※過去の「栄光なき名機たち」記事
チワッス、あしのです!
パチスロ界に燦然と輝く名機たちの傍らでひっそりと咲く佳作を紹介するこちらの企画、今回は2002年にサミーがブチかました「ハクション大魔王」について。
4号機と現在のパチスロの違いは無数にありますが、最も大きな違いの一つにビッグボーナスの仕組みがあります。
現在のビッグボーナスは終了規定が払出枚数によって管理されているのに対し、4号機は「期待値方式」というものになっており、何枚で終了! みたいなのは厳密には決まっておらず、ざっくり「30Gの小役ゲームと3回JACINで終わり」というものになっていました。
したがって小役ゲームで何枚取れるか、いつJACINするかなどで獲得枚数がかなりブレたわけです。
この「ビッグの獲得枚数がブレる」というのを最大限に生かした仕組みが「ツインBB」という考え方で、要は小役ゲーム中に毎ゲームメイン小役が成立する代わりにそれを押し順方式にし、ナビのある・なしで枚数に差をつけてたわけですな。
獲得枚数が違うビッグ、という考え方自体はマックスアライドの「風神雷神」(1999)が最初でしたが、それを一般化したのは「ナイツ」「功夫淑女」など山佐の機種群で、AR等と組み合わせ爆裂機にしたのは「ディスクアップ」「ハードボイルド」だと思っとけばそんなに外してないです。
んで今回の「ハクション大魔王」もそのひとつ。こいつはアルゼの「コンチXXXX」などと同じくツインビッグとATと組み合わせてさらに出球にメリハリをつけてる感じではありましたが、ビッグの獲得枚数が多い分、よりボーナス性能に偏重した、ツボれば凄い機種でありました。
サミー/4号機/2002年
世界一適当な名称が素敵だった
そんなツボれば凄い機種、だったハクション大魔王のATは「つぼつぼチャンス(つぼチャン)」とい名前であり、その前段階であるチャンスゾーンの名称が「ドキドキタイム」でした。
ドキドキタイムは後段の「つぼ」と「土器」を掛けてるんだと思いますが、そう考えるとドキドキタイムの方はダブルミーニングになってて凝ってるのに対し、本チャンのATの名前はあまりに適当で逆に面白く、この辺のセンスはさすがだなという感じ。
ちなみに筆者の友達に「坪井」という男がいてずっと「ツヴォイ」というジャーマンメタルのシャウトみたいな渾名で呼ばれていたのがこの機械の登場を機に「つぼチャン」という逆に普通の呼び名になったのはちょっとした奇跡だったと思いますがそれはおいといて、とりあえずこの機種の何がすごかったかというと「AT機のくせにゾーン狙いが可能」だったんですな。
これ通常時に大体1/195~1/109成立する「がまぐち」図柄を揃えるたびに前述の「ドキドキタイム」ゲーム数を上乗せしていき、ボーナスを消化したのちにそれを一挙放出、ドキドキタイム中に再度「がまぐち」を揃えるとATへ、という仕組みになっていました。
だったらハマってるところを狙えばいい、という単純な話になるんですがこの機種の場合は「ドキドキタイム天井」なる仕組みがあり、前回のドキドキタイム終了後一定のゲーム数で強制的に溜まってるドキドキタイム+20ゲームを放出します。
その一定のゲーム数というのは概ね400G。つまり400の倍数がチャンスなのデス!
と、いきなりドンキホーテ風の口調になりましたが、これはシステム的にもガチの話であってしかもこれドキチャンに入ったらその間に再度がまぐちを引けば抽選でもなんでもなくそのままATに突入する。
連チャンの仕組みはちょっと複雑なので割愛しますが、通常時のドキチャンからでも大連チャンに繋がる可能性は普通にあり、とりあえずこの機種はその部分を積極的にねらうべき台だったんすな。
ATなのにこれだけ特定ゲーム数狙いの立ち回りが効く機種というのもあんまり無かった気がします。
ちなみにコイツの設定6はエクストラ設定になっており、バカみたいに爆裂することで知られていました。
公称の出玉率は119.9%と当時の上限値になってますが例によってそんなワケはなく、おそらくこれはビッグ中の押し順ナビを全無視した数字のハズ。
一説によるとそれを加味した出玉率は155%オーバーだったとか。
なお爆裂のイメージがある4号機の大量獲得機~AT機の時代でも150%を超える機種は10種類くらいしかありません。
で、当時においてその数少ない機種のなかに「サラリーマン金太郎」「ゴルゴ13」そして「ハクション大魔王」とアニメ・漫画タイアップ機種が3機種もあるのは地味に注目すべき出来事で、そういうのが少なかった当時において、タイアップ機種というのがいかに大事に扱われていたかの証左だなぁと思いました。
史上もっとも売れたパチスロ機も「北斗の拳」ですし、ね。