
あのメーカーは今!?⑦ 奥村遊機
はじめに
虚心坦懐の「あのメーカーは今!?」、第7回。
1998年の「加トちゃんワールド」に始まり、「CR旅芸人モンキッキ」「新・弥次喜多ワールド」「CR華牌・井出洋介の華麗なる麻雀」などのマシンで甘デジというジャンルを確立し、シリーズ機では「うる星やつら」「笑ゥせぇるすまん」などがヒットした奥村遊機。


ただ、今「うる星やつら」シリーズはニューギン、「笑ゥせぇるすまん」シリーズはサンセイR&Dからリリースされていますよね……奥村遊機ってどうなったの!?


今回は、かつてのパチンコ人気メーカー奥村遊機についてお話しします。
奥村遊機
奥村遊機の前身にあたるのは、実はパチンコ店。名古屋市大須に店を構え、後にブランド名としても使われる「モナコ」でした。1947年に名古屋市内で創業し、3年後の1950年にはパチンコ機の製造を開始。その流れで1957年に奥村遊機株式会社設立となりました。
時は流れて90年代、大連チャン機時代となり、奥村初となる液晶機「ナンパ大作戦」や、江川達也氏がパネルイラストを手がけた「ドリームグランプリ」が人気に。

権利モノでは美麗ドットの「スーパーカブキ」シリーズや「CRサーカス3」、デジパチでは名機「CRヤジキタ」、一般電役では「マジカルランプ」など、次々とヒット機を生み出しました。



5回リミッター規制に突入するとヒット機に恵まれない苦しい期間となりましたが、98年に1/67の初当り確率となる同社初の甘デジ「加トちゃんワールド」を発表すると、ここから奥村=甘デジの歴史が始まりました。

奥村の甘デジと言えば、2005年に登場した「CR黄金ハンターSTF」。この台、大当りラウンド中にリンドバーグの今すぐKissMeが流れるのですが、最大4Rのため、サビが流れる前に大当りが終了してしまうという致命的な欠陥(?)がありましたね。

巨星、堕つ…
しかし、ここから甘デジのヒットはあるものの、ホールでのメイン機になるようなヒットには全く恵まれなくなりました。「CR華牌・井出洋介の華麗なる麻雀」等の甘デジは多少ヒットしたものの、大半の機種はシマでの設置は非常に少ないものでした。

そうして苦戦を強いられていた2015年、「ぱちんこCRアミーゴDEそーる」を最期に負債総額約50億円で名古屋地方裁判所に自己破産を申請し、破産手続へ。そして2年後の2017年、法人格は消滅し、奥村遊機はその歴史に幕を下ろしました。
まとめ
虚心がパチンコを始めた頃は「パチンコメーカーは潰れない!」と言われていたので、正直、奥村遊機が倒産した際は驚きが隠せませんでした。倒産のニュースに触れ、当時追悼の意味も込めてコーエーテクモのチームNinjaとコラボした台「ニンジャガイデン」のスピンオフ的な作品「ぱちんこCR三姫繚乱~麗しき闘い~」を打ちに行ったのを覚えているなぁ。この機種、めっちゃ良いのよ!! レイチェルのスタイルが(笑)。

今なお見かける、懐かしき「華牌」や「ヤジキタ」の演出をオマージュしてくれるメーカーには、正直感謝しかないですね。
(C)高橋留美子/小学館
(C)藤子(A)・シンエイ・中央公論新社
(C)コーエーテクモゲームス (C)コーエーテクモウェーブ