個数によりART突入率が変化するというシステムあり。十字架はそこそこ重い代わりに6つでMAX、かつ5つと6つでは価値が雲泥の差という懐かしの「フィーバーゴースト」とか、今で言う穢システムにちょっと近いものが採用されてました。
これにより「十字架エナ」というラノベのヒロインみたいな名前の立ち回りも可能であるほか、そもそものゲーム数天井がかなり強力ということもあって、当時はスロ屋に行くたびにこれのゲーム数と十字架チェックをやってた人は多かろうと思われます。
でこいつは演出の出来もすこぶるよくサキュバスさんの造形もたいへんエロく、かつ忘れちゃいけねぇのが「楽曲の良さ」です。特にボーナス中の曲である「trezire de spirit」はパチスロ界屈指の名曲であり、同じく「悪魔城ドラキュラIII」の曲と併せて好きなパチスロBGMに頻繁に名前が挙がります。
要は「システムよし」「演出良し」の名機でありまして、さすが貯めに貯めて出したコナミゲー名作のスロ化といった風情があったもんです。
んでこれ高設定域のスペックは爆裂よりだったんですが低設定は単純に超絶キツく、俺はハイエナ以外では勝った記憶がほぼありません。
んでこの「勝った記憶がほぼないけど打っちゃう」というのは続編の「II」および「III」にも共通することであり、そういう意味ではやっぱおっさんホイホイの機種だったんだろうなと思います。
続編でねーかなぁ……!(ロードオブシャドウは1回忘れます)
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