2003年、私はパチンコライターになった
大ベテランとなった今でもドン引きするほど貪欲なパチンコライタージャイロがパチンコニュースを語るお時間がやってきた。
さて、以前ライター生活22周年を機に自分のライター人生を振り返る話を書いていたが、前・中編を書いて後編を放置していたので今回こそ後編、パチマガでライター(パチマガ攻略軍団)になってからの生活について語っていこうと思う。
前回もお話したが、いまから約20年前、パチンコライター業は今ほど稼げるものではなかった。パチンコの状況が良かったこともあり、はっきり言うと仕事を請け負うより稼働していた方が金になる、というレベルでもあった。※がっつり誌面のページ作りもしている人はまた別だが、ここでのパチンコライター=誌上プロ的なものと考えて欲しい
昔のパチンコライターはガチのパチンコ漬けだった
じゃあ金にならないのになぜパチプロに専念せずにパチンコライターをするプロがいたかというと、パチプロ(無職)ではなく仕事をしているということ、全国で流通している雑誌で書いているライターであるというステータスがあるのとないのとでは生きやすさが違うからだ。
金を稼ぐ、ということだけなら執筆の時間も稼働にあててパチンコ専業でやっている方が稼げる。ただ、ライターという肩書きがあれば家も借りやすくなるし、ステータスも得られるし、業界に繋がりもできるし、雑誌に載ることで知名度も得られ承認欲求も満たされるわけだ。
特に今ほどSNSも発展していない時代だったのでパチンコを打つことが仕事になって、人と繋がりも得られるというのは大きかったんじゃないかな。家族や友人に仕事を聞かれたときも「パチプロ(無職)です」というのと「ライターです」というのでは相手に与える印象に大きな差があるだろう。
今は「パチンコ業界を盛り上げたい」という、世の中で最も嘘くさく気持ち悪い文言を堂々と掲げてこの世界に入ってくる者が多数いるが、当時はそんなフレーズを呟く奴は一人もいなかった。そんなこと言わなくても盛り上がっていたってのもあるかもしれないが。
で、ライターにせよ攻略軍団の私にせよ、やることと言えば「稼働して期待値を積み、パチンコで勝つこと」であった。文章を書くだの演出データ分析だのの前に、まずこれができない者はライターとしてやっていけない世界だったのだ。そして実際に勝てたかというと、勝てたから今もこうして生きているわけだ。
私がライターとして働き始めた2003年頃はまだ都内近郊の交換率が低く、ホールに長く居続けることができる我々には有利な状況だった。明日打つホールに困るなんてことは滅多になく、ある程度の期待値を積めるであろうアテが常にあったし、実際に毎日良い台を打ちにいけていたものだった。
そして当時のパチンコライターという仕事は自由度が高く、任された分量の仕事をうまく終わらせさえすれば、余った時間を稼働に充てることもできたのだ。
たとえば、新台導入週のスケジュールでは通常ならばこうなっていることが多かった。月曜日&火曜日に新台のデータ取りを行い、水曜日にそのデータまとめ。
このスケジュールを月曜日~火曜日に新台データ取りに行ったのち、火曜の夜から翌朝までにデータまとめを終わらせる、と圧縮することで水曜日を1日空けて稼働に当てるといったような感じだ。
もちろん火曜日がきつくなるが、それでも稼働を1日増やせるのは大きかった。当時はデータを取らずに打てるパチンコが幸せだったのでけっこう無茶なスケジュールを組んだものだ。
文章だと伝えづらいが、一言で話すなら専業とあまり変わらない生活をしていた、と思っていただいて問題ない。
助ちゃん(助六)もドテさん(ドテチン)も当時はほぼ毎日データ取りあるいはプライベートでパチンコを打っていたし、助ちゃんはデビューからしばらくは自分と稼働地域が被っていたので土日の稼働ではホールが被ることもけっこうあったものだ。
あとは若さもあったよね。若いと深く考えないから、とにかく自由度が高い仕事で好きなパチンコをしょっちゅう打てていたので悩みはほとんどなく、毎日が楽しかった。
能天気に生きられた時代だったし、自分がパチンコを覚えたときに考えていたことは「仕事がなくなってもパチンコがあれば食いっぱぐれることはないな」という安直なものだった。
当時はそう思えるような世界だったなあ。でも、今でもやれないことはないと思う。スロットも視野に入れてしっかり期待値だけを取りに行けば自分一人生きていくだけならなんとかなる自信はある。
ただ、あの頃のように純粋な気持ちでパチンコを打ちに行くことはできなくなったなあ。年齢のせいかもしれない。
どうしても演者になりたいのならなるしかないが、これだけ聞いてくれ
「ライターやってみたい」「YouTuberやってみたい」という人に、自分はオススメしないというスタンスを取っては来たが、若いうちにチャレンジした方が年齢重ねてからよりは楽ではあると思うからやってみてもいいかもしれん。
これは若者以外やるなと言ってるわけではなく、一番若いのが今だからってことな。実際自分も40過ぎて鳥貴族の店長を退職してYouTuberに挑戦したからね。やってやれないことはない。
でもね、何度も言うようだが、こっちの世界へ足を踏み入れるということは「普通の幸せ」から遠のくことは覚悟しておいたほうがいいぞ! 普通の人生を送りたい人、普通の人生を送れる人が無理に来る世界じゃない。
でもね、冒頭で書いたような「業界ヲ盛リ上ゲタイー」とか言ってるだけの金にしか興味なくてパチンコを全然触っていないような盛り上げ隊ではなく、ガチでこの業界で頑張りたいという人なら私は歓迎したいしエールを送るよ。



