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チワッスあしのです!
パチスロ界に燦然と輝く名機たちの傍らでひっそりと咲く佳作を紹介するこちらのコラム、今回は2005年にネットさんが出した「リオデカーニバル」について。
本作はパチスロ史上初の萌えスロと言われる「スーパーブラックジャックS777(以下・スーブラ)」の後継機であり、内部システムを刷新し、より流行に合致した爆裂機として生まれ変わらせたものです。
NET/4号機/2005年
削っちゃ駄目
システム的には「旋風の用心棒」とか「ジェットセットラジオ」に近い「ATで小役の規定回数連=ボーナス放出」のシステムを採用してますが、別にパクリというわけではなく。
そもそも前作の「スーブラ」がATでの小役連でボーナス解除というアイデアを採用した機種でしたし、それを通常時からも入るようにしたリファイン機、みたいな感じと言えばわりとあってるかも。
で、「スーブラ」との一番の違いはATの数なんですね。ゲーム数のことじゃなくて、種類のこと。
前作は役割が違うATが2種類あったんですよ。
前作のATは主にBIG中の抽選を突破して入る「ストックタイム」があり、そしてそこでストックした個数分、ボーナス放出用のATである「リオチャンス」に入る、というものでした。
「リオデカーニバル(以下・リオデカ)」はこのフローから「ストックタイム」を無くし、リオチャンスに直接入るようになってます。
実際の抽選は「獣王」から脈々と続く「通常時に特定役を引いた際に、その時の状態を参照して抽選する」というお馴染みすぎる方式になっており、みんなこういうのが好きなんやろ? みたいな感じのフローをそのまま形にしたような機種でした。
なので、今となってはちょっと記憶もあやふやですが、稼働開始のときは結構鳴り物入りな感じだったと思ます。
なんせ前作があのスーブラなわけで。いよいよリオちゃんの新作が出たぜ、しかも爆発力も高まっとるぜ、みたいな感じで。
喜んでた人も多かったんですね。
もちろんオレもなんですけども、実際打ってみて多くの人はたぶん「あら何かちげぇぞ」ってなったんじゃないかと思いますし、今振り返ってみて、スーブラとリオデカどっちが好きだった? って聞いた時に「リオデカ!」と応える人は、多分少数派だと思います。
ネットさんはこっちのほうが分かりやすいと思ってリオデカを作ったハズなんですけど、その意図がユーザーに刺さったかというと多分刺さってなかった。なんせ、みんなやっぱストックタイムが好きだったんですよ。
なのでリオちゃんからストックタイムを失くしちゃ駄目だったと、リオデカについてはマジでこの評価に尽きます。
2003年に登場したスーパーブラックジャックS777
思い起こせばスーブラ打ってる時、オレの脳から最も汁が出てたのはストックタイムのときでした。
その消化中、キュイシュワーン! キラッ! みたいな音がしてリオちゃんがキス顔をキメた日にゃ興奮しすぎて過呼吸になりそうになってましたし、とりあえず落ち着くために一回店の外にでて無意味に建物の回りを一周回ったりしてましたからね。
それが終わった後のリオチャンスの発動待ちの時はまあまあ虚無でしたし、来るのがわかってるのが来てるだけだからそりゃそうなんですけども、そもそもボーナス放出の条件を満たすために小役を規定回数連続させるだけのATって、そんな面白くないんですよ。
めちゃくちゃおもしろいストックタイムを消して、あんまり面白くないリオチャンスを残したのが「リオデカ」なんですね。アカン!
これ逆だったらエグかったと思います。
多分最初に出してたらリオデカも(リオちゃんの可愛さがあるので)熱狂的に受け入れられてたと思いますし、そのあとスーブラ出したら「なんだこのストックタイムっての激アツ!」って全国で過呼吸がめっちゃ起きてたんですよ。
出す順番。これはホントに思う。
ストックタイムは後に追加されて然るべきなのに、スーブラは開発した人が天才すぎたのか、ちょっとオーパーツ気味に時代を先取りしてました。
だからこれは、姉が偉大だっただけで、別にリオデカが面白くないわけじゃないんですよ。
台としては優秀ですし、全くもって悪くないです。
でも、歴史に残る名機の後継機で、これほど印象に残ってない機種もなかなか無いかなと思いました。
出す順番よ、順番。
削っちゃ駄目。足していかんと。