※過去の「栄光なき名機たち」記事
チワッス、あしのです!
パチスロ界に燦然と輝く名機の傍らでひっそりと咲く佳作を紹介するこちらのコラム、今回は2010年にサミーが放り込んだ「ポパイブリッド」について。
まあパチスロで「ポパイ」といえばほとんどの人が4号機のやつを思い出すでしょう。なんせいろんな意味で知名度が圧倒的に高い。
当時は「北斗の拳」の爆裂大ヒット中で、サミーも北斗の増産に忙しくて他の機種を作ってる余裕はほぼありませんでした。
当時から今までの発売スケジュールを確認してみると、サミーはおおむね年間7~10機種程度をぶち込んでおりパチスロメーカーのなかでも比較的多作なんですけど、2003年11月に「北斗の拳」が出てからは既に営業期間に突入してたであろう「ワンタッチャブルF」をリリースしたのを最後に、なんと13ヶ月ものあいだ新作の営業をストップしてたんですね。
おそらくですけどサミーがまる一年以上新作を出さなかった年というのは一号機以降(たぶん)初であり、だからこそ市場は「北斗の次は一体何がでるんだよ」とめちゃくちゃ期待してたし注目してたわけですね。
んで出たのが「ポパイ」だったと。
正直「北斗の後の機種」というのは十字架として重すぎます。こんなもん何が出ても「面白い」「さすがサミー」となる訳がないところに、まる一年以上空いてる間に規制も進んでますからね。
なのでポパイがどうのというより、状況があまりにも悪すぎました。
というわけで、ポパイはいまでこそある程度再評価(?)がすすんでますけど、現役稼働当時は「そこまでいわんでも」くらいボロクソ言われており、パチスロ史上もっともボロカス言われた機種の第二位くらいにランクインしてんじゃないかなと思ってます(一位は北斗2Gだよね)。
んでそういう背景があるんで「ポパイ」という名前を苦々しく思ってる店舗関係者も多いと思われ、プロモーション的にももう続編が出ることはねぇだろうなと誰しも思ってた2010年にスッとぶち込まれたのがこちら、「ポパイブリッド」ですな。
これ発売予定表を見て「おいポパイでるぜ」ってビックリした人も多いと思いますし俺も「おっ」て思いました。
普通ならああいうことになった機種を出そうとはなかなかならないと思いますし、なんかサミーの思惑というか、よっぽど勝算があってぶち込むんだぜみたいな、そういうのを感じた人ももしかしたらいるかも知れません。
俺もそういう背後のストーリーみたいなのを勝手に想像して「なるほどね」と難しい顔するのが好きなタイプなので、コイツに関しては「とうとうサミーが動いたか」みたいな感じでアゴを擦りながらウンウン頷いてたんですね。
そんで蓋を開けてみたところ、コイツはまたしても、なんとも判断に迷う出来になってました。
サミー/5号機/2010年
謎に119.9%あった
はい、コイツはセット管理タイプのART機で、突入ナビの回数をストックするタイプでした。ゲーム数は20Gで、ART自体の純増は1枚程度。基本的にはボーナスで出玉を積んでいくタイプです。
こう聞くと同じくサミーの「快盗天使ツインエンジェル2」(RT機だけど)とかKPEの「マジカルハロウィン2」とかを思い出す人がいるかもしれませんが、そうっすね、だいたい同じです(アゴこすりながらうなづく)。
しかもツインもマジハロもいわゆる【萌スロ】で、当時はそっちのキャラ展開およびブランド化というのがバリバリに進みつつあった時期と重なります。
ツインはロリロリのキュンキュンでありマジハロはボインボインのブリリンプリンという、方向性こそ違いますが向いてる方向は概ね同じであり、それに関しては時を経た現在、令和においても何も変わんねぇのはご存知の通り。
ポパイブリッドは、そんな2機種となんかちょっと打感が似てたんですね。
そして似ていながら、こっちはケツアゴの海兵が主人公であり、世界観がまるで違うわけで。
俺はポパイ好きですよ?
ですが、やっぱりCZ突入ゲームでの押し順ナビなし時は択を当てて「カボチャーンス!」とか「エンジェルタイムー!」って言ってほしいっすよね。
まあまあそっけない感じで「ブルート追跡モードッ」って言われても「おいす」ってなるだけだもん。
ポパイでやるならやっぱサミーにとっては悲しい過去だったとしても「ポパァイチャァンス!」ってテンション高く叫んで欲しいし、3ゲームに1回くらい「なんだなんだ?」って言ってほしい。
すくなくとも俺はそういう台を期待してました。
いまからでも遅くないんで、「ブリッド」じゃない純粋なポパイの続編を是非お願いしますサミーさん。俺は打つぜ!!
で、ブリッドの良い所なんですけど、こいつ謎に高設定が爆裂仕様になっておりこの時期としてもそんなに数は多くない119機(設定6の機械割が119.9のやつ)のひとつとして知られてます。
そこだけはロリロリキュンキュンやブリンブリンのバインバインの2機種より遥かに優れており、さすがワールドワイドで有名な原作の貫禄を見せつけておると言わざるを得ない。
あとBIG中の歌がいいです。歌っていうか声? 女性ボーカルなんですけど、ちょっとキュンキュンな感じでそこだけ萌え台でした。
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