
スペックが個人的に不安だったが……
ヒキなんて存在しないからこそ人生に絶望が深まるジャイロが新台を語るコラムのお時間です。
6月のパチンコ新台リリースは上旬のみ。スペック違い以外は大体触ったが、自分が好きかどうかではなくユーザーに受け入れられるのかという点で一番不安だったのがe範馬刃牙である。
初当り確率1/499。デカヘソでもない。とても良く出来ていて面白いのに怖がられて稼働が伸びなかったゴッドイーターのことが頭をよぎる。このスペックだけでユーザーは打たないかもしれない、そう思っていた。
ところがホールでの「自分が見る限りでの稼働」では刃牙が抜けてイイ。
理由は打てば良くわかる。4年前のPバキをうまく踏襲しつつ、バレも面白く仕上がっているし、図柄揃いは重いけれどそこを突破してしまえば夢が広がりまくりんぐなのである。
また、最近の機種で期待値がすべて同じならどれを打つ? と言われたら刃牙を選ぶ可能性も高い。
図柄揃い1/499と言うと荒く見えるが、1500or3000個と初当りの出玉は安定しており悪い方を引いても1箱出るのでしばらくは持ち玉で打てる。右の出玉振り分けも80%が3000個と爆発力がありながらも継続率も80%あり安定感とのバランスはある程度取れている。
30年前、「3回権利モノ」というジャンルがあった。戻しはほぼ0、大当り確率は1/320前後で当たれば6000個前後の出玉が約束されたようなもの。※確変中にハマると4000個とかになることは稀にあった
ただ、1/320で6000個出るとなると単純計算でボーダーは13強になる。戻しがほぼ0と言えることもあり、当時は交換率2.5円の店で20回転の台を探すのも大変だった。1/320とはいえ回らないから必然的にお金が入るので、当たりまでのリスクで言えば当時の中ではかなりハイリスク。ただし当たりをもぎとれば6000個はだいたい取れたので安定性は高かったのだ。刃牙を打って真っ先に思い出したのがこの3回権利を打っているような感覚だった。
演出も良く出来ていた
演出も弱リーチのようなキャラリーチもチャンスアップがあればしっかり期待できるし 大当り占有率も低くない。図柄の法則も良く出来ており、通常時が1/499とは感じさせない演出バランス。とても好みである。
なお、先バレに「鳴ればRUSH」というバレがあるが、これでバレを出したときの脳汁はマジで飛ぶぞww
ただ、実はRUSH中に不満がある。それはバトルに発展してしまうと(後半まで引っ張られると)期待度が大きく下がるところにある。
前半で刺さないとマジで「やっべしぬ」ってなるのだ。
今はロングST機全盛で、1回転決着でバトルを堪能できる台がほとんどないに等しい。
なのにバトルが「ワクワク」ではなく「やめてくれよ」なのだ。なんでバトルが始まったと同時に大ピンチに陥っているのか……。
前半で簡単に当たってそれで3000個貰えるというのは気持ちよくはあるのだが、せっかくのバトルタイプ、演出の主役はバトルであってほしかった。
ただ、その部分以外は本当に良く出来ているし、1/499は重いかもしれないが一度触れてみてほしい。ホールさんも今では貴重なバトルタイプを大事に扱ってほしいものだ。SANKYO系以外も回してくれよ(切実)。
499は引けない確率なのか?
あと、最後にひとつ聞いて欲しい。スペックを見て「自分には引けない」と感じてしまう人もいるかもしれない。自分のヒキじゃ無理だ~ってね。特にこういう1/499のような台を見ると怖気づいてしまうのはよくわかる。
でも、パチンコなんて結局はただの機械。相手を見て確率を変える機能なんて無いし、引ける人も引けない人も存在しない。皆平等に当たるしハマるのだ。「私はヒキ弱(ヒキ強)で~」なんてパチトークの定番の内容だが、そのヒキとやらで本当の意味で「数字の理」を覆せるような人間なんて存在しないのだ。
だから1回、2回と試行を重ねれば、いつか必ず誰にでも大当りを引くチャンスは訪れる。当りたくなくても当たってしまうのだ。1/499だから無理! って決めつけないで、今日の私なら当てられるかも! くらいの軽い気持ちでライトに打ってみると案外新しい発見があるかもしれないぞ。
(C)板垣恵介(秋田書店)/範馬刃牙製作委員会