※過去の「栄光なき名機たち」記事
チワッス、あしのです!
パチスロ界に燦然と輝く名機たちの傍らでひっそりと咲く佳作を紹介するこちらのコラム、今回は大都技研の「押忍!操」について。
稼働開始は爆裂ART機がいよいよ市民権を得た感があった2010年でした。
今もそうなんですけどパチスロは一つ何かが流行るとみんなしてそれを追随するのが当たり前になっており、例えば今でいうと「カバネリ」みたいなST機が無茶苦茶増えてます。
所感ですけど、今出てる機種の2つに1つくらいは疑似ボ主体のST機じゃないかな。
しかし2010年当時はそうじゃなくて、各メーカーとも限られた自由度のなかでどうやって面白く見せるか、というのに腐心してた形跡があり、台ごとのシステムの幅がカナリ広かった。
その中にあって、この「押忍!操」という機種は「無限ART」に重きをおいた作りになっており、独特の台が多かった時期においてすら、一層独特の立ち位置を築いていました。
大都技研/5号機/2010年
よく考えるとちっとも無限じゃない
「無限ART」というのは「ボーナスでパンクするART」であり、逆に言うとボーナス間でハマればその分延々とARTを消化できますよみたいな奴のこと。
あくまでも無限なのはボーナスが来ない限りであって、よく考えるとちっとも無限じゃないんですけども、この機種は当時の機種のなかでもボーナス合算値がそこそこ低くなっており、しかもご丁寧にしっかり設定差がついてることから、無限ARTに入った際の爆発力は低設定のほうが高くなっていました。
ARTは有限と無限の二段構えになっており、有限ART中にレア小役などを引くことで昇格、というのが基本的なフロー。
ART自体の突入率を抜きにして考えればこの昇格率は奇数と偶数の差こそあれ高低差はないことから、「設定1でも勝負できる」どころか「事故率が一番高いのが1」という逆転現象が起きてました。
実際当時の機種のなかで「操は甘かった」とか「めちゃめちゃ一杯出た」とかいう人もちょいちょいおられるのですが、それはひとえに設定1を打たされてた人の事故率が高かったからせいなのではないんでしょうかね。
ちなみにオレはというとこの機種を打つたびに大勝利してましたし、なんなら一度6000枚くらい出て「これ打っとけば一生食えるじゃねぇか」くらい思ったもんでありますが、知らぬがホトケとはまさしくこのことですな。
はい、このように「無限ART」というアイデア自体がこのような「ホールが抜けねぇ」という問題を孕んでいるわけで、これがまさしく、この機種が覇権を取らなかったというか、カバネリのように「真似する機種が一杯出る」みたいなことにならなかった理由そのものなんじゃねぇかなと、今オレはこれを書くにあたってふと思いました。
身も蓋もないですけども、やっぱホールさんも儲かる機種を買うわけで、メーカーもそこに売れるからそういうのを作るわけですね。
あら、そう考えると、めっちゃマネされてるシステムというのは、もしかして…?
と、触らぬ神に祟りなし。今週はここまで!