※過去の「栄光なき名機たち」記事
チワッスあしのです!
パチスロ史に燦然と輝く名機たちのそばでひっそりと咲く佳作を振り返るこちらの企画。
今回は2008年にサミーが放り込んだ異色のタイアップマシン『パチスロ桃太郎電鉄』について。
ハドソンとサミーのコラボは珍しい感じがするのですが何気に2006年時点で『パチスロボンバーマンビクトリー』という前例があり、ご存知のようにリプパンハズシ機の元祖として知られております。
さらにハドソン版権のパチスロを語る上で欠かせないのが2009年に三洋物産が放り込んだ『パチスロ天外魔境卍MARU』で、これはゲーム数消化によるART発動という4号機のストック機のようなゲーム性を再現することに成功しており、こっちはこっちで5号機のトレンドに与えた影響はかなりデカい。
『ボンバーマン』と『天外魔境』という、5号機におけるゲームチェンジャーとも言うべき超重要台が両方ともハドソン版権というのは、なんか意味有りげな感じがしますな。
んでその両者に挟まれる形の時期に登場したのが『パチスロ桃太郎電鉄』で、これも非常に面白い台ではあったんですけども、まあ他の2機種に比べると歴史的な意味での重要度は低いっすな。
どんな機種だったか振り返ってみましょう。
5号機・サミー/2008年
割が高いノーマル機としての需要
『パチスロ桃太郎電鉄』はプチRT(演出用RT)搭載のノーマル機、いわゆる出玉区間としてのRTやARTなどは搭載しておらず、ボーナスのみでメダルを増やすタイプでした。
ほぼ同時期に山佐から『パチスロバイオハザード』なんかが出てる事からも分かるように、時代は既にARTの黎明に差し掛かってた時期であり、そのような中にあって大型版権かつリプパンを生み出したサミー謹製の新作ということでピクッとくる部分はあったのですが、蓋を開けてみりゃ演出にこだわった系のノーマル機ということで、やや肩透かしを食らった感じがした人も多かったろうと思われます。
おそらくは「桃鉄」という版権が持つ「遊びやすさ」とか「誰でも楽しめる」みたいな部分をシステム的に再現した結果ノーマルという事に落ち着いたんでしょうけども、その分たしかに演出面はよく出てきており、たとえば透過式の液晶の背後に浮かび上がるサイコロギミックを活かしたすごろく演出などはゲームさながらの面白さがあって非常に面白かったです。
システム面での特徴としてはチャンスリプレイから突入する演出用RTが搭載されている事が挙げられます。
これは「特急ロード」と呼ばれ、突入時には7G間リプレイ確率が上昇しますよ、という感じのもの。
ただこれでメダルを増やす、とかはなく、あくまでも演出用となっていました。
これ系の純増がないあるいは微減のRTはさっさとボーナスを揃えちまうのが正解なのですが、コイツの場合BIGだけで4種、REGを含めれば8種のボーナス図柄組み合わせがあり、おそらく最適手順でやっても成立ゲームで揃えるとかは無理でした。
ゆえに多くの人にとっては、図柄告知までのメダルロスを緩和する…みたいな意味でのオマケ要素としてもこのRTは機能していたんじゃないかと思います。
どんな台だったか?
またこの機種を紹介する上である意味最も大事なポイントというのがあって、それが「6の機械割がすげー高い」というもの。
なんと約114%もあり、これは当時のノーマル機としては破格といって良い数字でした。
例えばほぼ同時発売のノーマル機である『スペシャルハナハナ-30』は約108%、『スーパージャックポット』は約107%、無限RT搭載機である『新世紀エヴァンゲリオン~約束の時~』や『バチヘビノッチ』ですら約112.5%程度だった事を考えると、『桃鉄』の6の性能のエグさが分かろうと言うものです。
したがってサミーの目論見がどうだったかはさておき、ファンユーザーであるとか休眠層が好んで打ってたというよりも、筆者の肌感覚ではこれはプロの人が積極的に狙ってたイメージです。
もちろん『桃鉄』の6とかめちゃくちゃ安定してすげー出るわけで、いくらなんでもそんなにポンポン投入されるわけがなく。
なんなら筆者は自分でツモったこと一回もないですし、俺は打ったぜ、という方も結構少数派なんじゃないかなと思います。
面白かったんですけどね。
どうせなら6の割もうちょい低くして1の割をちょっと高くした方が「あそびやすさ」は演出できたんじゃないかなぁと、なんかそんな感じで絶妙に残念な感じがする機種でした。
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