※『覆面パチンコ業界人T.,Kの忖度はナシの方向で』過去の連載まとめはコチラから。
世の中には数多くの忖度が溢れています。パチンコ・パチスロ業界も然り。
このコラムは、そんな業界の中心部に身を置く1人の開発者が、色々なしがらみを振り払ってお届けします。
最新機種や人気機種の秘話、メーカー関係者ならではの裏話まで。
もちろん忖度はナシ…の方向で。
第14回・「西陣」×「リスペクト」×「ディスリスペクト」の方向で
やぁ。
T., K. だよ。
先週に引き続き、惜しくも廃業されました西陣さんの数ある機種の中から名機を振り返りたいのですが、その前に。
ちょっと思ったことあるのですが、そういえば西陣の機械って業界全体で振り返ったらゴトや不正の被害がかなり少なかったのでは?と思います。
これって地味だけどとても優秀でとても素晴らしいことですよね。
「無い」が当たり前だから中々浮上する話では無いのですが、モノづくりとしてはリスペクトすべき点かと思い書き留めておきます。
さて、今回は西陣の権利モノ/デジパチの名機となります。
●ラプソディ(1993年)
「笑っちゃう乱暴さ」、が私がこの機械にあげたいネーミングです。
簡単に言うと、役モノ飛び込み後に1/6のV穴に入ったら当りの2回権利4,600個という機械なのですが、このV穴に入った時の抽選にて「77」(1/16)が出るとなんと驚愕の「10回権利(22,000個)の大当りが確定しちゃいます(その他は全てゾロ目で2回権利、ここにハズレは無い)。
しかも、9回目の権利取得時にこのデジタルは再度変動するので、再度1/16を引いちゃったりした場合は再度10回権利が獲得できました。昔は乱暴ですねw
●CRチキチキドリームR(1995年)
正直に言うと、結構この機械スペックはマイルドなんですよね。
15分の4が確変の2回ループなので、いわゆるこの時代のMAXスペックじゃなく…。
しかしながら、設定付きの初当り確率が1/298~1/353とマイルドになっており、なんと中央にスタートチャッカーが2つありました!これによって右打ちや天打ちの方が回るなどといった嬉しいイレギュラーが存在して遊びやすかったんです。
しかも、当時では全然少なかった6インチカラーブラウン管を搭載して(当時ではとても美麗)いました。これによるリーチアクションがとても秀逸で、3種類のゲーム(あみだ・海底宝探し・レース)にてヒヨコが活躍して成功すれば大当りという内容。
今じゃ普通のことだけど、当時ではとても珍しい「図柄煽り」ではないゲーム性はとても”後を引く“中毒性がありました。
ああ、また打ちたいなあ……。
●花満開、春夏秋冬、春一番
最後になりますけど、この和風三部作。
西陣はこれによって一時代を築きあげたわけですけど、それらを擦り切れるまで、しかも時代への適合を何度も何度もミスりながら作り過ぎたことによって廃業した、と私は思ってます。反面教師、業界でメーカーとして生きていく為に、あえて最後に厳しく〆させて頂きます。
※当記事の内容はライター「T., K. 」の独自見解に基づくものであり、編集部の意見とは関係ありません。
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