※過去の「栄光なき名機たち」記事
チワッスあしのです!
パチスロ界に燦然と輝く名機のそばでひっそりと咲き誇る佳作を紹介するこちらの企画、「北斗シリーズ」の振り返りラストの一本は5.5号機の「北斗の拳 新伝説創造」です。
発売元は勿論サミー、導入日は2017年の9月。
5号機・サミー/2017年
同じ年の11月には5.9号機初のART機である「戦国コレクション3」がリリースされておるなどしており、タイミング的には「5.5号機の最終盤」のいわゆる「駆け込み申請機」と言われております。
駆け込み申請機というのは「もうすぐ不利な(売れなさそうな)基準で作らにゃならなくなるんで、その前にいっぱい適合を受けて隠し持っとく」というもの。
遊技機のルールが「厳しい方に」変わる際は得てしてこういう「ギリギリまで前の基準の機種を新台として出すため」の戦略が取られ、これらを「駆け込み申請機」と呼びます。
わざわざそんな事しなくても5.5も5.9も同じ5号機だし大して変わらねぇだろと思っちゃいそうになるのですが、実際のところは全く別ものであり、その最たるものが「有利区間の存在」でした。
6号機の世になった今となってはついてて当たり前の「有利区間」なんですが、登場したのは5.9号機なんです。
ちなみに当時の有利区間は現在のものと大きく違い「枚数」による制限はナシ、ゲーム数は1500Gでした。
お、枚数による制限がないってステキじゃんみたいに思えますが、1ゲームあたりの純増枚数の基準は5.5号機と同じく2枚で残ったままなので、たとえ1500ゲームまるまるARTを消化できたとて3000枚で打ち止めです(実際は有利区間の滞在比率も70%までと決まってるのでオール出玉区間は無理)。
要するに5.5号機の「低純増」というネガティブポイントと6号機の「有利区間」の概念をダブルで併せ持っている不遇な基準により作られる事になったのが5.9号機なんですな(※『ルパン三世 世界解剖』は高純増5.9号機ですがこれは反則技なので除外)。
従って2017年の8月から9月にかけては「新伝説創造」を含む40機種近くの5.5号機がズドドドっとリリースされており、筆者なんか「そもそも設置を見たことがねぇ」みたいなのもかなりあります。
なのでこちらは「北斗」ブランドでありながら「たくさん導入された5.5号機ラッシュのなかのひとつ」というイメージを持たれてる方も恐らく多いであろう、やや不遇な扱いの機種でした。
作りとしては隙がない
システムとしては「バジリスク」シリーズにやや近い感じの擬似ボーナス(CZ)突破式ART機。
通常時のシステムはシンプルに中段チェリーを含む強レア役でモードを上げて行く系で、とりたてて分かりづらいところはなく、強いて言うなら「夜状態」なるCZの突破濃厚区間を搭載しているところ。
出玉区間はベルナビ7回のCZ「宿命の時」と30GのART「激闘乱舞」で構成されており、前者の突破率はメーカー発表値でだいたい40%くらい。
メインARTである「激闘乱舞」は継続率によるループ抽選とセットストックで伸ばしていくタイプで、ストック率が優遇された上位ARTである「激闘乱舞TURBO」やゲーム数上乗せ特化ゾーンである「EX乱舞(TURBO)」を備えるなど、作りとしては隙がない感じでした。
しかし5.5号機ということもあり純増が1.9枚しかなく、しかも二段階抽選を突破した上でやっとこ入るメインARTが1セット30ゲームしかないため、ちょっと下振れするとセットあたり50枚くらいしか取れねぇという「辛い」イメージが先行。
さらにバジリスクっぽいCZ突破システムと北斗のイメージがあんまり噛み合わず、ユーザーからの評判は決してかんばしいものではありませんでした。
実際設定6の割は高く、好んで打ってるプロの方も多かったようなのですが、まだ高純増機が生き残ってる段階で1.9枚の30Gセットループは流石にダルいと感じられる事も多く、この辺は見せ方の問題もあったのかも。
せめて「コレしか無い」みたいな状況ならまだ違ったんでしょうけども、前述のように大量の機種が同時機に稼働開始していたというのも、イマイチ盛り上がりに欠けた要因だったのかもしれません。
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