前々回と前回（第136～137回）は「午後6時時点で5万円負けている場合」のシミュレートをしたが、今回はその逆。5万円勝っている場合について考えてみよう。

以下のような条件を想定してみた。

【想定条件】
・12時間打った場合の期待収支がプラス2万円の台を打っているものとする。
→午後6時時点で5万円勝っている場合、以降の展開はどうなるか？

【詳細条件】
実戦機種…エヴァンゲリオンTypeレイ
貸玉料金…4円貸玉・4円交換
実戦台…21.0回／千円（期待収支+20300円）
営業条件…23時まで営業（22時ヤメ）
現在の状況…午後6時時点で5万円勝ち（その時点の持ち玉分―総投資額で収支を計算）

本連載読者の多くはすでにご存じかと思うので結論を先に言ってしまうが、期待値以上勝っていてもヤメずに打ち続けるのが正解だ。

12時間でプラス2万円の台ならば時給1667円のプラスになる。残り4時間あるのだから単純に1667×4＝6667円のプラスになる。ここでヤメてしまえば+6667円の期待値を捨てることになるから、ヤメるのは損。

…と理屈では解っていても、現実には勝ち分の大半が消えてしまう場合もあれば、さらなる大勝ちに発展する場合もある。やはり展開は気になる。シミュレート結果を見ていこう。

まずプラス5万円勝ち額がさらに上乗せさせる確率は49％。

…んっ？

5割をわずかに切っている。つまり勝ち分を減らしてしまう可能性の方がわずかに高いのだ。それなのにヤメずに続行する意味があるのか？

では、勝ち分が2万円以上増えてプラス7万円以上になる確率は…34％である。約3回に1度はプラス7万円以上になる。

逆に、勝ち分が2万円以上減ってプラス3万円以下になってしまう確率は…33％である。つまりプラス5万円から2万円増しになるか、2万円減になるか、その確率はほとんど同じになる。

それでもまだ打ち続ける意味があるのか？

それならば、勝ち分が5万円以上増えて+10万円以上になる確率は？　16％（約6回に1度）である。一方、勝ち分が5万円以上減って、マイナス収支になってしまう確率はというと、なんと0％！　残り4時間で5万円以上負けることはほぼあり得ないのだ。

つまり打ち続けて何がトクかというと、10万円勝ちの期待はそれなりにあるのに、5万円全滅のリスクはほぼゼロなのだ。この差はデカい！

午後6時にヤメれば5万円の勝ちは確定する。しかしそこで、「してやったり」とほくそ笑んでいるようでは永遠の初心者である。

勝ち額5万円勝を少しでも上乗せしたいと期待するならば肩すかしを喰らうもしれない。しかし、たまに訪れる大勝ちをモノにしなければ真の期待値勝者にはなれないというわけだ。