
【第111回】拡散しても心配なし!?

前回、「確率の拡散」なんて心配要らないと述べたが、今回はその理由を詳しく説明しよう。
たとえば大当り確率1/320の台で、確率分母の1000倍(つまり32万回転)まわしたとする。その結果、もし初当りが990回出現したとすれば初当り確率は約1/323となる。
これは元確率の1/320に近い数字になっており、確率はおおむね「収束した」と言っていいだろう。だが、初当り回数に着目すると本来1000回引くべきところ990回なのだから、10回の引き損になっていることが分かる。
大当り10回分というと、1回1500個として15000個分に相当する。1玉4円で計算すれば6万円になる。
これは、「おおむね収束」しているのに、6万円の欠損が出ていることを意味する。言い方を変えるなら、6万円も負けているのに「おおむね収束」と言えるのか?…という疑問(拡散説)が出てくるのも分からないではない。
しかしちょっと待った。ここではあくまでも「勝つため」の話をしている。
ボーダー±0回転の台を打って収支をチャラにしたいという話ならば、なるほど「収束した」とは言いがたい結果かもしれない。
では、たとえばこれがボーダー+3回転ならばどうだろうか?
というわけで、下のグラフはボーダー+3回の台を12時間×1000日間打った時の収支をシミュレートしたものだ(大海5・等価4円)。

縦軸は初日から累積収支を表している。
これを見ると、多少のギザギザはあるものの右肩上がりに儲かっていることが分かる。むろん、1日単位で見れば大負けする日もあり、何連敗もしたり、あまり勝てない日がしばらく続いたりすることはある。
1日あたり20700円勝てる台なので、1000日間打てば2070万円の儲けが出る計算だ。そしてグラフを見ると、1000日目の収支は約2150万円のプラスになっている。
計算より80万円も多く儲かっているのだ。
チャラ前提で80万円と言われれば「収束どころか拡散だ!」と言いたくなるだろうが、2070万円のうちの80万円ならどうだろうか? 誤差の範囲と納得できるはずだ。
グラフはややギザギザしているものの、急に上に向かったり下に向かったりすることはなく、おおむね直線的な右肩上がりで推移していく。これをまさに「収束」と呼ぶのである。

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