世にも奇妙なホールでの物語
これは僕が10年前のG.W.に地元で体験した不思議な話である。
当時、僕は3月で仕事を辞め、ホームヘルパー2級の資格を習得するために職業訓練校へ通う日々を過ごしていた。
そんな時期のG.W.。学校が休みで毎日暇をもてあます中、僕には楽しみにしている日があった。それは5月5日。実は地元に「5」が店名についているホールがあり、5月5日はいわゆる年イチの特定日。普段は学校があるからなかなか参加する事はできないが、このホールの5がつく日がアツいのは友達から聞いて知っていた。そんなホールの年イチ特定日に参加できるまたとない機会。僕は本当に楽しみにしていた。
朝6時。先着順入場のホールだったのでパチスロ生活者の友達と早起きして向かうと、すでに100人近い人が。人が多い=アツいってことだろう。僕たちはドキドキしながら開店を待った。
そしてついに開店時間。僕たちが向かったのは、ジャグラーのシマ。友人が常連さんから仕入れた情報によると、前年はジャグラーのシマは半456ぐらいあったとの事。当時の僕は、ジャンキージャグラーの音が好きだった事もあり、ジャンキージャグラーを確保して意気揚々と打ち始めた。
1時間後、店内には早くも不穏な空気が漂っていた。人が多いからほとんどの台が回されているが、良さそうな台が全然ない。もちろん僕の台もボーナスが重い。さらにART機で据え置きの台が複数確認されているらしい。
「今日ヤバいんじゃないか?」
頭にこんな考えが浮かんだ。しかし僕にとっては楽しみにしていた1日。そんなわけはないと打ち続ける事にした。
そしてさらに1時間後、周りがどんどん空き台になっていき、僕は現実を見ざるをえなくなった。そう、この日このホールは盛大にガセっていた。もはや高設定なんて存在しないだろうというレベルでだ。
さすがにこのまま打ち続ける事はできない。僕たちは肩を落としながら家路につくこととなった。
これで終わればこの話はただの年イチ特定日って言葉に騙されただけの話だ。しかしこの話には続きがある。
実はこの後、僕は数回このホールの5がつく日、さらに翌年の5月5日にもこのホールに行っている。その結果は、めちゃめちゃアツかった。翌年の5月5日はジャグラーのシマに関していえば、半456どころか全456いってもおかしくはなかったのだ。
その後、僕は上京してこのホールに行くことはなくなるのだが、地元の友人に話を聞くとその後も5がつく日はかなりアツかったらしい。
だからこそ不思議なのだ。
あの年の5月5日は一体なんだったんだろう?
これが僕が体験したG.W.の不思議な話だ。
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