※過去の「栄光なき名機たち」記事
チワッス、あしのです!
パチスロ界に燦然と輝く名機たちの傍らでひっそりと咲く佳作を紹介するこちらの企画、今回は平和が2007年にブチ込んだ「TIMという名のパチスロ機」について。
「という名の」ってついてるんで猪木チックな奴かと誤解しそうになるんですけども、別にAT機でもなんでもなく、コイツは超スタンダードなRT機でした。
内容としてはボーナス後にゲーム数切り(50G)の突入リプレイの高確率ゾーンに突入し、それを引ければRTへ、みたいな感じです。
この仕組みは当該機の稼働日(2007年2月)の段階でやや使い古された手法になっており、時代は早くもRTのパンク役を回避して延命するタイプ(リプパン外し機)が来てるタイミングに差し掛かってました。
そう考えると5号機序盤のゲーム性の進化は改めてすげえと言わざるを得ません。
なんせTIMとほぼ同時デビューがその後の5号機の先行きにどデカい影響を与えた「スカイラブ」とパンクチェリー回避ナビ式の完成形である「仮面ライダーDX 走れ!スーパーバイク編」であり、翌月には119.8%機の「リングにかけろ1」が、さらにその翌月には初の自称ART機「ダンス☆マン」がデビューするので。
この辺はめちゃくちゃ目まぐるしい。
ちなみに筆者の人生的にもこの年は大激動で、生まれ育った田舎で過ごしたラストイヤーがこの年。
翌年早々には上京して現在に至るわけで、パチスロを打ち始めてからそれまでずっと通ってた「見知ったホールたち」で打った最後のほうの機種がこの辺のやつになります。
HEIWABROS/5号機/2007年
おっぱいがデカい彼女が良く打ってた
さてこの「TIMという名のパチスロ機」ですが、この機種に関しては面白かったとかつまらなかったとかそういうのよりもまず「オッパイがデカい彼女が好んで打ってた」というのを思い出します。
そのオッパイがデカい彼女…面倒くさいんで以降「オッパイ」と表記しますが、彼女はのちに一緒に上京しそしてサクッと他の男とくっついてどっか行く事になる女です。
2007年当時はまだ付き合ったばっかりくらいのタイミングで、共通の趣味である「パチスロ」を楽しく打っては勝ったり負けたりしてたという、後にどっちかというと嫌な思い出になるオッパイ関連のエピソードのなかでは、やや「いい思い出」になってるのが、このTIMとか「サンダーVスペシャル」とかを打ってる時期の「連れスロ」のエピソードです。
彼女はどういうわけかTIMの「レッド吉田」のファンで、この台もリリースの噂を聞きつけるや導入日にしっかり並んで朝から打ち、画面上のレッドのギャグにいちいちケタケタと笑い、それに釣られるようにして、俺も笑いながら打ってたのを昨日のことのように思い出します。
まだ二十代、自分がそのうちオッサンになってハゲ薬飲み始める事なんかついぞ想像だにしない、若い全能感に溢れる青年でした。
今はもう筆者も結婚し、猫と一緒に3人で東京に住んでますけど、多分「結婚」も「猫」も「東京」もオッパイと並んでTIM打ってた頃にはひとつも想像してませんでしたし、パチスロ関連の物書きしてメシ食う事も一切考えてなかった。
ただチェリーナビのときにレッド吉田が放つ「ザ・ピンク!」という、ギャグなのかどうかすら怪しい勢いだけのセリフに、無邪気に笑いながら時折彼女の太ももに指を這わすだけ。
たしかにその瞬間は「この時間が永遠に続けばいいのにな」と思ってましたし、そこだけ切り取るといい思い出になってるような気が、あれから約17年経った今はしています。
総体としては嫌な思い出なんですけどね。
チャップリンは「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」って言ってますけど、俺はこれ、逆だと思うんです。
だってその時、その瞬間だけは最高に楽しかったけど、じゃあ戻るかよって言われたら絶対嫌だもの。
しかし、パチスロってこんな感じで「青春の記憶」と密接に結びついてるから非常にたちが悪いです。
クソみたいにボコボコに負けても、今更「はいヤメます」とはならないんですよね。
と、「TIMという名のパチスロ機」のことを思い出す時、俺はいつもパチスロと人生の関係性について思いを馳せるのですが、意外とそういう台はスロッター全員に一台くらいあると思います。俺にとってのそれがこの台ってだけ。
ただ、なんでTIMなん? …ってのはちょっと思いますけどね。
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