さて、今週もみんなの妹ライター、ジャイロ(47歳・男)がパチンコ新台を語るお時間である。

今回は3月3日に導入された京楽の新台「P 俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」を語りたい。

さすがは京楽。さす京である。

パチンカーが暴力的な出玉のスランプに疲弊しきっている中で、LT搭載ながらも遊びやすいスペックの機械を作ってくれた。

大当り確率は1/199、チャージはない完全なライトミドルですべて図柄揃い。図柄が揃えば必ずSTに突入して、LTに入らずとも遊べそうなスペック。

演出もまったりしたスペックに合わせた楽し気な雰囲気で原作をうまく活かしており原作ファンからも受け入れられている。

ヒリつく台、生きるか死ぬか死ぬか死ぬかみたいな台だらけの中、このような台は救世主となってくれる……はずだった、かつてのパチンコ業界なら。

しかし今はパチンコの状況が若干好転したとはいえ、相変わらず食えるレベルの台はまったくみかけない。そんな中でこのような「堅い機種」が回されるか？ というとやはり期待はできない……だろうなあ。

そしてこれはおそらくだが、大半のプレイヤーが味わう気持ち。

「(出玉が)物足りねえ」

堅い勝負、ちまちまとしたパチンコやスロットが好きな自分でさえそう感じてしまったので、もともと荒い台を好むユーザーが多いパチンコ業界。激荒LTに全然遊べねえとか文句を言いながらも悲しいことに脳は激荒LTに調教されちゃってるんだよ。

もろもろ考えるとさすがに大ヒットは難しそうである。そして京楽もそれはわかっていたのかもしれない。それでもユーザーが荒波に疲弊している時代にこういう遊びやすい台を出してくれるのはありがたい。

今思えば2011年のCRびっくりぱちんこ銭形平次withチームZの時もそうだった。MAX機全盛で1/400に当選しても1玉も取れない突通でデータランプがピカピカしただけで終わったりなんていう台だらけだった時代に、1/199で100％ST突入の銭形を超ヒットさせて、その後もスケバン刑事、プロポーズ大作戦、そして初代AKB48と大ライトミドル時代を築いたんだ。

昔から京楽はユーザーのことを考えた商売をしてくれてるんよな。親機の不満がスペック違いですぐ解消されてたりね。最近でもステージが無い機種というチャレンジで賛否両論あったが評判が悪いと見れば次作ではすぐにステージを付けてきた。こういうフットワークの軽いファン思いなところが京楽の大きな魅力だよ。

さて演出面だが、演出ってのはやっぱ「出玉力」に比例して興奮度も変わるもんだなと痛感した。まったりスペックだと「うひょおおおおおおおお」とテンションがめちゃ上がることもないものだ。なので原作をよく知らない自分から見ると演出バランスは良くもなく悪くもなく、って感じだ。知らなくても原作を大事に作っている感じは伝わってくるので、人生相談やリーチで出てくる演出に「これはあの場面の！」って興奮できればもっと楽しめただろうな。

LTも搭載していて出玉も決して弱くはない。ただし超強力な部類ではない。そしてLTに入らなくてもそこそこ遊べる。このような台がしっかり回される「ぱちんこの世界」になってほしい。こういう「LTに入らなくても遊べそうなLT機」って今時はほぼ間違いなくガチガチで遊べない状態になっちゃうんだよな。

また低交換時代になんねーかな、マジで。こういう台は3円以下じゃないと活きないんだよ(´;ω;｀)