
過去の「隣に座ったヘンな客」はコチラ
チワッスあしのです!
ホールで出会った奇抜な隣人を紹介するこちらの企画、今回はお盆にちなんだ話をばひとつ。
夏になると、筆者が住んでる地域では、日本有数の規模を誇る花火大会が開催されます。
当日は家の近所の公園からふつうに花火が見えるんでそこだけ切り取れば「なかなか風雅だな」とか思うんですが、実際のところ住民からすると「混雑」の意味で、なかなか厄介な一日だったりします。
特に今年はコロナ明け一発目の開催ということもありその混雑っぷりたるやエグい事になるのが事前に分かっており、蓋を開けてみりゃ翌日にはそのカオスを報道するニュースが全国報道されてたんで予想としては当たってたんですけども、筆者なんかはその対策のため、「今晩は家から出ない!」と予め宣言し、晩飯とビールを買い込み、テレビで中継を観ながら嫁さんとマッタリ過ごしたお陰で妙なトラブルに巻き込まれたりイヤな思いをすることもなく、我ながら慧眼であったと思います。
んでまあ花火が打ち上がってるまさにその時刻は良いとして、アレなのがその日は大会開催時刻よりも随分前、なんなら午前中から街が混んでたんですな。
花火と一切関係なさそうなパチ屋においても激混みでして、筆者が様子を観にいったところ、まあ普段はパチ屋に入らなそうな、浴衣姿の若いひとが普通に店内を練り歩いており、しかも椅子に座って台に向かってるパチンカーやスロッターを「うわーコイツら何しとん」みたいな顔で、まるで珍獣でも見るような感じで見物しとるわけです。
言わずもがな、彼らは単純に「涼みに」あるいは「タバコ吸いに」もしくは「トイレを借りに」パチ屋に来とるわけで、それ自体は別にいいんです。
この辺のスタンスは法人によっても違いますが、「トイレだけの利用はご遠慮ください」みたいな偉そうな掲示を筆者はついぞ見た事がありませんし、多分そういう、すすんで地域の輪から抜けるような方針を取るホールは今の時代は即閉店で当たり前です。
元々が嫌われモンである以上、ほとんどのホールはお題目として「地域貢献」や「密着」を掲げてますけども、それに照らして「お祭りの日にトイレを使っていただく」「喫煙所に寄っていただく」「熱中症対策のために涼んでいっていただく」みたいなのはむしろ「是非に」というところですし、それ自体は本来バッチコイなのであります。
ただこの「花火大会」というのはいただけない。
浴衣は入場禁止にしよう
カップル向けなんですこれ。
しかも若い連中のイベントであります。
この辺は渋谷のハロウィンも同じ部分があるかも知れないんですけど、当日あっちのホールは見てないんで知りません。
が、少なくとも筆者がこの目で目撃した隅田川花火大会当日のホールは、なかなか示唆に富むものでした。
まず「ハナビ」「花火絶景」を打ってる客が多かったのは置いといて、筆者が例によって「ハードボイルド」で5000円くらい溶かすという日常のルーティンを終えたあとに喫煙所で一服しておると、そこで、なんかもう真っ白な肌に金髪で、お前の耳たぶミシン目ついとんかってくらい大量のピアスを装着した男と、前髪がスカスカのスダレみたいな髪型の若い女が、二人して浴衣姿で情熱的にイチャついておるわけです。
女の方から男の腰に手を回して、背伸びしてチューするとかいうシーンを、筆者は現実世界で初めて目撃しました。
おい! やめろ! ここホールの喫煙所だぞ!
店内のスピーカーから流れるBGMは北斗の拳の「愛を取り戻せ!!」であり、そして喫煙所のすみでは、草臥れた格好の爺様が「あんた一体幾ら負けたんだよ」と問いたいくらいの、今にも萎みそうな形で肩を落としてウンコ座りしつつタバコを吸ってまして、そこだけ切り取ればいつものホールなんですけども、その中において若い二人のラブシーンはあまりに異質で、かつ眩しすぎました。
喫煙所には見知った常連客の方々も多かったですが、みな一様に、なんか痛みに耐えるように目を伏しており、犬歯でタバコのフィルターを噛み締めながら、キャッキャウフフと繰り広げられる、ありし日に絶対にあった、そしてもう二度と戻らない「青春」の残り香を強制的に嗅がされる拷問に耐えておった次第です。
もちろん筆者もね。
喫煙所やトイレを開放するのは全然いいですし、それが地域貢献なのも分かってますが、その上で言いたい。
来年の花火大会は浴衣入場禁止にしようぜ。
痛いもん。
なんか胸が。
まだ痛いもん。
皆様の体験談を大募集!
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