【第84回】大当り0回でも出玉率0%ではない!
※『パチンコ正攻法』過去の連載まとめはコチラから。
パチスロではペイアウト、機械割などとも呼ばれ、出玉率という概念はよく使われる。
パチンコではたまに見聞きする程度なので、たとえば出玉率110%はどの程度かと聞かれてもピンとこない人も多いだろう。
そこで今回は出玉率の基本について解説しよう。
たとえばP大海5で、手元に250個(投資千円分)の玉があるとする。
これを打ち始めたら、18回転まわったところで大当りすることなく玉がなくなった。
この場合、使用した玉は250個、残った玉は0個だから、出玉率は0%になるのか?
いや、0%ではない。
少なくともヘソ(スタートチャッカー)に玉が18回入っているのだから、18回×賞球数3個=54個の払い出しがある。
さらにヘソ以外の入賞口にも1回入っているとすればプラス5個の払い出しがある。
ここではヘソ(賞球3個)に18回、他入賞口(5個)に1回、計59個の払い出しがあったものとして話を進めよう。
貸玉250個(投資千円分)がなくなるということは、玉貸分250個に加えて、途中で払い出された59個の賞球もすべて打ち込んでしまうことを意味する。つまり1000円分なくなるまでに盤面に打ち出された玉数は250+59=309個となるわけだ。
この場合、盤面に打ち出された309個のうち、59個の払い出しがあったことになる。
ここから出玉率は59/309=19.1%と算出できる。
このように、大当りしなくても玉の払い戻しはある。
ホール用語では、大当りのない場合の平均出玉率のことを「ベース」と呼んでおり、0から100までの整数で表記することが多い。この場合は出玉率19.1%なのでベースは19となる。
なお、この考え方は大当り中や確変・時短中にも当てはまる。
たとえばパチマガサイトの情報によると、P大海5の出玉は約1400個となっている。
純粋な払い出し数は10ラウンド×10カウント×15個=1500個であるが、そこから打ち出し分を差し引いた純増出玉が約1400個という意味になる。
ではその「打ち出し分」はどう計算しているのか?
1ラウンド(15個×10カウント)を消化するには最低で玉を10個打ち出す必要がある。
実際にはアタッカーに入らない玉やラウンド間のロス玉もあるので、ここでは仮に1ラウンドあたり15個打ち出すものと見なそう。
大当り1回分で10ラウンド分になるのだから、
15個×10ラウンド=150個の玉を打ち出している。
よってここまでの計算では、払い出し1500個に対し、打ち出し数は150個。差し引き1350個の獲得出玉になる。
さらに10カウントを超える入賞(オーバー入賞)が10ラウンドのうち3回強(約50個)あると仮定し、払い出玉を約50個上乗せした1550個とする。ここから打ち出し玉数150個を差し引き、純増出玉が1400個と計算されているわけだ。
最後に、「大当り中のみ」の出玉率であるが、
打ち出し数150個に対し払い出し数1550個だから、1550/150=1033%となる。
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