【第72回】設定付きパチンコはなぜ定着しないのか?
※『パチンコ正攻法』過去の連載まとめはコチラから。
設定付きのパチンコが初めて登場したのは1991年のGIGA(瑞穂製作所)だったと記憶している。
ただし当時のパチンコは規則上、設定付きのパチンコは認められておらず(※)、見た目はパチンコだが規格上はパチスロとして認可された。名称もパチンコではなく「パチコン」と呼ばれた。
(※…設定付きパチンコが認められたのは、1992年の規則改正で誕生した『CR機』から)
パチスロと同じく6段階の設定があり、釘は見せかけだけで実際には電チューで回転率を管理しているというものだった。
「こんなものが主流になってしまったらパチンコで喰えなくなる!」
当時のパチプロたちはそう危惧したものだが、幸い(?)一時的なヒットにすらならず、多くのパチンコファンにはその存在さえ意識することがないまま消えていった。
その後、爆裂CR機ブームの1996年、CR大工の源さんの大ヒットで設定付きパチンコがようやく本格的に世に知られることになる。設定できるのは大当り確率のみで、確変突入率・継続率等は変更できない。設定は3段階。設定1が最も甘く、設定3が辛いという仕組みだった。
当時は「設定判別法」なるものも流行ったが、そのすべてがいわゆるオカルト攻略法であり、仕組み上、設定の判別は不可能であった。
しかし設定付きCR機はそれ以上流行ることはなく、その後は設定の無いタイプが主流になり、いつしかほとんど見かけなくなった。
2018年の規則改正によって、CR機がP機に切り替わるタイミングで設定付きパチンコが改めて認められることとなった。鳴り物入りでホールに再登場した設定付きパチンコだったが、大ヒット機を生むこともないまま、2023年現在に登場するマシンにはほとんど設定付きは無くなってしまった。
現在、パチンコ機の全設置台数に占める設定付き機の割合は1割に到底及ばず、1%あるかどうかも疑わしい。
さて昔話が長くなってしまったが、設定付きパチンコはなぜこれほどまで定着しないのか、不思議に思った方はいないだろうか?
少しでも興味を持っていただけたのなら、この先もぜひお読みいただきたい。
出玉は設定の管理でコントロールできるので、ホールにとっては面倒な調整が要らない。だから回収台も看板台も正々堂々と作ることができるのでメリットは多いと思われるが、どうして導入しないのか?
「こんなものが主流になってしまったらパチンコで食えなくなる!」
と先ほど書いたが、これはプロの言い分だ。
プロに不利になるということは、一般客にはむしろ有利になるともいえる。
一部のパチプロや上級者を除き、一般客にとっては釘だの回転率だの面倒なことをいうより、あの台は設定が高いだの低いだの言っていた方がとっつきやすいと思うのだが…。
どうやら設定付きパチンコが根付かないのは、(パチスロとは違う)パチンコ特有の根深い背景がありそうだ。次回はその辺を考察していきたい。
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