チワッスあしのです！

パチ屋さんで遭遇した奇天烈なお客さんについてのコラム。

今回は東京都にお住まいのサンさんのお便りをご紹介。

43歳男性の方です。

お、タメ年。

イエーイ！

【サンさんのお便り】
やたらこちらの台を指さしてくるお婆ちゃん。

スーパーかかる度に声だして指さしてきて、当たった後の確変ジャッジの時に外れたの見てでかい声で「嘘ー！」と言われた。

「50%なんで外れるわ…」と思いかなりイラっとした。

あー、実況中継してくる隣人さん。

はい居ますね。

最近はちょっと少なくなってる気がしますが、その昔は俺もサンさんと同じような状況になったことが多々あります。

ただ実況するだけならまあそんなに害はないんですけども、直接解説してくる系の人にブチ当たるとなかなかどうして居心地が……。

ねぇ？

過去の「隣に座ったヘンな客」はコチラ

アラジンは連チャンテーブル式じゃねぇ

例えば、あれは2002年初頭くらいかな。

パチスロコーナーでまだ導入されたばっかりの4号機「アラジンA」を打ってた時の話です。

そこは地下のめちゃくちゃ薄暗いホールで、そのインチキ臭い雰囲気が大好きで当時よく通っておりました。

その店が面するアーケードには他にも沢山パチ屋があり、しかもどこも遥かにデカいしよく出していたんで、敢えてその薄暗い地下ホールを選んで通う人というのはあんまりおらず、いつも閑散としていたものです。

マジでフロアに自分しか居ないみたいな日がデフォであり、入れ替えの日ですら満席に及ばない、みたいな感じ。

俺なんかはそういう寂れたホールが大好きなので（だから負けるのだけど）何も気にせず打ってたんですが、その日は珍しくフロアに俺以外のお客がおり、しかも同じ「アラジンA」を打っていました。

そういう状況なので、お互いの事が嫌でも気になる。

連帯感…というわけじゃないんですけども「ああ、あっちの人、単チェリー引いたな」とか「ビッグだったか」みたいなのがモロに分かるわけで、チラッと見たらなんか目合っちゃう、みたいなのがしばらく続いてたんですね。

この時点で結構居心地が悪いんですけども、俺が何かの拍子でアラチャンにブチ込むや、いよいよその人が俺の隣に移動してきました。

当時の筆者はまだ20歳そこそこ。

相手はスーツ姿の少しシャクれたオッサンでした。

彼はめっちゃ笑顔で着座するや、身体をクイッとこちらに回し、しかるにアラチャンを消化する俺の所作をしばらく眺めたのち、あろうことか喉を鳴らして話しかけてたのでした。

「いま、ボーナス後に入った？」

オッサンの言葉に、とっさに首を振る俺。

「いや、単チェからッス…」

「だから、ボーナス後？」

「いや、普通に単チェからッスけど…」

オッサンは苦笑して手を振って、それからこう言いました。

「ボーナス後の高確率状態って知ってる？」

その時点でこのオヤジが「アラジンAが獣王と同じ抽選システムである」とカン違いしてるのに気づきましたが、説明するのがものすごく面倒くさかったので曖昧に頷いておきました。

するとオヤジは「無知な若者に教えてやろう」と言わんばかりに、水を得た魚の如く解説を始めた次第。

「ボーナス後には高確率状態に入るんだよ。そこで単チェリー引くと連チャンするわけ。低確率の時にアラチャンに入っても、だいたい単発で終わるんだよ」

全然ちげえよと心の中で思いつつ、やっぱり笑顔を浮かべて「ああ」と曖昧に頷く世渡りセンスを見せる俺。

いま楽しい所なんだからマジで話しかけないでくれよと思いながら至福の10Gを消化したのち、またパンクとの戦いが始まります。

一応知らん人に説明すると「アラジンA」は主に単チェリーの一部で「アラジンチャンス高確率」に移行。

それがパンク（終了）する前に約1/20に当選するとアラチャンに突入するという仕組みになっていました。

つまりパンクしない限りは延々とアラチャンが連チャンし続けるのです。

さて、そうこうしてるうちに筆者の台のアラチャンランプが本日2度目のペカリを見せました。

さらに3度目。

4度目。

おや、これは高確率ロングかもしれないぞ。

にわかに興奮しだす筆者に、またもオヤジが余計な解説を始めます。

「これ、4までいったら絶対5まで伸びるから！　4連で終わる振り分けないからね！」

アラジンは連チャンテーブル式じゃねぇ、と喉元まで出掛かったのをグッと飲み込み、会心の笑みを浮かべて「なるほど！」と頷く俺。

心の中で「マジでどっか行ってくれ」と念力を送りました。

そんな筆者の願いが通じたのか、俺の台のアラチャンはオヤジの説によるところの「無いはずの4連」でスンと終わり、バツが悪くなった彼は「おっかしいなぁ」「バグってんじゃないの？」とかいいながら、首を傾げてどっかに行ったのでした。