
※『覆面パチンコ業界人T.,Kの忖度はナシの方向で』過去の連載まとめはコチラから。
世の中には数多くの忖度が溢れています。パチンコ・パチスロ業界も然り。
このコラムは、そんな業界の中心部に身を置く1人の開発者が、色々なしがらみを振り払ってお届けします。
最新機種や人気機種の秘話、メーカー関係者ならではの裏話まで。
もちろん忖度はナシ…の方向で。
第29回 ・「ガイア倒産」×「パチンコ業界の構造」の方向で
やぁ。
T., K. だよ。
もう既知の情報になるのだけど……。
やはり触れざるを得ないニュースとして、【株式会社ガイアの民事再生法の適用申請】がありました。
ガイアおよびグループ6社の負債総額は、7月末日現在で1600億円を超えておるそうです。サクッとした第一報の『ガイア民事再生!負債約800億!!』ってのだけでも、インパクトが凄まじかったのだけど、蓋を開けてみたら1600億でしたって(汗)。
再建支援に係る基本合意書を締結したJトラスト株式会社ってところの広報さんが、今後の方向性についていくつかの説明を発表しているのだけど……。
ガイアが倒産した原因とは……。
めちゃくちゃ気になるのは、
コロナ収束後は客足が戻ってきており、あらゆる策を講じることで再建は可能としているにも関わらず、Jトラストとして、ホール運営事業を展開する考えはない。
としているところ。
うん、まあそうだよね。
この何とも言えない“客観視点”に個人としては不安しか覚えないです。
コロナ収束後は客足が戻ってきており→確かにそりゃ一番酷い時期よりは戻ってますよ、全体は、ね。
でも、ガイアさんに戻ってるのかどうかは?とても不透明。
加えて業界は、スマスロや6.5号機のヒットでパチスロにユーザーが戻ってきているとはいえ、スマパチの不振など未曽有の危機をまだまだ抱えてる。
業界の構造的問題もネックになったところはあると思います。
パチンコ業界の有力な遊技機メーカーは数社に限られた状態で、大手ホールの営業戦略の軸は、その遊技機メーカーの人気機種をライバル店よりいかに多く設置するかを大きな差別化要因としているように思う。
一方で、不渡りを起こすようなホールは、簡単に遊技機メーカーから取引をストップされてしまう。人気機種の場合、定価が40万~50万円程度でも、中古市場では100万円超で取引される歴史を繰り返しており、メーカーから「人気機種」を直接仕入れられなければ、余計にキャッシュアウトがかさんでしまう。
だから「人気機種」に「なりそう」ってモノは「買い続けなければならない」。
でも、購入した「人気機種」の大半がコケ倒した場合、どうなるのか。
そういうのが、今回の民事再生に繋がっている一つの要因であるのかな?と。
結局、誰が悪いの?
メーカーがコケ倒すような機種を作らなければいいじゃないか!って声が聞こえてきそうだけども、もちろんそんなつもりで作ってはいない。
ここ最近、エヴァ15のようなロングSTの機種が多く出たり、源さん韋駄天が流行った後に後発で韋駄天のような機種が出たのは、ユーザーのニーズに答えようとしている証だ。
その努力が何故ヒットに繋がらないのかのカラクリは……次回の忖度にて。
ガイア復活の為には。
かつてガイアと共にパチンコ3強とされたダイナム・マルハンが生き残っている以上、市場縮小やコロナ禍といった外部環境の変化だけが理由としては引き起こされなかった事態。再建を進めるうえで、倒産に至った内部要因を特定・分析していかなければいけないのではないですかねえ。
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