
皆さん、こんにちは。ジェイさん@発信する遊技機クリエーターです。
ホールでパチスロを打つ際、同じ機種名なのに見た目が全然違う機種に遭遇したことはありませんか? 今回のコラムでは、この「パネル違い」について、パチスロ開発者の視点からお話してみようと思います。

【大原則】「パネル違い」でも中身は同じ!
まず、皆さんにお伝えしたい大前提があります。それは「中身は同じ」ということです。
パネルが違っても、出玉性能や演出頻度など、パチスロの内部的な仕様には一切違いはありません。つまり、遊技における性能、例えばボーナスの確率やATの継続率、出玉の波といったものは、どのパネルを選んでも全く同じです。
では、なぜ「パネル違い」の機種が存在するのか? それはズバリ、ヒット機種の証だからです。
近年の人気機種を例に挙げると分かりやすいでしょう。例えば『スマスロ北斗の拳』、そして『スマスロモンキーターンⅤ』など、これらの機種は、皆さんもご存知の通り、長期的な大ヒットを記録しました。
一般的に新パネルが登場するタイミングは、導入からしばらく経ってからの増台(再販)時がほとんどです。
ホール側は人気機種をより多く設置したいと考えますし、メーカー側もその需要に応えたい。その際、単に同じ台を再販するのでなく、新しいパネルデザインで投入することで、ユーザーに新鮮さを提供し、ホールにとっては新たな設置意欲を掻き立てる狙いがあるわけです。
つまり、新パネルが出るということは、その機種が市場で高い評価を受け、継続的に需要があるという何よりの証拠なのです。
「パネルで出玉の波が違う」の真相
ここでパチスロファンの方なら一度は耳にしたことがあるであろう、こんな噂について触れておきましょう。「あのパネルの台は荒波だ」「このパネルは安定する」といった、パネルによって出玉の波が違うという話です。
前述の通り、内部仕様は同じなので、パネル違いによって出玉の波が変わることはありません。では、なぜこのような噂が立つのでしょうか?
その背景には、ホールにおける設定状況の違いが大きく影響していると考えられます。
新パネルが登場する機種は、基本的に大ヒット機種です。ホール側もこれらの人気機種には力を入れたいと考えます。特に新パネルの増台時には長期的な運用を見据えて、通常の新台導入時とは異なる、いわゆる「特別な扱い」をすることがあります。例えば、普段よりも高設定を多く投入したり、ベース設定を変えたりといったケースです。
ただしその一方で、『ディスクアップ』のように打ち手の技術介入レベルが上がっていき、ホール割が最初の導入時より上がってしまった機種に関しては、新パネルではカラく運用されるというケースもあります。

その結果、新パネルの台を打った際にいつもと波が違うなと感じたりすることがあるということです。これは、パネル違いそのものが影響しているのではなく、その時々のホールの設定状況によって体感的に出玉の波が違うように感じる傾向にある、というだけです。
新台導入時の特殊なプロモーション戦略
最後に、ちょっと変わったパネル違いの事例を紹介します。
『Lゾンビランドサガ』では、新台導入時から佐賀県限定のご当地パネルが登場しました。近年、パネル違いは増台時に登場することがほとんどですが、この機種は導入時から地域限定のパネルを展開するという、非常にユニークな試みが行われました。

アニメの舞台が佐賀県であることにちなんで作られたこのご当地パネルは、新台導入時の話題性に貢献しました。本コンテンツならではの企画であり、ただのパネル違いではない、遊び心とプロモーションを兼ね備えた新しい可能性を感じさせる事例といえます。
パネル違いにはこだわりと遊び心が詰まっている

近年のパネル違いは、初期パネルではなかなかスポットが当たらなかったサブキャラクターに焦点を当てたり、既存のデザインを大胆にアレンジしたりと、開発者の遊び心やこだわりが詰まったものが多く登場しています。単なるデザイン違いではなく、それぞれのパネルに込められたメッセージやストーリーを感じ取れるものも少なくありません。
次にホールでパネル違いの機種を見かけたら、ぜひパネルのデザインの違いにも注目してみてください。きっと、新たな発見に出会えると思います!
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